(定期購読)有島武郎:大正の社会問題に向き合う
有島武郎は大正時代の小説家(1878―1923)。アメリカに留学した後、白樺派の主な作家の一人となった。大正時代に作家活動を本格化し、『カインの末裔』や『或る女』などを公刊した。リアリズムの小説家として文名を高めた。同時に、アナーキズムや社会主義に感銘をうけた。その結果、これからみていくように、晩年には社会を驚嘆させるようなことをやってのけた。
有島武郎(ありしまたけお)の生涯 有島武郎は東京で官僚の家庭に生まれた。父は大蔵省の官吏である。弟には、同じく小説家の里見弴(と