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今日のカウンセリングはここまでーー「或る歴史と或る耳と」RS編20週目を終えてのレビュワー座談会:後編
ローリング・ストーン誌「史上最も偉大なアルバム500」のランキングを年代順に聴き、数人のレビュワーが感想を残していく企画「或る歴史と或る耳と」。今回はその特別編として、ここまで60枚の名盤を評してきた参加メンバーたちが集合し、雑感やアルバムへの思いを語った座談会の様子をお届けします(参加メンバーのうち、「コーメイ」は日程の都合により不参加)。
https://note.com/rekishi_mimi/m/mbf35eda3d00c
モータウン観
湘南ギャル:苦手編が始まりました。
和田醉象:モータウン全般ちょっと無理だった。
湘南ギャル:これは多分選んだ人が悪くて。モータウンの良さを知らない人が選んだと思う。趣味が合わん。シュープリームスとか入ってないし。
和田醉象:マイケル・ジャクソンが元々好きだし、その手の音楽すごい楽しみにしてたけど。モータウンって今もあんの?
六月:確か名前だけあるみたいな。
湘南ギャル:あと、テンプテーションズもシュープリームスも入ってないのが許せない!
しろみけさん:でもスモーキー・ロビンソンはちょっと違う。単純にパワーだけじゃない、繊細な感じとかもどんどん強調してる。こういう方面がこれからシンガーの中で生まれてくるんだなっていうのを感じた。
湘南ギャル:モータウン史的には面白いアルバムだけど、それだけ出されても別に……みたいな。
渡田:(流れているスモーキー・ロビンソンを聴きながら)あれ、こんなに面白そうな曲だったけ?
六月:スモーキー・ロビンソンはなんか変だった。
The End End:ドラムの音が変すぎる。あとは、やっぱりこのベースラインだよね。
和田醉象:これは……イヤホンで聴いたから良くなかったのかもしれない。セレクションもよくなかったのかもしれないけど。
しろみけさん:確かにイヤホンで聴いてもなあ、というのは。
湘南ギャル:モータウンは基本的に自作自演じゃないから、こういうランキングではその辺りの部分で評価が上がりにくいのかもしれない。
よくない金太郎飴
六月:俺は明確に1個だけ苦手だった。
しろみけさん:おお、そういうの聞かせて。
六月:バーズの『Sweetheart of the Rodeo』。
渡田:ちょっと気持ちはわかる。最近のやつだよね。
葱:最近のって。(笑)
しろみけさん:最近取り上げた方ね。バーズの新譜。
六月:これがもう、なんかもう、やってらんない。グラム・パーソンズに乗っ取られたみたいな感じらしいですけど。
The End End:カントリー好きの2人が入ってきて。
六月:だし、ほぼカバーだし。
葱:そうなんだ。
渡田:ゆったりしたのが続いたから、1回切り替わってくれるかなと思ったら、バーズもかよ!みたいになったのを僕は覚えてる。もう〜。みたいな感じで、ロックはいつになったら始まるんだ
!とか思いながら。
The End End:俺はレビューの文章の中でマッカーシズムの話をしたんです。フォークとカントリーって、元々はまとめてヒルビリーだった。 そんな中で出てきた左派的な人たちを排除する動きの中で“フォーク”って呼ぶようになって、片や今までのちょっと保守的なカントリー・ミュージックをカントリーと呼んだ。
しろみけさん:うんうん。
The End End:だから、フォークがそういう烙印を押された後に、逆にそれを引き受けて、既存の体制からを超えていく思考のロックと結び着いたところは納得がいくんだけど。
六月:そうそう。
The End End:逆にカントリーは右派的なものっていうのを原理主義的に背負うんじゃなくて、ちょっと薄めて“現状を肯定すること”とか、 “明るい未来が待ってることを信じること”みたいな、うっすらした保守的なムードに転換して、みんなに支持される道を選んだ、みたいな感じ。
しろみけさん:維新の会みたいな。
The End End:そんなカントリーとロックが結びつくっていうことは、ロックが権威性を帯び始めたってことじゃないかと。
六月:そう。まさにそこ。
The End End:権威に楯突くはずだったのに、ロックっていうものが権威性を帯び始めてきてしまったっていうのをここですごく感じて、嫌な気持ちになった。
六月:そう、すごくわかる。っていう点もだし、ザ・バンドも含めてーーザ・バンドはめちゃめちゃ良かったけどーーどちらもすごく人造感があって。アメリカの不自然な感じがあって、人工肉みたいな、嫌な歴史の捏造の仕方みたいな。そこがすごく嫌い。
The End End:後から“これが伝統ですよ”って言い出す感じって、めっちゃキモいじゃん。その感じがやっぱある。
六月:うん、明確に苦手だと思ったのは、そこ。
しろみけさん:何も情報なく聴いててさ、うん、普通にSpotifyで聴いてて。「You Got A Reptation」って曲があって、そこからの3曲は毛色が違って好きだな、と思ったらそれはデラックス版の曲だったらしくて。これを中心に書こうと思ったら本編の曲じゃなくて絶望した。
葱:ね。じゃあ本編書くことないじゃんって。
しろみけさん:よくない金太郎飴感もずっとあった。
六月:しかも、グラム・パーソンズ作品はこの後もあります。
しろみけさん:そんな暗いこと言うなよ。
てめえ、表に出ろ!そのまま帰れ!
