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YOASOBI原作小説①「夜に駆ける」

はじめに

「小説を音楽にする」というコンセプトで活動している音楽ユニット「YOASOBI」はコンポーザー(作曲家)のAyaseさんとボーカルのikuraさんの2人で構成されています。
YOASOBIの曲は全て小説を元に作っています。
YOASOBIの曲とその原作小説を紹介していきます。

まずは、YOASOBIのデビュー曲となった「夜に駆ける」を紹介します。
「夜に駆ける」の原作小説は、発売されている「YOASOBI小説集」に収録されていて、
星野舞夜さん著書の「タナトスの誘惑」「夜に溶ける」です。
※収録されているのは「タナトスの誘惑」の方で、「夜に溶ける」はネットで読めます。


⚠️ネタバレ含みます。

「タナトスの誘惑」のあらすじ

この物語は20ページ弱と短編小説です。
登場人物の名前は出てこないですが、男性と女性が居て冒頭から女性がマンションの屋上から飛び降りようとしていて、それを男性が止めに入る。
1回だけではないのでこの2人は元々付き合っているのか…
途中まではこう思うだろうけど、物語の中盤から話しがガラッと変わってくる。
その女性は「死神」が見えると言い出す。
それが見えるから早く行かなきゃ…
どういう事だろうと訳が分からなくなりますが、さらに、男性の方はブラック企業に勤めていて毎日疲れていて自殺を仄めかしている。
女性が「もう疲れた、早く死にたい」と言うと、男性も同じく…
すると、女性が「やっと気づいてくれた」と…
つまり、この女性は、「タナトス」に支配される人間だということ。

世の中の人間には2種類いて
生に対する欲動「『エロス』に支配される人間」と、
死に対する欲動「『タナトス』に支配される人間」

ギリシャ神話より

どういう事かというと、その女性は「タナトス」に支配される人間であり、つまり、その女性の役目はこの男性を殺す事。一緒に飛び降りる事。
あくまでも「タナトス」は自身がこういう想いを持った時にその人の憧れの人となって現れる。
あくまでもギリシャ神話の話しです。

この物語は、「死」というものをテーマに書いてるため、ちょっと怖い部分はあります。

沈むように消えていくように
二人だけの空が広がる夜に
駆け出して行った………

※「タナトスの誘惑」は男性目線、ネットで見れる「夜に溶ける」は女性目線になります。

「夜に駆ける」の歌詞全文

夜に駆ける

考察

原作小説が冒頭から一変して、死への世界へと誘う人が現れる事に、暗い感じで怖い感じがしました。
また、「夜に駆ける」の曲は原作がダークな部分とは打って変わってアップテンポな感じで原作とは真逆な感じがしました。
Ayaseさんは原作の内容を残しつつも、曲を暗い感じにすると聴く人が聞きにくいのかなと思って、あえて曲は明るめのアップテンポにしたのではないかと思います。
小説を読んでそれを基に音楽を作る、なかなか難しいと思います。
それを素晴らしい作品(曲)にするのはすごいです。
それを歌っているikuraさんも原作読んで歌っているから、歌い方というのもそれに合った歌い方をしているため、すごいですね。
原作が暗い感じですが、アップテンポな曲調とikuraさんの透き通った歌声で「夜に駆ける」という曲は暗い感じがしないですね。
原作読む前はこの曲がこういうテーマだとは思わなかったです。
YOASOBIの他の曲は、タイプが色々あり曲によって歌い方が違いますね。
原作を読んでからそれに倣って歌ってるし、全般的にYOASOBIの曲は良い曲ではあるが歌うにはかなり難しいです。

この原作小説は「死」というものをテーマにしてますが、1つ言える事は…
生命は大事にしましょう。

最後に、「夜に駆ける」のMVを載せますので聴いてみて下さい。
※こういう内容のため視聴制限が掛かっています。


最後まで読んで頂きありがとうございました。