#38 ゼカリヤ書

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レジュメ

※「※」や「⇒」で書いてる記述は、このNoteを書いてる者のメモです。他はレジュメのコピペです。

※祈りが届いているのか?願いが叶わないのではないか?という不安についての話。

1.はじめに

(1)ゼカリヤ書の位置づけ
①大預言書(the Major Prophets)
*イザヤ書、エレミヤ書、哀歌、エゼキエル書、ダニエル書
②小預言書(the Minor Prophets)
*ホセア書からマラキ書までの12書。
③ゼカリヤ書は、捕囚期後預言書(3)のひとつである。
*メシア預言が満載である(新約聖書には、本書への言及が41回ある)。
*旧約聖書の中で最もキリスト論的な書である。

※14章ある。小預言書と言うには多い。

(2)預言者ゼカリヤ
Zec 1:1 ダリヨスの第二年の第八の月に、イド(彼の時)の子ベレクヤ(主は祝福される)の子、預言者ゼカリヤ(主は覚えている)に、次のような【主】のことばがあった。
①バビロン捕囚の間(70年)、イスラエルの地では預言者の活動はなかった。
*捕囚の地では、ダニエルとエゼキエルが活躍していた。
②捕囚からの帰還後に、3人の預言者が登場する。
*ハガイ、ゼカリヤ、マラキを捕囚期後預言者と言う。
③ゼカリヤが活動を開始したのは、ダリヨスの第二年の第八の月(前520年)。
④ハガイもまた同じ年に召命を受けたが(エズ5:1、6:14)。
*ハガイの場合は、活動期間が3カ月であった。
*ゼカリヤは、ハガイの働きを継承した。
⑤ゼカリヤの活動期間は、前470年まで続いた。約50年間の活動。
⑥ゼカリヤ書のキーワードは、「万軍の【主】」(52回も出てくる)。
⑦ゼカリヤは、「イドの子ベレクヤの子」であった。

(3)この時代のイスラエルの民の霊的状態
①彼らは、偶像礼拝からは離れていた。
*バビロン捕囚により教訓を学んだ。
②ユダヤ教の歴史の中では、会堂の建設がこの時期から始まっている。
③それでも、民の霊的状態は非常に貧しいものであった。
④そういう霊的背景の中で、ゼカリヤは民を励ますメッセージを語った。
*ダニエル書のテーマは「異邦人の時」。
*ゼカリヤ書のテーマは、「異邦人の時の間のイスラエル」。

2.アウトライン

Ⅰ. 8つの幻(1~6章)
Ⅱ.幕あい:断食に関する質問(7~8章)
Ⅲ.2つの預言的宣告(9~14章)
1.メシアの初臨(9~11章)
2.メシアの再臨(12~14章)

ゼカリヤ書のメシア預言について学ぶ。

※幻は起きた状態で見ている。

Ⅰ. 8 つの幻( 1 ~ 6 章)

(1)ゼカリヤは、一晩で見た8つの幻を解説する。
①これは、神殿建設を躊躇している民を励ますための幻である。

(2)8つの幻の内容
①エルサレムは解放され、清められ、再建される。
②エルサレムは、平和と繁栄を享受する町となる。
③6章の最後で、ゼカリヤは、金と銀で王冠を作り、それを大祭司ヨシュアの頭にかぶらせる。
*王であり祭司であるというのは、メシアの予表である。

Ⅱ.幕あい:断食に関する質問( 7 ~ 8 章)

(1)ベテルの住民たちがエルサレムに上って来て、質問をした。
①エルサレムの崩壊を記念する断食を、今後とも継続すべきか。
*第5の月の断食
②エルサレムが再建されるなら、なぜ断食を続ける必要があるのか。

(2)ゼカリヤの回答
①断食は、カレンダーに基づいて行うものではない。
②断食は、心から出て来るものでなければならない。
③栄化されたエルサレムでは、断食(fast)は宴会(feast)に変えられる。

Ⅲ. 2 つの預言的宣告( 9 ~ 14 章)

  1. メシアの初臨( 9 ~ 11 章)
    (1)ゼカ9:9
    Zec 9:9 シオンの娘よ。大いに喜べ。/エルサレムの娘よ。喜び叫べ。/見よ。あなたの王があなたのところに来られる。/この方は正しい方で、救いを賜り、/柔和で、ろばに乗られる。/それも、雌ろばの子の子ろばに。
    ①大いに喜べとは、恐れる必要はないということである。
    *ギリシア人の王(アレキサンダー)ではなく、ユダヤ人の王が来られる。
    ②その王の性質が3つ挙げられる。
    *「正しい方」。常にメシアに帰される性質である。
    *「救いを賜る方」。ユダヤ人の王は救うために来られる。
    *「柔和な方」。メシアは受難のしもべとして来られる。
    ③メシアは、まだ誰も乗ったことのない「子ろば」に乗って来られる。
    *平和の君として来られることを意味している。
    ④この預言は、マタイ21:1〜11で成就した。
    ⑤その時人々は、「ダビデの子にホサナ。祝福あれ。主の御名によって来られる方に。ホサナ。いと高き所に」(マタ21:9)と叫んだ。
    ⑥ところが、その1週間後にイエスは十字架に渡された。
    *初臨と再臨に区別がついていなかった。

