#8 ルツ記

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レジュメ

※「※」や「⇒」で書いてる記述は、このNoteを書いてる者のメモです。他はレジュメのコピペです。

※物語の書
※物語をエンジョイ

1.はじめに

(1)著者
①著者が誰かは分からない。
②ユダヤ人の伝承では、サムエルである。
③ダビデの名前が出て来る。サムエルはダビデに油注ぎを行った。

(2)名称
①主人公ルツの名前が付いている書である。
②聖書には、女性の名が付けられた書が2つある。
*ルツ記とエステル記である。
*神は女性を大いにお用いになる。

(3)内容
①士師記の時代に起こった出来事が記されている。
②イスラエル人たちが不信仰に陥っている中で、異邦人の女が信仰に生きた。
③「贖い」という重要な概念が登場する。
④その結果、異邦人の女ルツは、メシアの家系に名を連ねることになる。

2.アウトライン

(1)モアブへの移住(1:1~5)
(2)ベツレヘムへの帰還(1:6~22)
(3)ボアズの畑に行くルツ(2:1~23)
(4)買戻しを求めるルツ(3:1~18)
(5)ボアズによる買戻し(4:1~12)
(6)ダビデの家系(4:13~22)

3.結論

(1)ルツ記に登場する型について
(2)神の目に見えない手について
(3)信仰と不信仰の対比について

ルツ記を通して、神の計画に参加する方法について考える。

Ⅰ.モアブへの移住( 1 : 1 ~ 5 )

1.1~2節

(1)時代は、「さばきつかさが治めていたころ」(1節)、士師記の時代。
①「イスラエルには王がなく、めいめいが自分の目に正しいと見えることを行なっていた」(士21:25)
②霊的混乱だけでなく、物質的な欠乏も襲ってきた。

(2)ユダの(北にもあるが南のほうの)ベツレヘムの人エリメレクは、困り果てた。
※ユダのベツレヘム:のちの「ダビデの町」
①家族を救うために、モアブの野に一時滞在する決心をした。
②彼は、妻のナオミとふたりの息子を連れて故郷を出た。
③約束の地を離れるのは危険なことである。
*アブラハムはエジプトへ、イサクはペリシテ人の地へ、ヤコブはエジプ
トへ移住したことがあった。
*いずれも飢饉がその理由であった。
*ヤコブの場合は、神の許しがあったが、他の場合はそうではなかった。

(3)モアブについて
①ヨルダン川東岸の高原地帯である。
②モアブ人の祖先は、ロトである。
③姉が父ロトによって産んだ子がモアブ(創19:30〜38)。
④妹が父ロトによって産んだのがアモン人の祖先ベン・アミである。
⑤モアブ人とイスラエル人の間には、血縁関係があった。
⑥イスラエル人には、モアブ人を罪に汚れた民族と見る傾向があった。
⑦肥沃な農業地帯で、羊やヤギの牧畜も盛んであった。
⑧出エジプトの時代、モアブ人の娘たちはイスラエル人を誘惑し、淫乱なバアル・ペオル礼拝に引きずり込んだ(民25:1〜3、ホセ9:10)。

2.3~5節

(1)モアブの野に移住したエリメレク一家を悲劇が襲う。
①移住して間もないころ、夫のエリメレクが死んだ。
②10年ほどして、ふたりの息子はモアブの女を妻に迎えた。
*オルパとルツ
③しかし、このふたりの息子もまた死んだ。

(2)モアブの地に残されたのは、ナオミと2人のモアブ人の嫁だけとなった。

Ⅱ.ベツレヘムへの帰還( 1 : 6 ~ 22 )

1.6~14節

(1)ナオミのかすかな希望
①【主】がカナンの地を祝福し、豊かな収穫を与えてくださったと聞いた。
②彼女は、故郷ベツレヘムに帰還することを決意した。
③2人の嫁といっしょに住み慣れた地を離れて帰路についた。

(2)ナオミの別離の言葉
①ナオミは、2人の嫁を実家に帰す決断をした。
②2人の嫁にとって一番幸せなのは、再婚することである。
③ナオミの別離の言葉は、愛に満ちている。
④2人の嫁の反応も愛に溢れたものである。
⑤彼らは、愛の絆で結ばれていた。

(3)説得の結果
①オルパはモアブの地に帰って行った。
②しかし、ルツはナオミにすがり、実家に帰ろうとはしなかった。
③ナオミはいっさいの形式を排し、本物の信仰を求めた。

2.15~18節

(1)ルツの決断
①姑ナオミへの愛、イスラエルの民への愛、イスラエルの神への愛があった。
②その決意の固さは、ナオミにそれ以上何も言わせないほどのものであった。

(2)決意の言葉
「あなたの行かれる所へ私も行き、あなたの住まれる所に私も住みます。あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です」(16節)
①モアブ(異邦人)の女である彼女は、この信仰告白によってイスラエルの民が受ける祝福に与ることができた。

