見出し画像

「ありがとう」のバリエーションの少なさ

ちょっと前に「良い消費をしないと良いサービスがわからない」という記事のなかで自分が、オーストラリアのレストランで働いていたことを書きました。そして書いてみて気づいたのが、「お客さんがありがとうという回数の多さ」を思い出したのです。

コース料理を提供することが多いお店だったのだけれども、何か料理を持っていって説明をするたびにお客さんが「ありがとう」と言ってくれるんです。そして、コースだから、その度に何度も感謝される。

そうゆう経験があって、自分も飲食店でご飯を食べる時は、持ってきてくれた人にだいたい必ず「ありがとう」を言うようにしています。ただし、なんだか初対面の人に対して(その人が年上の場合もあるし)「ありがとう」じゃ丁寧じゃない気がするので、「ありがとうございます」と言うことが多いです。

そうすると、毎回毎回「ありがとうございます」を言い続けることになるんです。そして、最終的には軽く会釈するだけにとどめるようになったり、なんだかスマートな感謝の仕方が難しいのです。


オーストラリアで受けていた、スマートな「ありがとう」

そして、自分が積極をしていたときに「どんなありがとうをもらっていたか」と考えると、色んなバリエーションがあったなあと言うことを思い出しました。

パッと思いつくだけでも、「Thank you so much.」「Thanks a lot.」 「Thanks.」「Thanks for ○○」「Cheers.」となんだか少しバリエーションが多いのです。また、「○○してくれて、ありがとう」と言ったことがすごく自然に出てきたりします。

他にも、「これが美味しかった」「このワイン素敵!」と言ったお店側に喜びを伝える言葉も多く聞いていたように思います。そして、お店の人は、「うんうん、この料理はね」とさらに詳しい説明をしたりして、楽しそうだったり。

自分がサービスする側だったからかもしれませんが、多くの人がこういった「感謝」や「褒め言葉」を様々な言い方で自然に言うことには、最初すごくびっくりしたことを覚えています。


「感謝」や「褒め」の言葉の日本語のバリエーションは少ない?

一方で、日本で「○○してくれてありがとう」と言うのは、すごくぎょうぎょうしいように聞こえてしまったりするかもしれません。少なくとも私には「Thanks for coming today!」と言うのと、「今日はきてくれて、ありがとう」と言うのでは後者の方が改まった感じがします。

他にも、英語の方が褒め言葉やポジティブな言葉をたくさん思いつきます。あくまであまり英語のうまくないち個人の話ですが、言語によって、その中身にも偏りがあるように思います。どんな言葉がよく使われるかは、その言語が話されている地域の文化とも、リンクしているのです。

(日本語が悪いとかではなく、きっと日本語は感謝や褒めなどは「言わなくても伝わる、行動で示すもの」とゆう文化だと認識しています)

余談ですが、アイヌ語には雪に関する言葉が日本語よりも多く、日本語ではひとつの単語で示されてしまう言葉にも、アイヌ語では細かく分類がされているそうです。そんなふうにして、その地域でよくあるものだったり、生活に直結しているものだったり、大事にされているものは、言語自体にも出てくるといえそうです。


話す言葉によって性格が変わったり、社会の雰囲気が変わることってあるよね

だからこそ、話す言語によって、性格や価値観が変わることって、とてもあると思います。そうゆう意味では、新しい言語を学ぶというのは「新しい自分を発見する」ということでもあるかもしれません。

また、これは「鶏と卵どっちが先か」と一緒ですが、社会の雰囲気自体も、言語によって変わっていたり、もしくはその社会の状況が言語に影響されていたりしますよね。そんなふうにして、言語や流行っている言葉から社会をみることも面白いなと思うのです



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?