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中身と共に求められる"お菓子缶クオリティ"

少し前にテレビでお菓子缶の特集をやっていた。
伊勢丹の地下に行くと、老舗から新進気鋭のお菓子職人が手掛けるブランドまで国内外とわず、お菓子缶デザインの著しい進化を目の当たりにする。
しかも円安か、材料費の高騰か、手間暇かかる缶が理由なのかお値段もなかなかよい。

そういう訳で、たまにいただきものでお菓子缶があると余計にテンションが上がる。

1.現代レトロ"タイヨウノカンカン"

ポルボロン

大阪の中崎町にある太陽ノ塔洋菓子店が手掛けるタイヨウノカンカン。
ノスタルジーとトレンドの融合を目指した太陽ノ塔はカフェを4件経営している。カフェの内外装やメニューは確かにノスタルジックな雰囲気が漂っている。
洋菓子店はこれらのカフェに焼き菓子を提供するセントラルキッチンを兼ねている。
オンラインでも購入できる焼き菓子は、ビビッドなカラーの缶に敷き詰められ、中には花柄や果物をモチーフとしたデザインの缶もある。味だけでなく、魅せることにもこだわりを持っているようで、レトロなデザインを新鮮と捉える若い世代も意識した色みやサイズ缶だ。
シンプルでありながら太いマジックで描いたような独特なフォントがノスタルジーのアイコンだ。
ピンク色の缶の中身は噛むとホロッと崩れる、粉糖に包まれたポルボロンだ。ポルボロンはスペイン発祥のお菓子らしいが、見た目や食感とネーミングが絶妙にマッチしている。

2.香り高い"GUCCI OSTERIAセイボリーボックス"

GUCCI OSTERIA缶
3種類の焼き菓子

GUCCI OSTERIAは2021年銀座にグランドオープンし、ミシュランガイドで1つ星を獲得した。
銀座の建物の前を通ったことがあるが、外壁に施された草花やうさぎやリスのアーティスティックでちょっとシュールなデザインはヒグチユウコ氏によるもの。銀座の中でも独特な存在感を放つ。内装もインテリアコレクションの「グッチ デコール」のものが多用されているらしい。一生に一度でいいから行ってみたいという食事の料金帯だが、同ブランドの焼き菓子やチョコレートを手軽に楽しめるのは嬉しい。
動植物を基調としているためか、グリーンがあらゆるデザインのベースカラーとなっている。缶の側面には控えめに、かつ効果的に植物柄が用いられている。
セイボリーとは伝統的なイギリス料理でスイーツではない軽食の意味合いをもつ。
缶を開けた時の香り高さが、見た目のシンプルさと共に本格的であることを物語る。ポルチーニ茸、サフラン、パルミジャーノレッジャーノチーズの3種類の焼き菓子は、お菓子の域を越える食事であり、ワインと共に楽しむと何とも贅沢な時間を過ごせる。

3.贅沢な味の掛け合い"umami nuts"

umami nuts
ポルチーニ茸マカダミアナッツ

創業60年の鹿児島に本社を置く、豆菓子専門店の大阪屋製菓が世界に向けて、プレミアム豆菓子として展開するのが「umami nuts」だ。
旨味をあまmi、からmi、こくmi、さんmi、しおmiと表現し、伝統的な和掛けやりん掛けの製法で豆菓子が作られる。
この製法によって、レモン醤油アーモンド、ポルチーニ茸マカダミアナッツ、ナッツと黒糖など贅沢な組み合わせの味を楽しむことができる。
紙箱の丸い切り抜きから豆菓子のアイコンが見えたり、コロンとした豆菓子が丸くシンプルな缶の中に行儀よく並んでいるのも愛らしい。

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