(2)ゼカ11:12~13
Zec 11:12 私は彼らに言った。「あなたがたがよいと思うなら、私に賃金を払いなさい。もし、そうでないなら、やめなさい。」すると彼らは、私の賃金として、銀三十シェケルを量った。
※ゼカリヤがイスラエルの指導者たちに言った。
Zec 11:13 【主】は私に仰せられた。「彼らによってわたしが値積もりされた尊い価を、陶器師に投げ与えよ。」そこで、私は銀三十を取り、それを【主】の宮の陶器師に投げ与えた。
①ゼカリヤは指導者たちに、自分の働きに対する賃金を要求した。
②もし価値がないと判断するなら、払わなくてもよい。
③それに応答して、指導者たちは、銀30シェケル(銀貨30枚)を払った。
*ユダヤ的文脈では、これは何も払わないよりも、さらに悪い。
*出21:32の規定では、銀貨30枚は、殺された奴隷の値段である。
*指導者たちは、ゼカリヤの働きを軽蔑したのである。
※チップを置かないと忘れたと思われるが、1セント置けば忘れてないことが伝わる。
④【主】の命令。
*「彼らによってわたしが値積もりされた尊い価を、器師に投げ与えよ」
*指導者たちが払った銀貨30枚は、【主】を値積りした価格でもあった。
*それは、【主】を軽蔑する象徴的な数字である。
⑤ゼカリヤは、それを【主】の宮の付近にあった陶器師の地区に投げ込んだ。
⑥以上のことは、キリストの生涯において成就した。
*キリストは銀30枚で売られた(マタ26:14〜16)。
*銀30枚は、陶器師の畑を買うために用いられた(マタ27:3〜10)。
*イエスを買うための銀30枚は、神殿の金庫から拠出された。
*指導者たちは、無意識的に、究極のいけにえであるイエスを買っていた。

2. メシアの再臨( 12 ~ 14 章)
(1)ゼカ12:10
Zec 12:10 わたしは、ダビデの家とエルサレムの住民の上に、恵みと哀願の霊を注ぐ。彼らは、自分たちが突き刺した者、わたしを仰ぎ見、ひとり子を失って嘆くように、その者のために嘆き、初子を失って激しく泣くように、その者のために激しく泣く。
①ハルマゲドンの戦いの最後に、神は聖霊をイスラエルの民の上に注がれる。
②聖霊の傾注によって、イスラエルの民は霊的変化を経験する。
③彼らは、「自分たちが突き刺した者」を仰ぎ見る。
④キリストが救い主であることを理解した民は、キリストに哀願する。
*自分たちのところに戻ってくださいと。
*これが、イスラエルの民の民族的回心の様子である。
⑤イスラエルの民の回心は、メシアの再臨、千年王国の成就へとつながる。

(2)ゼカ14:4
Zec 14:4 その日、主の足は、エルサレムの東に面するオリーブ山の上に立つ。オリーブ山は、その真ん中で二つに裂け、東西に延びる非常に大きな谷ができる。山の半分は北へ移り、他の半分は南へ移る。
①メシアの再臨の時に地形が激変することが預言されている。
②オリーブ山は、エルサレムの東側にあって南北に延びる小山脈である。
③その小山脈が、大地震によって南北に割け、中央に、東西に延びる非常に大きな谷ができる。
④地殻変動が起こるのはエルサレム近辺だけでなく、全地に渡る。

(3)ゼカ14:9
Zec 14:9 【主】は地のすべての王となられる。その日には、【主】はただひとり、御名もただ一つとなる。
①メシアの再臨後、千年王国(メシア的王国)が設立される。
②千年王国では、【主】だけが神として礼拝される。
③千年王国においては、一切の偶像が取り除かれ、偶像礼拝が消滅する。

(4)ゼカ14:16~17
Zec 14:16 エルサレムに攻めて来たすべての民のうち、生き残った者はみな、毎年、万軍の【主】である王を礼拝し、仮庵の祭りを祝うために上って来る。
Zec 14:17 地上の諸氏族のうち、万軍の【主】である王を礼拝しにエルサレムへ上って来ない氏族の上には、雨が降らない。
①「生き残った者」とは、大患難時代を生き延びた異邦人信者のことである。
*彼らは、マタイ25:31〜41に出てくる「羊の異邦人」でもある。
②その彼らが、毎年エルサレムに上って来る。
*万軍の【主】である王を礼拝するため(イザ2:2〜4、エゼ40〜48章)。
*仮庵の祭りを祝うため(レビ23:34〜43)。
・仮庵の祭りは、メシア的王国を預言した祭りである。
③年に一度、エルサレムに上ることは、すべての民の義務となる。
*「代表団」を派遣するということ。
④もしこの命令に背くなら、その民の上には一年間雨が降らなくなる。
*つまり、収穫がないということ。

結論

(1)異邦人である私たちも、メシア的王国における仮庵の祭りに招かれている。
①その日には、王なるイエスを顔と顔を合わせて仰ぎ見るようになる。
②この喜びの日を楽しみに、今を生きようではないか。

(2)ゼカリヤは、「イドの子ベレクヤの子」であった。
Zec 1:1 ダリヨスの第二年の第八の月に、イドの子ベレクヤの子、預言者ゼカリヤに、次のような【主】のことばがあった。
①イドは、「彼の時」という意味。
②ベレクヤは、「【主】は祝福する」という意味。
③ゼカリヤは、「【主】は覚えている」という意味。
④「【主】は覚えておられ、ご自身の時が来たなら、その民を祝福してくださる」というのがゼカリヤ書のメッセージである

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