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令和4年のGO ACTION〜第十回・Weight of my pride〜


はじめに

「お前が負けたら、もう『I am NOAH』は名乗るな」


2022年1月1日・プロレスリング・ノア日本武道館大会でメインイベントを飾った、『中嶋勝彦vs潮崎豪』。

その最終前哨戦(2021.12.27)に潮崎が敗れた直後、中嶋が潮崎に言い放ったのが冒頭の言葉である。

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潮崎の代名詞・『I am NOAH』も賭けられることになった大一番で、潮崎は中嶋に敗れた。

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試合後の中嶋のマイクは、NOAHの中心が潮崎から中嶋に移動した事実を如実に物語っていた。

「俺達が…、NOAHだ!」


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今振り返ってみれば、潮崎がシングルで勝てない時期を過ごすことになったのも、この元日からだった。

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団体最高峰の王者と、不振に喘ぐ元王者。

対照的だった2つの曲線は、双方の再起をかける形で、春に再び交わる事となった…。


2022.3.23『中嶋勝彦vs潮崎豪』


ノンタイトルマッチというシチュエーションで実現した、元日の再戦。


今回の試合時間は17分台と、2020年・横浜武道館の44分→元日・日本武道館の30分と比べても、かなりハイスパートな決着。

しかし、試合時間の短さに反比例して、潮崎と中嶋の奏でる打撃音は強度を増していた。

試合開始直後、潮崎が中嶋に喰らわせた逆水平チョップの破裂音が、象徴であり伏線だったのかもしれない。


その後は観客が思わず声を漏らす程の、強烈な打撃が乱れ飛ぶ。

人体から鳴らされているとはとても思えない、凄まじい爆発音の数々は、2020年の横浜武道館、2022年の元日・日本武道館を上回るものだと、配信でもハッキリ確信した試合。


先に試合を決めにかかったのは、中嶋だった。

滞空時間の長いバーティカルスパイクで、2人の勝負は決したと思われたが、潮崎もカウント2で回避。

しかし、トドメを刺すべく放たれた中嶋のハイキックを、潮崎のラリアットが撃ち落とす!


最後は豪腕ラリアット2連発で、潮崎が中嶋から勝利!


勝利した直後、万感の思いに満ちた表情で、四方の客席を見渡す潮崎。

マイクを持って放った一言は、恐らく、ファンが待ち望んでいたフレーズだったかもしれない。

『I am NOAH!!!!』

勢いそのままに、潮崎は藤田和之が保持するGHCヘビー級王座に挑戦を表明。

4.30両国国技館大会で、約2年ぶりのシングルマッチが決定。

無観客で伝説を残した名勝負が、有観客の大舞台で再び実現することになるのでした…。




まとめ


宿敵・中嶋勝彦にリベンジを果たし、失った代名詞・『I am NOAH』も取り戻した潮崎豪。


個人的に、2022年1月〜3月までのワンクールは、元日に『I am NOAH』を失ってから不振の日々が続く潮崎を描いた、『喪失と奪還』のドラマだと思っています。

そのドラマを構成する要素が、年始のシングル連敗、『シングル4番勝負』、3月のシングル3試合と重なり、第1章最終回が今回の『中嶋vs潮崎』だったのではないか、と。



そして、敗れた中嶋にしても、【藤田和之に敗れてベルトを落とし、潮崎にも敗戦を喫した】という事実が、今後の復活劇を彩る要素になると感じています。

中嶋にとっても、この試合がドラマの始まりになるかもしれません。


4番勝負全敗という悪夢から巻き返しての潮崎GHC挑戦に対して、一部からは疑義を呈する意見も見かけました。

ただ、藤田和之がGHCヘビー級王者である以上、『vs潮崎豪』の実現は時間の問題だったと思いますし、このカードを両国2Daysに持ってきた判断は正しい。



だって、無観客試合で伝説を残したドリームカードが、遂に有観客興行で見られる訳ですから!


~続~



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