葱:今回、全体のリストを眺めてみて、よくわからないのはゾンビーズ。これは……思い出に残ってない。他のバンドと構成要素が結構近いから。4大ブリティッシュバンドになれなかった理由がわかる……
湘南ギャル:うるせえよ!
和田醉象:表出ろ!
しろみけさん:印象に残ってないってことだよね。
葱:聴き流しちゃった、な……
湘南ギャル:……かわいそう。
The End End:聴き流しちゃう感性が。(笑)
和田醉象:ゾンビーズは、全然趣味じゃないけど着てみたらめちゃくちゃ似合う服を見つけたみたいな。
しろみけさん:めっちゃ良い褒め言葉。
和田醉象:こんな一面も俺にあったのか、みたいな。
葱:すいません、ジャケットはいい。
和田醉象:聴いてると、どんどん悲しくなっていく。
湘南ギャル:もう本当に。ずっと悲しいけど。
(「This Will Be Our Year」を流す)
みせざき:なんか改めて聴くとこんないいバンドだったんだ。
葱:確かにこうやって聴くとめっちゃいい曲じゃん。
湘南ギャル:会社帰りに課題アルバム聴くのやめなよ。
葱:会社帰りで俺がゾンビみたいになってる時だから……。ちょっとビートルズっぽいかも。「Penny Rain」みたいな。
みせざき:ショーン・レノン感もある。
The End End:でもこういう曲って、それこそ全部同じ顔に見える、みたいな感じはある。
和田醉象:ELOっぽくもあり。
葱:ELOってどんな感じでしたっけ。
六月:これをもっとド派手にしたみたいな……
葱:じゃあ、話が変わってくるじゃん。素朴なのが良いんじゃないの?
六月:いや、でも、うーん。。。。
葱:なんかごめん。
しろみけさん:“ごめん”で終わるんだ。
革新的なんだろうね、お前の中ではな
しろみけさん:私が苦手だったのは、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』ですね。マジ。
The End End:割と同意します。
しろみけさん:正直、駄曲多いなと。
和田醉象:それはある。
しろみけさん:まず、今回はジョージくんがあんまり光ってない。今見たらジョージくん曲は「With A Litte Help From my Friends」だけらしくて……推しが冷遇されてると、こう……ちょっと運営!
The End End:今は(キャラを)降りろよ。
しろみけさん:最初と最後はね、良い。あと、個人的に出会い方が良くなくて、青盤に1曲目と2曲目が入ってるでしょ。で、「Lucy In the Sky With Diamonds」が入ってて、あとは「A Day In A Life」なの。ってことはそれ以外入ってなくて。で、今回聴いたけどそれ以外の曲が……。
和田醉象:「Good Morning 〜」とかあるけど。
しろみけさん:しかもさ、2020年の改訂前はランキング1位だったでしょ。それも含めて。
湘南ギャル:「Lucy In the Sky〜」、サビ前まではめちゃくちゃ気持ちいいのになんでこうなるの。
The End End:前、音楽にすごく詳しい人とスペースで話した時に、『サージェント・ペパーズ』より革新性があるアルバムは無い、みたいな話をされて。そういう権威性が嫌だった。
しろみけさん:でもアルバム自体、別に音の革新性があるわけでもないしな、っていう。
The End End:ホワイト・アルバム聴いちゃうと余計に。
しろみけさん:そうそう、ホワイト・アルバム聴いちゃうとね。
The End End:そもそもコンセプト・アルバムってそんなに偉いのか、って話も。
みせざき:そもそもコンセプト・アルバムなの?
葱:そこから?
