#12 列王記第二

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レジュメ

※「※」や「⇒」で書いてる記述は、このNoteを書いてる者のメモです。他はレジュメのコピペです。

1.はじめに

(1)書名
①サムエル記、列王記、歴代誌は、それぞれ本来は一書である。
②七十人訳が便宜的に第一と第二に分けた。
③それ以降、その習慣が定着した(ヘブル語聖書も同様)。

(2)内容
①列王記は、サムエル記の続編である。
②列王記が2分されたのは、内容上の理由ではなく、物理的理由である。
③単なる歴史ではなく、歴史からの教訓(歴史観)を教えようとしている。

2.アウトライン

※列王記全体

Ⅰ.ダビデの晩年(1列1~2章)
Ⅱ.ソロモンの統治(1列3~11章)
Ⅲ.分裂王国(1列12~2列16章)
1.列王記の大前提
2.ソロモンの失敗
3.統一王国の分裂
Ⅳ.北王国の崩壊(2列17章)
1.金の子牛
2.下剋上の時代
3.北王国崩壊の原因
Ⅴ.南王国の崩壊(2列18~25章)
1.ダビデ王朝の継続
2.捕囚前のイザヤの活躍
3.捕囚期のエレミヤの活躍
4.まとめ

3.結論

(1)地上の王国と天の王国
(2)人の計画と神の計画

列王記第二を通して、歴史の中に見られる霊的原則について考える。

Ⅲ.分裂王国( 1 列 12 ~ 2 列 16 章)

1.列王記の大前提

(1)創12:1~3
Gen 12:1 【主】はアブラムに仰せられた。/「あなたは、/あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、/わたしが示す地へ行きなさい。
Gen 12:2 そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、/あなたを祝福し、/あなたの名を大いなるものとしよう。/あなたの名は祝福となる。
Gen 12:3 あなたを祝福する者をわたしは祝福し、/あなたをのろう者をわたしはのろう。/地上のすべての民族は、/あなたによって祝福される。」
①土地の約束
※神との土地のリース契約。神の意図通りでなければ、契約は切られる。
②子孫の約束
③祝福の約束

(2)出19:4~6
Exo 19:4 あなたがたは、わたしがエジプトにしたこと、また、あなたがたを鷲の翼に載せ、わたしのもとに連れて来たことを見た。
Exo 19:5 今、もしあなたがたが、まことにわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るなら、あなたがたはすべての国々の民の中にあって、わたしの宝となる。全世界はわたしのものであるから。
Exo 19:6 あなたがたはわたしにとって祭司の王国、聖なる国民となる。/これが、イスラエル人にあなたの語るべきことばである。」
①イスラエルの民は、神の支配の下で生きるなら祝福を受ける。
②イスラエルの民は、祭司の王国、聖なる国民である。

(3)イザ42:6
Isa 42:6 「わたし、【主】は、/義をもってあなたを召し、/あなたの手を握り、/あなたを見守り、/あなたを民の契約とし、国々の光とする。
①イスラエルの民は、「国々の光」である。
②異邦人諸国を神に導く光となる。

(4)イスラエルの民は、この使命を果たすことができたのか。
①列王記は、失敗の歴史である。
②その原因は、モーセの律法に対する不従順である。

2.ソロモンの失敗

(1)政略結婚により、偶像礼拝が蔓延した。
①1列11:3~4
1Ki 11:3 彼には妻たち、すなわち七百人の王妃と三百人の側室がいた。この妻たちが彼の心を迷わせた。
1Ki 11:4 ソロモンが老境に入ったとき、彼女たちは王の心を迷わせ、他の神々に向かわせた。こうして彼の心は、父ダビデの心とは異なり、自分の神、主と一つではなかった。
②モーセの律法からの逸脱である。

(2)ソロモンの罪に対する裁き
①ソロモンの死後、裁きが下った。
②ダビデ契約のゆえに、ソロモンの王国は守られた。

3.統一王国の分裂

(1)ユダ族とエフライム族の対立
①レハブアムとヤロブアムの対立

(2)南北に分裂
①北王国=イスラエル
②南王国=ユダ
③北の10部族は、ヤロブアムが王となって統治した。
④南の2部族は、ダビデ、ソロモンの子孫たちが王となって治める。
*ダビデの家が退けられることはない。

※長子の権利はエフライム族
※メシアはユダ族から
※エフライム族とユダ族の主導権争い
※ベニヤミン族はユダ族にくっついてる。地理的に近い。

Ⅳ.北王国の崩壊( 2 列 17 章)

1.金の子牛

(1)ヤロブアムは、ダンとベテルに神殿を築き、金の子牛を安置した。
①「ネバテの子ヤロブアムの道」と呼ばれた。
②これは、ヤハウェ礼拝の変形である。
③北の10部族をエルサレムに上らせないための苦肉の策である。

※北の10部族は悲劇的な状況。霊的な根無し草。

2.下剋上の時代

(1)約210年の間に、19人の王が出現した。
①9王朝が興亡を繰り返した。
②最後は、アッシリヤ捕囚となる(前721)。

(2)預言者エリヤとエリシャの活躍
※神が北王国をまだ見捨ててないということ。
①バアル礼拝との戦い
※農業神。秋~冬にかけては力が衰えるので、賑やかにやる。神殿娼婦と交わることが礼拝になる。
②出エジプトの時代に続いて、奇蹟が起こる時代となった。
※出エジプト、エリア&エリシャ、イエス・キリストの3つが奇蹟が起こる時代。
③預言者の語ったメッセージは、申命記の原則への回帰である。
※モーセの律法に従えば祝福が得られるという原則。
④エリヤの時代に、「イスラエルの残れる者」という概念が誕生した。
※どんなに教えが廃れても、本当の信仰者を残しておられる。
⑤1列19:18
1Ki 19:18 しかし、わたしはイスラエルの中に七千人を残しておく。これらの者はみな、バアルにひざをかがめず、バアルに口づけしなかった者である。」
⑤これは、ロマ11章でパウロが取り上げる概念である。

