後悔しないように信じて歩こう My stage.私の青春コレクション

これ以上の恋愛はきっとないという決め付けが、今もじんわりと私が前を進むことを妨げている。
11年前。小学校5年生の時に初めて出会った彼は、男の子なのに小さくて、真ん丸な目と顔をしていた。周りから可愛いねと言われていた。私は…可愛いと言ったことあったかな。覚えてない。
私は、小学生ながらに毎日彼のことを考えていた。
その思いは確か一瞬だけ届いた。私は好きだと伝えることがあまり怖くなかった。私の好きに対していいよと言ってくれたけれど、小学生の付き合うなんて手もつながない。2人で会って喋ったりゲームをするくらいだったと思う。まぁ今思えばそれでいい。それがいい。
そんな関係は確か3カ月で壊れた。そして1年後また復活したけれど、また2カ月くらいで壊れて、私たちは中学生になって、クラスが離れた。
中学生の私は、彼と同じクラスだった数年前の毎日を思い出してばかりいた。小学校に戻りたい。そんな昔を羨む思いは私の毎日をほぼほぼ支配していた。
彼に、彼女ができたらどうしよう。私とクラスが離れて、私のことを忘れていったらどうしよう。
私が不確かな妄想を繰り返して毎日を消費している中、彼はどんどん私から遠い存在になっていた。学年には200人以上いる学校で、彼は成績1位になっていて、80人くらいいたらしいサッカー部の部長を務めて、クラスの学級委員もやっていた。それに比べて私は…ってほどダメダメではなかったけれど、平凡な、何においても大勢のうちの1人だった。
それでも近くにいたかった。当時、何とかメアドをゲットした。メ―ルをすると、彼からは素っ気ない返事が返って来た。それか4回に1回くらい無視された。
それでも嬉しかった。そして何回も、何回も告白をした。
で、何回も、何回も何回も振られた。
確か当時は本気で悲しんでいた。でも3日後には立ち直った。また告白をしたり、二人で遊びたいと言ったり、バレンタイン渡してもいい?と聞いたり… 3年間ありとあらゆる要望の全部を断られても、卒業式の手前には「第二ボタン欲しい」と言っていた。タフだな。今となっては7年前の自分が羨ましい。あ、ボタンはもらえなかった。
当然周りには好きバレしまくっていた。どれくらいかと言うと、別の女の子が「私、○○君(彼)がすきなんだ。でも、6組のノゾミちゃんって子がすごく〇〇君を好きらしくて。好きになったらノゾミちゃんに悪く思われるかな?」とか裏で言われていたらしい。それくらい。
それが心地よかった記憶は全くないけれど、あまり気にしてなかったように思っている。
彼に好きな人がいたっていい。私が誰よりも彼を好きだという気持ちが彼に伝わればいつか振り向いてくれる。でも、彼女がいたら…。それだけはさすがにやめてくれと思っていた。
中学生になると私は殆ど彼と話さなくなった。というかまぁ私は彼にめちゃくちゃ話しかけたけれど、避けられるようになった。
高校からは離れた。でも、実は彼と同じ高校に行きたいという思いで私はかなり勉強を頑張れた。それでも届かなくて、私は自分の思いの甘さを感じた。
高校は彼がいなくても楽しかった。女子校に進学をしたから彼氏はできなかったけれど、最高な友達と先生に恵まれて楽しい毎日だった。
でもたまに思い出した。
そりゃ、5年も好きだった人だもん。きれいさっぱり忘れるなんてできない。
でも、彼はなんだかんだ私とSNSではずっと繋がってくれていたし、たまに私が何かを送ると前よりも返事をしてくれた。
何より、前回のnoteで最初に書いた私の美人な親友と彼は同じ高校だったけれど、「あの人多分高校の時彼女いないよ」と言われた記憶がある。
マジ??????なんで???????と思った。
結局本当のところは分からない。今も。
 