和田醉象:コンセプトがあるのは最初と最後だけで、どちらかと言えば、そういうまとめ方をした、っていう感じ。
The End End:ジョンはそこを意識して作ってないんだよね、確か。
しろみけさん:これこそリアルタイムで聴いたら、確かに正統っぽい曲が多いのはある。「Revolver」とかホワイト・アルバムとかと比べて結構ストレートな曲が多いし、それを良しとする感覚もあるし。あと何よりジャケだね。これは素晴らしい。
湘南ギャル:しかも最近、Apple Musicだとジャケットが動いててさ、それもキモいとこだけ動いてる。日本人形とか、後ろ側じゃなくて前の変なやつらが動いてて、それがめっちゃ合う。
六月:他の人たちが、お金がない割に頑張ってる感があったので。「サージェン・ペパーズは」はすごいリッチな、お金かけて作ってる感があって、結局金持ちが、売れてるバンドがやってることじゃんみたいな。
和田醉象:オーケストラとかも入れてるしね。
しろみけさん:普通に「A Day in the Life」みたいな感じで全部やってくれたらよかったです。
The End End:まあ、それとは別に、非の打ち所がないなっていう感想はある。文句をつけるところも特にない。が……
しろみけさん:逆に、何も言うことがないんだよ、っていう。
渡田:僕はこれを持ち上げてるやつがあんま好きじゃないかも。
しろみけさん:子供騙し感が別にあるわけでもないのにな。一番王道だし。ただ、“ビートルズ史”の中で語られすぎている気がする。
渡田:“革新的なんだろうね、お前の中ではな”みたいな。
和田醉象:『パプリカ』だけで今敏を語ってるみたいな。
渡田:しろみけさんとか、The End Endの目から見ると...
しろみけさん:ちょっと冷めちゃう。
The End End:そうだね。外への目線はあまりない感じがした。
しろみけさん:ホワイト・アルバムはすごい。
またハーモニカプープーの時間だ!
桜子:私はボブ・ディランかな。嫌すぎてあんま覚えてないけど。(笑)
しろみけさん:“またハーモニカプープーの時間だ!”ね。(笑)星1のgoogleレビューを自動翻訳した感じがある。
桜子:またベラベラ喋ってハーモニカプープー吹いて……やめてほしかった。それを。しかも、前からだったんです。4回目ぐらい。
湘南ギャル:去年はめっちゃ細野聴かされて嫌いになりそうになったけど、その感じだよね。
桜子:多分それと同じ。憎悪。
The End End:“悪く憎む”と書いて!?
和田醉象:地球上で一番“歌詞を”評価されている人だから、
桜子:そう、だから歌詞を聴く音楽なんだって。
The End End:今思うと、ディランは「Freewheelin’〜」が一番楽しかった。ちゃんと、ギターの腕も見せてくれて、言葉とリズムの関係みたいなところが面白かったけど。
桜子:歌詞で言うと、今回のやつはどういうことを歌ってたんだろう。ボブ・ディランは多分社会と、運動とかと関係があるじゃないですか。
和田醉象:それは最初だけかな。後半の作品ははもう、疲れてきて。
桜子:そうなんですか?じゃあ本当にハーモニカープープーしてるだけじゃないですか。
渡田:“俺が歌ってることをたまたまお前らが評価したんだろ”みたいな、ジョン・ライドンと似た冷め方をしてる気がする。
六月:固有名詞並べてなんか言ってるだけみたいな。
渡田:一番最初のアルバムは知的で、人類に分かるように言ってる感じがする。
葱:歌詞って真面目に読んだことないな。
渡田:だから、僕にとっては“ディランくんも頑張ってるんだね”っていう確認。
The End End:ディランくんも別々の高校で頑張ってる。多分、ディランと同じ高校に行く力は渡田には無かったもんな。
しろみけさん:だって、ボブは内申点もいいよ。
The End End:ディランくんは公立の一番の進学校行って、渡田は別の高校進学したけど、ディランくんの頑張ってる姿はたまに見るみたいな。
しろみけさん:私立で、模試だけ点数が高いジム・モリソンとかとゲーセンに行く。
渡田:だって僕の周り、今、ドアーズとジェファーソン・エアプレイン、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド。絶対内申点低い。放課後に、彼らとカルチャー活動をする。
あ、アメリカの風だ。
談合坂 :(原稿を書いていて)“どうしよう……”ってなったのが、Loveと、キンクスの1つ目。もうちょい風吹いててほしい、もうちょい動いてほしいですね。
和田醉象:キンクスのは、「Waterloo Sunset」が入ってるやつ。
みせざき:あぁ〜、名曲や……。
和田醉象:地球で一番美しい曲。
六月:あの曲が流れてきて安心したけど、そこまではちょっとキツかった。
和田醉象:あれも多分歌詞が面白い。イギリスの古典とかを引っ張ったりしてる。
しろみけさん:確かにバンド感というか、ビジュアルはめっちゃ良い。ただ、どの曲が良いか、って言われたら、僕も風吹いてほしいな……っていうのはある。
談合坂:風が吹いてなくて、ひたすら暑い日って感じ。僕が夏をめちゃくちゃ嫌いっていうのがあるとは思うんですけど、ヴェルヴェッツぐらいの不快感だったらむしろいける。成熟してる、っていう感じはあったけど、成熟しすぎかも。
和田醉象:綺麗すぎるか。
談合坂:ラブも風が吹いてなかった。
和田醉象:でも、他の人が風吹かせすぎてたから、別にこれぐらいいいだろ、とはちょっと思う。てか、ラブも結構風吹いてない?