3.北王国崩壊の原因

(1)2列17:22~23
2Ki 17:22 イスラエルの人々は、ヤロブアムの犯したすべての罪(偶像礼拝)に歩み、それをやめなかったので、
2Ki 17:23 ついに、【主】は、そのしもべであるすべての預言者を通して告げられたとおり、イスラエルを御前から取り除かれた(住む権利を奪われた)。こうして、イスラエルは自分の土地からアッシリヤへ引いて行かれた。今日もそのままである。
①アッシリヤ捕囚の原因は、モーセの律法に対する不従順である。

Ⅴ.南王国の崩壊( 2 列 18 ~ 25 章)

1.ダビデ王朝の継続

(1)南王国には20人の王が出現した。
①アタルヤという女帝以外は、すべてダビデの血統であった。
※イザベルという恐ろしい女性の娘
※バアル礼拝を持ち込む
②彼女は、ダビデ家を抹殺しようとして王位継承権のある者たちを暗殺する。
③幼子ヨアシュだけが助かった。
※サタンから神の栄光が守られた。
※イエスを殺そうとしたヘロデ大王も似たような話

(2)単一王朝(ダビデ王朝)がバビロン捕囚(前586年)まで継続する。
①南王国の王の内、8人が名君(善王)であった。

2.捕囚前のイザヤの活躍

(1)シャカイナグローリーを目撃した。

(2)アッシリヤとの戦争に備えるアハズ王を激励した。
①イザ7:14
Isa 7:14 それゆえ、主みずから、あなたがたに一つのしるしを与えられる。見よ。処女がみごもっている。そして男の子を産み、その名を『インマヌエル』と名づける。
②「アルマー」(未婚の乙女)
③「ベツラー」(処女)
※処女の女性がメシアを宿すという預言。
※原文はアルマ―。しかし、当時は、未婚であれば処女なので、実質処女と言っているのと同じ。

(3)メシア受難の預言を語った。
①イザヤ53章
※受難に遭うというのは、これ以降明確になった。

3.捕囚期のエレミヤの活躍

(1)エレミヤの手紙
※捕囚はされたけど、手紙を送ったり、共同体を作ることは許された。
①エレ29:4~10
②捕囚民への4つの原則
*家を建てて住み着く。
*畑を作ってその実を食べる。
*結婚し子を残す。
*その町の繁栄を求める。⇒求めないと反ユダヤ主義が起こる
③これは、ユダヤ人の世界離散への備えとなった。

(2)エレ31:31~34
Jer 31:31 見よ。その日が来る。──【主】の御告げ──その日、わたしは、イスラエルの家とユダの家とに、新しい契約を結ぶ。
Jer 31:32 その契約は、わたしが彼らの先祖の手を握って、エジプトの国から連れ出した日に、彼らと結んだ契約のようではない。わたしは彼らの主であったのに、彼らはわたしの契約を破ってしまった。──【主】の御告げ──
Jer 31:33 彼らの時代の後に、わたしがイスラエルの家と結ぶ契約はこうだ。──【主】の御告げ──わたしはわたしの律法を彼らの中に置き、彼らの心にこれを書きしるす。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。
Jer 31:34 そのようにして、人々はもはや、『【主】を知れ』と言って、おのおの互いに教えない。それは、彼らがみな、身分の低い者から高い者まで、わたしを知るからだ。──【主】の御告げ──わたしは彼らの咎を赦し、彼らの罪を二度と思い出さないからだ。」
①「契約の民」との契約
※新しい契約を結びメシアの到来を預言した。
②聖霊により心に記される契約
※今度は石板ではなく。
※心に書き記すってところ。
※教えない:千年王国になったらみんな知ってるから。
③新しい契約をもたらすのがメシアである。

4.まとめ

(1)出エジプト(解放)から始まった歴史は、バビロン捕囚(束縛)で終わった。
①列王記はダビデ王で始まり、バビロンの王で終わった。
(2)メシア登場の舞台が完成した。
①メシアは、アブラハム契約を成就するお方として登場する。

結論:

1.地上の王国と天の王国

(1)各王が、モーセの律法の基準、ダビデ王の基準に従って評価される。
①列王記は、単なる事実の羅列ではなく、霊的教訓を教えるための書である。
②祝福を受けるためには、天の王国の基準で統治する必要がある。

(2)この原則は、クリスチャン生活にも適用される。
①ヨハ15:11
Joh 15:11 わたしがこれらのことをあなたがたに話したのは、わたしの喜びがあなたがたのうちにあり、あなたがたの喜びが満たされるためです。
②イエスの命令に従うことが、喜びに満たされる方法である。
③世の人たちは、神を排除することによって喜びが得られると思っている。

※井戸に落ちた老犬の話。安楽死させるために土をかぶせようとしたら、土を踏み台にして上がって来た。クリスチャンも似てる。

2.人の計画と神の計画

(1)イスラエルの民の失敗は、メシアの誕生をもたらす。
(2)モーセの律法が機能しなかったので、新しい契約が結ばれる。
(3)イスラエルがメシアを拒否したので、異邦人に救いがもたらされた。
(4)やがてイスラエルはみな救われる。(by パウロ)

※神は悪しき者を用いてでも、ご自分の計画を成就されるお方である。

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