3.19~22節

(1)ベツレヘムに帰還したナオミ
①自分のことを「ナオミ(快い)」ではなく、「マラ(苦しみ)」と呼んでほしい。
②自分の身に起こったことを、偶然ではなく、全能者の業と見ている。
③ベツレヘムに帰還したのは、大麦の刈り入れのころ、つまり春先である。

(2)絶望の中に見える光
①彼女は、自分が会った患難は全能者の御手によるものでだと理解している。
②ルツという嫁が与えられている。
③故郷に帰還した時期は、大麦の刈り入れのころであった。
*その後の話の展開に有利に働いた。

Ⅲ.ボアズの畑に行くルツ( 2 : 1 ~ 23 )

1.1~3節

(1)ルツの生き方
①前向きである。
②謙遜である。「落ち穂拾い」に行かせてほしいと、ナオミに願い出た。
③勤勉である。自分の手で働いたもので生きようとした。

(2)落ち穂拾いの規定
①レビ19:9〜10、23:22、申24:19
②貧しい者と在留異国人のための規定。エジプトでの奴隷生活を思い出す。
③収穫に際して、畑の隅々まで刈ってはならない。
④落ち穂を拾い集めること、畑に忘れた束を取りに戻ることなども禁止。
⑤この規定は、オリーブやぶどうにも適用された。
⑥ルツとボアズの出会いは、この慣習があったことによる。

(3)舞台裏
「ルツは出かけて行って、刈る人たちのあとについて、畑で落ち穂を拾い集めたが、それは、はからずもエリメレクの一族に属するボアズの畑のうちであった」(3節)
①神のドラマが進行していた。
②「はからずも」=神の摂理
③ルツが行った畑は、ボアズという人の畑であった。
*エリメレクの一族に属する人、つまり、ナオミの夫の親戚に当たる人
*資産家で、律法をよく理解し、人格的にも優れた人物であった。

2.4~16節

(1)リーダーの手本ボアズ
①ボアズとしもべたちの会話
「主があなたとともにおられますように」「主があなたを祝福されますように」
②ボアズは神を崇拝し、僕たちはそのボアズを敬慕している。
③落ち穂拾いをしている女に目を留め、世話係の若者に、「これはだれの娘か」と聞いた。
④ナオミとともにモアブの野から帰って来たモアブの女であることを知る。
⑤ルツを大切に扱うように僕たちに命じた。
⑥身分や人種によって人を差別することがなかった。

(2)愛の人ボアズ
①ボアズはルツに、パン切れを酢に浸して食べるように勧めた。
②炒り麦を取って、彼女に与えた。
③ルツはその好意をそのまま受けた。彼女の純真で従順な姿が現われている。

3.17~23節

(1)ルツの報告
①その日ルツは、大麦1エパ(23リットル)を集めることができた。
②驚いたナオミは、その畑の所有者を祝福しようとして、その名を聞いた。
③それがボアズであることを知って、さらに驚いた。
④ボアズはナオミの近親者で、買い戻しの権利のある親戚のひとりだった。
⑤ルツは、ボアズがこれからも自分の畑に来るようにと語っていたことをナ
オミに告げ、ナオミは、ルツにそうするように勧めた。
(2)ルツの忠実さ
①毎年最初にやって来る収穫は大麦、次に小麦が続く。
②ルツは、その両方の収穫を経験した。
③ルツの忠実さが、さらなる祝福を産むことになる。

Ⅳ.買戻しを求めるルツ( 3 : 1 ~ 18 )

1.1~5節

(1)ナオミの助言
①麦打ち場は戸外にあったため、収穫された麦が盗まれないように、雇い人か主人が寝泊りして番をする必要があった。
②ナオミは、その夜ボアズがそこで寝泊りすることを知っていた。
③ルツに、ボアズが寝込んだなら、その足元に密かに忍び込むように助言した。

(2)買い戻しの権利
①ルツは、買い戻しの権利のことを聞いて平安を得たと思われる。
②人が子を残さずに死んだ場合、買い戻しの権利のある者がその妻を娶り、死んだ者の名を残すようにと、命じられている(申25:5〜10)。
③ルツには、ボアズに買い戻しを要求する権利がある。
④ルツは、「私におっしゃることはみないたします」と返事をした。

2.6~18節

(1)ルツの信仰
①この箇所に書かれていることは、不道徳なことではない。
②ルツはモーセの律法と姑の助言に従って行動している。
③ボアズも、モーセの律法に従って、ことを最善の方向に運ぼうとしている。
④「私はあなたのはしためルツです。あなたのおおいを広げて、このはしためをおおってください」
⑤「おおい」とは、衣の「裾」のこと、直訳すると「翼」である。
⑥今日でも、ユダヤ式結婚式では、この習慣が実行されている。
⑦夜中に自分がやって来た理由を、「あなたは買い戻しの権利のある親類ですから」と説明している。

