#32 ヨナ書
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レジュメ
※「※」や「⇒」で書いてる記述は、このNoteを書いてる者のメモです。他はレジュメのコピペです。
1.はじめに
(1)ヨナ書の位置づけ
①大預言書(the Major Prophets)
*イザヤ書、エレミヤ書、哀歌、エゼキエル書、ダニエル書
②小預言書(the Minor Prophets)
*ホセア書からマラキ書までの12書。
③ヨナ書は、捕囚期前預言書(12)のひとつである。
(2)ヨナという人物
①ヨナとは、「鳩」という意味である。
②2列14:25
2Ki 14:25 彼は、レボ・ハマテからアラバの海までイスラエルの領土を回復した。それは、イスラエルの神、【主】が、そのしもべ、ガテ・ヘフェルの出の預言者アミタイの子ヨナを通して仰せられたことばのとおりであった。
③ガリラヤ中央部に位置するゼブルン地方のガテ・ヘフェル出身である。
④彼の父は、アミタイと言うが、それは「真理」という意味である。
⑤ヤロブアム2世の治世に活動した(前793〜753年)。
*ヨナの預言が成就し、北王国は黄金期を迎えた。
⑥その時期に、ホセアとアモスが、北王国に対して預言を語っていた。
*北王国の不信仰を糾弾した。
*北王国はアッシリヤによって滅ぼされると預言した。
⑦ヨナは、アッシリヤで悔い改めのメッセージを語ることに抵抗した。
※アッシリヤが北王国を滅ぼすことを知ってたからイヤがった。アッシリヤが救われたらイヤ。
(3)ヨナ書の特徴
①キリストは、4人の預言者に言及しておられる。
*エリヤ(マタ17:11~12)
*エリシャ(ルカ4:27)
*イザヤ(マタ15:7)
*ヨナ(マタ12:41、ルカ11:32)
②ヨナは、エリヤ、エリシャの後継者である。
*エリヤとエリシャは、イスラエルに対して奉仕をした。
*異邦人伝道に召された(フェニキア、アラム)。
※エリヤ、エリシャ、ヨナは異邦人伝道をした。
※ヨナ書は異邦人伝道が中心テーマという点でユニーク。しかし、異邦人のために書かれているわけではない。
③三人称で書かれているが、ヨナの著作であることを疑う必要はない。
④神からの召命に背を向けた唯一の預言者である。
2.アウトライン
Ⅰ.不従順な預言者( 1章)
Ⅱ.解放される預言者(2章)
Ⅲ.神のメッセージを伝える預言者(3章)
Ⅳ.不機嫌な預言者(4章)
ヨナ書の内容について学ぶ。
Ⅰ.不従順な預言者( 1 章)
1.神の命令:「立って、あの大きな町ニネベに行き、これに向かって叫べ」
(1)ニネベは、ティグリス川東岸にあるアッシリヤ王国の首都
①ニムロデ(創世記に出て来る神に敵対する人)によって築かれた。
②「行き巡るのに三日かかるほどの非常に大きな町であった」(3:3)。
(2)ヨナの使命は、【主】の預言者として、彼らに罪の悔い改めを迫ること。
①彼らは、残忍な民であった。
2.ヨナの不従順
(1)ニネベが悔い改めるであろうことを予測し、それを嫌がった。
①イスラエルの敵を助けることになる。
②この時代のユダヤ人たちは、誤った選民意識を持っていた。
(2)彼は、東にではなく、西に向かった。
①タルシシュ(スペインの港町)に向かう船に乗った。
②当時知られていた世界の最西端の町。
3.大嵐
(1)【主】は、反抗したヨナを懲らしめるために、大風を海に吹きつけた。
①船は、難破寸前の状態になった。
②経験豊かな水夫たちは、この嵐が超自然的なものであることを悟った。
③彼らは、それぞれが自分の国の守護神に向かって助けを呼び求めた。
④難破を免れようとして、船の積荷を投げ捨て、最大限の努力をした。
⑤ヨナは、船底に降りて行き、横になって眠っていた。
⑥船長は、ヨナを叱責し、あなたも自分の神に祈れと迫った。
(2)水夫たちは、くじを引いて、だれに原因があるか知ろうとした。
①くじはヨナに当たった。
②人々は、ヨナが【主】から逃亡していることが分かると、非常に恐れた。
(3)ヨナは、自分に原因があるのだから、自分を海に投げ込めばよいと語った。
①水夫たちは、祈りながらヨナを海に投げ込んだ。
②すぐに嵐は静まり、水夫たちは、イスラエルの神を非常に恐れた。
Ⅱ.解放される預言者( 2 章)
1.【主】は大きな魚を用意し、その魚にヨナを飲み込ませた。
(1)ヨナ(人間)は神に反抗しているのに、魚(動物)は神に従順に従っている。
①ヨナは三日三晩、魚の腹の中にいた。
②この魚が鯨なのか、大きな魚なのか、私たちには分からない。
(2)魚の腹の中で、ヨナは祈った。
①これは、一度死に、その後復活してからささげた祈りである。