今、彼は東京で、私は地元で大学生活を送っている。
私は大学2年の終わりに大学で知り合った彼氏が出来て、今年の8月末に別れた。
彼はどうなんだろう。何もわからない。SNSを見る限り彼女はいなさそうだけれど分からないし聞く気も起きない。中学生の時あんなに私を避けていた彼とは、高校、大学とだんだん距離が遠くなって、いつか完全に関係が絶たれる時が来るんだろう。次第にそう思うようになっていった。
 
でも、それは違った。
成人式で会った時彼は「久しぶり!」と笑顔で私に駆け寄って来た。
私は頭が真っ白になった。
嬉しさと恥ずかしさと、なんだか自分が大きな勘違いをしていたような気持ちになった。そして、断られるかもしれないと思いつつ、成人式のワイワイした雰囲気に任せて写真撮ろうというと彼は私と2人で写真を撮ってくれた。
「みんなに会った?」彼は私に聞いてきた。
「うん。でも私、殆ど高校の時の友達といるから、あんまりかな。」
「そうなんだ」「うん」
あとなんか話したか忘れたけれど、なんだか気まずくて、思わず私から「じゃあね!」と言って解散した。
これでもう、彼とはこの先基本会うことはないんだ。成人式で会うことは必然の出来事だけど、あとは偶然が起きない限り、ないと思っていた。
そう思った時、寂しさと安心感が襲ってきた。けれど、この思いも大きく外れた。
 
2か月後。私がこの前まで付き合っていた人と初めてデートした日の夜。初めて彼から連絡が来た。
私が送って返信が来たことは何回もあった。でも彼からは初めてだった。
元彼と付き合って初めてのデートの日の夜だったから、なんとも言えない気持ちになったのを覚えている。
でもたしか、その時の私はめちゃくちゃ強気だった。私今、あなたじゃない人と付き合っていて幸せなんで。って。
その後も何度か連絡が来た。別に、会おうとなったり、進展はなかった。私も彼氏いたし。素っ気なくというほどではないけれども、友達として接する程度に留めた。彼から初めに来た連絡は、地元の女の子がしつこく連絡してくるという悩みだった。
 
その中身は、確かにすごかった。彼はその子にとんでもないほど執着をされているようだった。私が言うなだけど。彼は返信してあげていたけれどローテンションで、にもかかわらず女の子側はそんなのお構いなさそうにテンション高かった。私が言うなだけど…
そして彼は、その女の子から連絡が来て困っているという相談のなかで「俺この子に2回くらい告白されたけれど振ったんだよね」と言ってきた。
…ん?それ私に言うか?2回どころかあんなに昔何度も何度も告白していた私に言うか??????????
彼に対して盲目過ぎた私でも、さすがに彼に、もう媚びてなんかやらねーよって思って、無視をした。
その数か月後にも彼からまた連絡が来た。その後も確かたまに…
今までは来なかったストーリーのいいねとか、どうでも良すぎるツイートのいいねとか。彼がインスタのアカウントを変更した時、私のこともすぐフォローしてきた。別にいいんだけれど、あの時あんなに素っ気なかった彼から…という気持ちになった。
だから、ずっと忘れきることはできなかった。彼氏のことは大好きだった。だけど、中学生の時みたいに、夢中すぎるくらい夢中になって、彼を好きな自分が大好きなあの時程、私は元カレを好きではなかったようだ。

今年の夏。
友達と繁華街で飲みに行こうと、ビルに入った時。
偶然、彼に会った。すれ違ったほんの一瞬だったが私は確かに彼だと分かった。中学の時、クラスが離れて、移動教室の度に、「偶然彼とすれ違ったりしないかな。」と期待していた時を思い出して、正直嬉しかった。あとからDMしたところ、やっぱりそうだった。「もう東京戻るんだ。」と彼からは来た。
「そっか。気を付けて帰ってね」
 
成人式が終わってからはもう勝手に「会うことはない人」って思っていた。好きだった人ほど会えないものだと思っていた。
 
偶然なんてある訳ないって思っていたけれど、必然なんてもっとある訳ないと思っていた。それも違った。
(無駄に小説っぽく書いていますが、次回は限界オタクっぽくなります)

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