2022.4.10
はじめに
2022.4.10、プロレスリングZERO1の両国国技館大会を観戦してきました。
ZERO1の20周年&21周年記念を締めるメインイベントは、『杉浦貴vs大谷晋二郎』の世界ヘビー級王座戦。
4月に長期欠場から復帰したばかりの大谷が、杉浦の持つタイトルに挑戦する構図でした。
この試合の感想について、私なりの前置きをば…。
巡る色々な思いや感情を言葉にする事は、生観戦から1週間経った今でも凄く難しいです。
何の技が危険か危険じゃないかなんて、素人の私には分かりません。
ただ、生であの出来事を観ていた一人としては、事後の批判や論評などに対して、どうも拭えぬ違和感やモヤモヤがあるのは確か。
稚拙ですが、私なりに『杉浦貴vs大谷晋二郎』を見た上で確実に言える事・感じた事を書きました。
(整合性ないかもしれませんが…)
①どうか、試合を見て判断してほしい。
今回の件で、「危険技に対して規制をかけるべき」と「何が悪いかハッキリ向き合うべき」、「客側が危険な傾向をエスカレートさせた」といった意見を見かけました。
そうした意見に対して、私がまず感じたのは、「(プロレスファンも含め)試合を見た上で言っているのか」という率直な疑問でした。
あの時の二人の試合が【危険】とカテゴライズされてしまう事に、私としては深い違和感を禁じ得ないのです。
「二人の試合が素晴らしかったから」とか、「そうした意見が選手に対して失礼」という思いも私の中にありますが、違和感の一番の理由は、【批評する上で重要かつ根幹の要素が飛ばされ、無視されている傾向】に対して私が抱いた懸念に他なりません。
私自身試合を見ていて、大谷も杉浦も頭から落とすような技で試合が進んでいた印象は無かったですし、寧ろ杉浦が攻めていたのは、首や頭ではなく大谷の左腕でした。
危険かどうかは個々人の考えでしょうけれど、せめて、(中継のあったサムライTVなどの)試合を見た上で判断してほしいのです。
試合を見たか見ていないかで印象が大きく変わってくる程の、デリケートな内容にも感じているので…。
(このメインレポートが、多くの方の目に広まってほしいです)
大会数日後に武田有弘氏(サイバーファイトグループ取締役)も触れていましたが、正直言うと、「試合を当日見ていない」というのが見ていた側もハッキリ分かるくらい、批判意見がステレオタイプに思えたり…。
簡単に三沢光晴やハヤブサなどのケースを挙げて、本件を指摘する事例が散見されるからこそ感じた点でもあります。
②本件で無視されるモラルこそ危険ではないか
私は今回の件を通じて、論評する側のモラルなど、試合とは別の点で危険を感じています。
試合そのものを見ていない状況で論じられる【危険か否か論】の数々。
「観客は命がけのファイトに酔っていなかったか」と一方的に客が断罪される風潮。
1ファンのアカウントにまで、引用リツイートやリプライで批判意見を吐き捨てていく方々。
規制退場中、救急搬送される大谷の姿を写真に収める一部メディアや観客。
それがプロレスファンであってもなくても、私自身、一番ガッカリさせられた瞬間でした。
実際あの場を見ていた人達が言葉を選ぶ一方で、苛烈な言葉が並べられ、叩かれる現状への困惑とやるせなさ。
そして、モラルが無視される行動と言動。
私は、その点を一番憂慮しています。
技の危険や是非なんて分からないけれど、私の中でハッキリ危険だと言い切れる事はこの一点だけです。
③アクシデント後の対応
アクシデントが起きた直後の対応に関しては、私はどれも迅速だったように感じました。
試合直後、即座にサードロープを緩めるセコンド陣。
勝利者としてイベントに立つ杉浦。
あの状況で場を締めた北村彰基。
規制退場中、「意識はございます」と常にアナウンスし続けたオッキー沖田リングアナ。
アクシデントなんて、無い方が良いに決まっています。
だけど、そういう有事でも各々がやるべき対応を取った事は評価されてしかるべきですし、瑕疵は無かったように私は感じました。
まとめ
私は杉浦貴というプロレスラーが大好きです。
私の人生に【試合を見るために遠征する】という選択肢を加えてくれたのは、杉浦の存在でした。
プロレスラーの中でも、一番好きな選手。
そして、同じくらい、大谷晋二郎というプロレスラーが大好きです。
過去にTwitterのダイレクトメッセージでチケット取り置きを頼んだ際、私のような一ファンに対して、「プロレスを思いっきり楽しんでください!」、「全力でプロレスさせていただきます」と言ってくださった、とても熱い方だから。
所属選手だけでなく、他団体(大日本プロレス、ガンバレ☆プロレスetc)、フリーランスにZERO1のOBにも熱さを伝播させた道程は、今回のメインで大谷のセコンドに就いた選手の数を見ても、ハッキリと感じ取れました。
私は、二人の元気な姿がまた見たいです。
例え、今回のように対角に交わらなかったとしても、元気な姿が見たい。
試合を生で見た1人として、心から願う事です。
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