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「普通の日々」エレファントカシマシ 27th single レビュー

「普通の日々」 2002(平成14)年2月27日発売

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。2月も終盤に差し掛かってますね。(早い・・・)
本日は、今からちょうど22年前にリリースされたエレカシのシングル「普通の日々」のレビューをしたいと思います。

「普通の日々」は、EMI移籍後6枚目となるシングルになります。「ライフ」の先行シングルとしてリリースされた本作は、「good morning」の頃のシングル3部作「ガストロンジャー」、「so many people」、「コール アンド レスポンス」の荒々しいサウンドとは一転し、物静かな音作りのバラードソングとなっています。EMI時代のエレカシの楽曲は、EPIC時代、ポニーキャニオン時代とはまた違った雰囲気を持っており、このころを境にまた新たなバンドの世界観が構築されています。一言で表すのは難しいのですが、電子音を駆使したサウンドの「good morning」、全体的にバラードな「ライフ」、荒々しいバンドサウンドの「俺の道」など、EMI時代にリリースされた作品はそれぞれサウンドや歌の雰囲気が全く異なります。簡単に表すと、「静」と「動」が共存し合った楽曲群であります。

1.普通の日々
「普通の日々」とは何だろう?おそらくありふれた日常のことだろう。「街や人や色んなもの」、「夜の静寂」、「車の影」、「通る電車」といったキーワードは日常生活で目にするものの象徴だろう。そして普通の日々は後悔や悲しみも飲み込んでしまう(忘れさせてくれる)のだ。1番に登場する「用意された舞台」というフレーズはおそらく表舞台のことを意味する。
この時代は宮本がメディア出演を極端に控えていた時代で、その当時の彼の心境が存分に表れている歌詞のようだ。表舞台には出たくない、自分らのやりたい音楽に専念したい、そういった思いがこの歌に込められている。最後のフレーズ「俺はきっと普通の日々から あなたを想って うたをうたおう」からは、まさにそのような思いが読み取れる。ファンのことを想いながら、普通の日常を過ごしつつ歌いたい歌を歌っていくことの決意だ。
歌としては、サビのような部分がなくどこがサビなのか不明だが、それ故歌全体がサビのようでもある。

2.ハロー New York!
「普通の日々」を含め、アルバム「ライフ」のレコーディングはニューヨークで行われた。その時の宮本の心境を歌った歌だと思われる。成田空港までの道のりや、セントラルパーク、そして実際にニューヨークに到着してからの心情や出来事と思しきフレーズが日本語や英語で歌われる、遊び心満載の歌詞である。ここまで遊び心が満載の歌はエレカシには滅多にないため、かなり異彩を放っている。ボーカルはファルセットが多用されており、最後の部分は完全にファルセットで歌われている。
おそらく「ライフ」に収録されている曲と同時期にレコーディングされたと思われるが、「ライフ」には未収録である。そもそもこの歌がそこに入っていたら違和感ありありだと思われる(ボーナストラックとして入ってたなら全然ありかも?)。アルバムの雰囲気に合わないからカップリングとしてシングルに収録されたのか、それとも最初からカップリング用に作ったのか、どっちなんだろう?
「ハロー人生!!」にタイトルが似ているが、全く別の歌である。

2月あと2日で終わりですね。早っ!

普通の日々(4分30秒)
収録アルバム 「ライフ」{2002}
タイアップなし
調 イ長調

ハロー New York!(4分37秒)
収録アルバム 「エレカシ 自選作品集 EMI 胎動記」{2009}
タイアップなし
調 イ長調

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