(2)ボアズの信仰
①ルツが、誠意をもって買い戻しを要求していることを理解した。
②ナオミは、もっと近い買い戻しの権利のある親類がいるのを知らなかった。
③ボアズは、すべてが公明正大に行なわれるように計画を練る。
*優先権のある親類が買い戻しを決意すれば、ルツはその人の妻なる。
*ボアズは、すべてを主の御手に委ねた。

(3)行動するボアズ
①ボアズはルツに優しい言葉をかけ、朝まで彼女をそこで休ませた。
②ボアズはルツと彼女の土地を買い戻すために、行動を起こした。

Ⅴ.ボアズによる買戻し( 4 : 1 ~ 12 )

1.1~6節

(1)町の門のところ
①ボアズは町の門のところに座り、買い戻しの権利のある人を待った。
②町の門は、会議の場となったり、裁判所となったり、市場となったりした。
③ボアズは、ここで公開の取引を行おうとした。
④どのような結論が出ようとも、風評被害が起こらないようにするため。
⑤ボアズは10人の長老をそこに招いた。
⑥法的に重要な評決を下すためには、10人という人数が必要とされた。
⑦長老とは、老人という意味ではなく、町の役職を指す言葉である。
⑧10人の長老の評決によって、結婚は正式なものとなる。

(2)買戻しを断る親戚の人
①親戚の人は、一旦は買うと言いながら、「モアブの女ルツも買わねばならない」と聞かされると、前言を翻した。
②モアブ人に偏見を持っていたか、ルツが産む子に財産を持って行かれるこ
とを恐れたか。
※既婚で別に子どもが居たかも、っていうこと。ボアズは独身だった。

2.7~12節

(1)はきものを渡す習慣
①取引を終えるに際して、相手に「はきもの」を脱いで渡す習慣があった。
②親類の人は、ボアズにそれを渡し、取引が完了したことを証明した。
③ボアズは、10人の長老たちと町の人々の前で、自分がルツを買い戻したこ
とを宣言した。
④「死んだ者の名を、その身内の者たちの間から絶えさせないために」、ルツを買い戻したのである。

(2)町の人々と長老たちからの祝福
①町の人々と長老たちは、この結婚の証人となった。
②彼らはボアズの信仰をたたえ、彼に祝福の言葉を贈った。

Ⅵ.ダビデの家系( 4 : 13 ~ 22 )

1.13~17節a

(1)結婚と出産
①ボアズは信仰によってルツをめとった。
②それは神の計画であると同時に、ボアズ自身の主体的な選びでもあった。
③ルツもまた、信仰によってイスラエルの神の翼の元に身を寄せることを決
断した。
④その結果、彼らに男の子が与えられた。
⑤この子の子孫の中からメシアが誕生するようになる。

(2)ナオミの喜び
①町の女たちは、「この子の名は、オベデ―仕える者―です」と言った。
②町の女たちがつけたあだ名が、そのままこの子の名となった。

2.17b~22節

(1)系図
①オベデはエッサイの父となった。
②そのエッサイから、ダビデが誕生する。
③そのダビデの子孫からメシアが誕生する。

結論

1 .ルツ記に登場する型について

( 1 )ボアズは、イエス・キリストの型である。
①ボアズいう名には、「彼には力が宿る」という意味がある。
②ボアズは裕福な資産家であり、気力、体力ともに充実した男であった。
③しかし、彼を町一番の人格者に仕立て上げているのは、彼がモーセの律法
に精通しているという事実であった。
④ユダヤ人の伝承では、当時ボアズは 80 歳、ルツは 40 歳とされている。
⑤ボアズはルツを買い戻したという意味で、イエス・キリストの型である。

( 2 )ルツは、教会の型である。
①ルツは、異邦人の女であった。
②ボアズに買い戻されたことにより、メシアの系図に名を連ねるようになっ
た。
③彼女は、ボアズの花嫁となったという意味で、教会の型である。

2 .神の目に見えない手について

( 1 )神の目に見えない手を、摂理という。
( 2 )通常は、神は摂理を通して働かれる。
( 3 )神の恵み「ヘセッド」がキーワードである。

3 .信仰と不信仰の対比について

( 1 )士師記とルツ記
( 2 )ベツレヘムからの脱出とベツレヘムへの帰還
( 3 )オルパとルツ
( 4 )買戻しを拒否した親戚とボアズ
( 5 )私たちの側に信仰があることが、神の計画が進展するための条件である。

感想

なんか、ちょっとエロいですね。
徐々に盛り上がって来た気がします。
ドラマチックになってきました。

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