②彼は、大海の中で嵐と大波にもてあそばれ、苦しんだ。
③さらに彼は、海の底に沈み、海草が頭にからみつく所まで達した。
*この時点で、彼は肉体的に死んだ。
④彼は、「よみの腹の中」(シオール)から【主】に叫んだ。
「私はあなたの眼の前から追われました。しかし、もう一度、私はあなたの聖なる宮を仰ぎ見たいのです」
⑤その祈りは聞かれ、彼は復活した。
(3)祈り終わると、【主】の命令により、魚はヨナを陸地に吐き出した。
①ヨナは、【主】を礼拝し、【主】への誓いを忠実に果たす人物となった。
Ⅲ.神のメッセージを伝える預言者( 3 章)
1.ニネベへの派遣
(1)ヨナは立って、【主】のことば通りにニネベに行った。
①当時のニネベは、周辺の三つの都市を吸収した大都市になっていた。
②行き巡るのに三日かかるほどの非常に大きな町であった。
(2)ヨナは、一日中町を歩き回りながら、短いことばをくり返し宣言した。
「もう四十日すると、ニネベは滅ぼされる」
①ヨナの宣教は大いに効果を発揮し、ニネベの人々が悔い改め始めた。
②それは、ニネベの町のあらゆる階層の人々に広がった。
③彼らは、ヨナが語る神のことばを受け入れ、真摯な態度で悔い改めた。
④王は、率先して悔い改めを表した。
⑤悔い改めの布告を出し、獣や家畜に至るまで人と同じように悔い改めるこ
とを命じた。
2.神のあわれみ
(1)神は、町に下そうとしておられたわざわいを思い直された。
①「思い直し」とは、神の行為を人間の言葉で表現したものである。
②神は、人間が悔い改めるなら、裁きを取り除くと決めておられるのである。
Ⅳ.不機嫌な預言者( 4 章)
1.ヨナは、宣教の結果を見て不愉快になった。
(1)それどころか、怒りさえ感じた。
①彼は、死を願って祈った。
②不従順のゆえに一度死んだ彼が、成功のゆえに再度死にたいと願っている。
(2)ヨナが腹を立てた理由
①ニネベが悔い改め、裁きを免れるなら、それはイスラエルの滅びにつながる。
②彼は愛国者であり、国粋主義者である。
2.神の回答
(1)「あなたは当然のことのように怒るのか」
①神がしておられる良いわざを喜ぶことができないのは、問題である。
(2)ヨナは町を一望できる山上に仮小屋を建て、何が起こるかを見ようとした。
①仮小屋だったので、灼熱の太陽が容赦なくヨナの頭上に照りつけた。
②神は、短時間で成長し大きな葉を茂らせる「とうごま」を備え、ヨナを喜ばせた。
③翌日には、1匹の虫を送り、その「とうごま」を枯れさせた。
④ヨナはがっかりした。
⑤太陽が照りつけた上、熱風を伴う東風まで吹いてきた。
⑥ヨナは、再び自らの死を願うようになった。
「私は生きているより死んだほうがましだ」
(3)「このとうごまのために、あなたは当然のことのように怒るのか」
①神は、一夜で生え一夜で滅びた「とうごま」と、ニネベの人々を比較された。
②神は、人々のたましいの行く末を心配しておられる。
③神が40日間の猶予を与えた理由は、ニネベの人々(12万人以上)が悔い改
めることを知っておられたからである。
(4)ヨナ書の終わり方は唐突であるが、ヨナは神の意図を理解したと解釈すべきである。
結論
1 .これは、歴史書である。
( 1 )それゆえ、字義どおりに解釈する必要がある。
2 .これは、イスラエルに対するメッセージである。
( 1 )神は、異邦人を愛しておられる。
( 2 )イスラエルは、自らの使命を見失っている。
3 .これは、神の主権を教えている書である。
( 1 )主人公は、ヨナではなく、神である。
( 2 )人間の弱さや不従順にもかかわらず、神の計画は前進する。
4 .これは、イスラエルが異邦人の信仰から教訓を学ぶ書である。
( 1 )水夫たちの霊的洞察力と、人道的な愛
①イスラエルは、異邦人の救いに関心を示さなかった。
( 2 )ニネベの人々の信仰
①イスラエルの人々は、ホセアやアモスの警告を無視した。
5 .これは、ヨナをイスラエルの象徴と見ている書である。
( 1 )異邦人への証人として立てられた。
( 2 )異邦人に恵みのメッセージが伝えられることを嫉妬した。
( 3 )海(異邦人世界)に投げ出されたが、その一部になることはなかった。
( 4 )陸に投げ出され(約束の地への帰還)た後、異邦人の祝福となった。
( 5 ) 4 章の内容だけが、この枠組みに合わない。(ニネベでの宣教の結果を見て不愉快になった部分)
①千年王国において、イスラエルが異邦人に嫉妬することはない。
感想
ヨナ書は具体的で分かりやすいかも。。ただ、ヨナ書が持つメッセージは、子どもには分かりにくいかも。。
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