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読書note No.60 あきらめ上手は生き方上手 第2章 下園壮太

 人の考えや行動は、感情のプログラムに支配されている。例えば「不安のプログラム」が発動すると、人は眠れなくなり、いつも同じことをぐるぐると考える。これは、...。

蒲公英(たんぽぽ)カウンセラーの読書note No.
今日も読書ノート、開いていきますね🤗

2021/03/11 60日目
また、下園壮太先生の本を小分けして、読んでいきます。
第2弾です。

<1book>
あきらめ上手は生き方上手
第2章 あきらめとは何か
下園壮太 
マガジンハウス 2005年

<3point>
①感情のプログラム
 人の考えや行動は、感情のプログラムに支配されている。例えば「不安のプログラム」が発動すると、人は眠れなくなり、いつも同じことをぐるぐると考える。これは、人が危険を察知した時に身を守るためのプログラムなのだ。猛獣に襲われやすい夜間は、眠りを浅くし警戒した。また、起こりうる将来の危険を避けるため、危険な場面をシミュレーションし続けた。だから、不眠になるし、ぐるぐる考えてしまう。それは当然なのだ。身を守るプログラムが働いているだけなのだ。
 感情のプログラムには、その他にも、「驚き」「恐怖」「悲しみ」「パニック」「絶望」など多くのプログラムがあり、我々の行動に大きな影響を与えている。ここで取り上げる「あきらめのプログラム」もその1つである。

②あきらめのプログラムはエネルギー節約プログラム
   ヒトは限られたエネルギーで、食糧を得、生殖活動をし、それらを得るための争いをする必要があった。生き延びるためには、エネルギーの無駄遣いは許されない。見込みのない活動には早く見切りをつけ、次の行動に移るためのプログラムが必要だった。それが、あきらめのプログラムなのだ。
 あきらめのプログラムの最大の目的は「(無駄な仕事による)貴重なエネルギーの浪費を防止する」と言うことである。一言でいうと「効率の悪さの自覚」である。意味を感じられない仕事、やりがいのない仕事、手ごたえのない仕事は、投げ出して(あきらめて)しまう、というものだ。また、宿主にこれ以上その作業を続けさせないような工夫をする。まず、疲労感を強くする。疲れて、もう作業したくない気にさせる。さらに、プログラムの発動のきっかけになった無力感をいっそう強く感じさせる。その結果、その仕事を止める。宿主に対し、結果的に今の仕事をやめさせ、新たな活動に向かわせる働きをするのである。
 さらに、あきらめのプログラムは進化し、あるやり方の費用対効果がおもわしくないと判断すると、それをやめ、命をかけて次の案を模索する。頭の中での試行錯誤を経て代替案にたどりつくのだ。つまり、人の改善能力は、これまでの方法を「あきらめる」作業(費用対効果が悪くなっていると認識する作業と、それを捨て、新しい可能性にエネルギーを注ぐ作業)を含んでいるのだ。
 こうやって見ると、人類の進化は諦めのプログラムのおかげともいえるだろう。

③現代人にとっての諦めのプログラム
   現在に生きる我々にとってあきらめのプログラムはどのような意味を持っているのだろう。私は、このプログラムのおかげで、「自分」と言うものの輪郭がハッキリしていくのだと考えている。やめる事ができるおかげで、次の作業にエネルギーを充当できる。その作業を繰り返すと、自分に合った生き方が洗練されてくる。そしてそれは、他人とはおのずと異なってくる。
 日常生活の中で様々なことにトライし、あることについては成功し、他のことについては失敗する。その試行錯誤を通じて自分の能力、集団の中での役割や地位が次第に明確になっていく。役割が決まれば自分が行動すべき(努力すべき)方向性が見えてくる。このような作業を通じてようやく、他人と違う「自分」が自覚されてくるのだ。だから「自分らしい人生」と言うテーマにとって、「あきらめ」は「成功」と同様に必要不可欠な要素なのである。

<1episode>
    神がDNAを操作し、様々な体格、能力、性格の人間を作り出したのは、激変する自然環境に種類の多さで対応させようとしたからだ。だから、もともと画一化された価値観に全員が縛られていたり、全員が同じ能力を持っていたり、同じ目標を持っていたりする事は、自然に反する。あきらめる事により、自分らしさが鮮明になる。他人と違うと言う事は、多様性によって生き延びようとした自然の摂理に合致する。
 つまり、あきらめは惨めな敗北ではなく、それは「自分は納豆が嫌いだ」と言うだけのことなのだ。自分にはあることが合わない、という学習をしただけなのである。そしてそれをベースに、「では自分に合う(好きな)食べ物をもっと探そう」という行動に移れる。その繰り返しで、やっと自分の好物にめぐり合うわけだ。
 また、あきらめは消極的プログラムではなく、積極的に人生を生きるためのプログラムでもある。(自分に合う)おいしいものが与えられるまでずっと待っていたり、あるもので我慢し続けるスタイルではなく、1つがダメなら次の物を探していくと言う非常にポジティブ(能動的)な生き方の中心的なプログラムなのだ。
 このように、あきらめのプログラムは、本来私たちを守ってくれ、エネルギーの無駄遣いを抑え、進化を促進し、集団の中での自分たちの地位を教えてくれるプログラムである。

<1action>
 「あきらめ」は、「自分らしい人生」に必要不可欠な要素である。という言葉が、心に残りました。日常生活を送るにあたり、非常に小さなものから大きなものまで、さまざまな選択肢があり、数多くのことを選択するという決断をして、生きています。同じ時間を二度過ごすことできませんから、やるべきことがあって、だらだらと過ごしてしまうことは、やるべきことを選択せずに、やるべきことを今はやらない、「あきらめる」を選択していることになるのだなと思いました。これからはダラダラと過ごしてしまいそうな時、そういった「あきらめる」をする前に、人類が進化させてきた、「あきらめのプログラム」を意識して、行動を選択していきます。
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