葱:アメリカの風がね。
談合坂:その、アメリカの風すぎるっていう。“あ、アメリカの風だ”って思って、それ以上がなかった。
The End End:アメリカの風が出る扇風機を試した感想?
談合坂:アメリカだな〜、って思っただけだった。でも多分、これから年を重ねていくごとにどんどん仲直りしてくる予感はする。
葱:その余地があるって、素晴らしい。
それは聴いてるこっちがやるよ
みせざき:私、オーティス・レディングはそんなに。何も思い出せない。オーティス・レディングの声、R&Bとかは好きなのに、なんか、なんかね……。
和田醉象:熱量が板についてきちゃってる感じが少しあるかも。
しろみけさん:書けなすぎてめっちゃ聴いた。
みせざき:ボーカルが、弱いって言うとあれだけど、全然ピンとこなかった。
The End End:逆に、『Otis Blue』に比べて弱いから好きだなって思ったけど。
湘南ギャル:2枚目の方がちょっと聴きやすくなった。
和田醉象:1枚目はやりすぎな感じがする。
The End End:そう、やりすぎてるコピーをしてた人をみたことがある。サークルで。自己陶酔しすぎで、あと誇張しすぎてる感じ。あのイメージを引きずってしまっているかも。
みせざき:ホーンがちょっとうるさい。
湘南ギャル:いや、それはもっとうるさいのあるって。なんか「プラスティック・ラブ」の原型みたいなやつ。
渡田:どの音を楽しめばいいの?
湘南ギャル:私的には、ホーンがこんなに聴き分けられるぐらい違う音色でやってるのが面白い。 もうちょい後の時代になると、じゃあキーボードでやれば?みたいなのが多い
和田醉象:モータウンのやつとか、こういうのは生に限るよね。俺の前に来てやってくれよ。
湘南ギャル:トランペット絶対ダルくて途中でサボってんな、みたいな人間味。ホーンが好き勝手なところで音伸ばすのやめてんな、みたいな適当感は結構好き。
みせざき:スティービー・ワンダーが一番好きなんだけど、なんかこういうのが原型になってるのかな。
渡田:再解釈してくれた方が好き、っていうのは結構ある。
湘南ギャル:確かに。素材そのものすぎる。
みせざき:むき出しだもんね。
The End End:まず“ソウル”っていう名前が既にもう、思想が合わない。
湘南ギャル:感情を動かすとこまで全部やられちゃってるような気がする。それは聴いてるこっちがやるから気持ちいいのに、みたいな。コイツがすごい悲しんだり嬉しがったりしてるな、みたいね。
The End End:こんなに嬉しがったり悲しがったりされると、俺って日常でこんなに心動かないな……みたいな。嬉しい時も悲しい時もあるけど、ここまでにはならないから。こうなってる人の方が、なんていうか、生き物として強そう、正しそう、みたいに思っちゃう。
湘南ギャル:この流れでついでに言うと、私はアレサ・フランクリンが苦手だった。偽物感。
渡田:やりすぎてると冷める心理ね。
The End End:だって、料理の味付けもやりすぎてるじゃん。アメリカって。
和田醉象:初めて聴いた時のインパクトを超えないんだよね。
The End End:やっぱり食いもんと一緒じゃん。
湘南ギャル:カロリー高いもん。実際。
The End End:ほらしょっぱいでしょ、ほら甘いでしょって感じ。
湘南ギャル:むき出しすぎる。そうだね。
箱庭療法Pt.1
渡田:僕はローラ・ニーロ。あぁ、またこの感覚だ。高校生の時の。文化祭ではしゃがれてる女の子がいて……可愛いだけじゃなくて、色んなところがすごいんだ、彼女は。声も素晴らしいし……
桜子:彼に必要なのはインナー・チャイルドの治療じゃないですか?
渡田:あれも素晴らしいし、これも素晴らしい……なんか、プロと契約してるみたいだよ?みたいな。…………はい、音楽は僕がやるものではありませんでした。
しろみけさん:確かに、ローラ・ニーロはオタクくんには優しくないかも。
The End End:確かに!オタクに優しくないわ。
渡田:彼女は、僕の顔は覚えてないです。
The End End:そうだよね。10年後にすれ違ってもあっちは覚えてない。
桜子:歴耳で渡田さんのそういう同人誌を作れる。
渡田:文化祭だけじゃなくて、体育祭でも、隣の学校からもあの子のこと見に来るんだよ、みたいな。足も早いんだよみたいな。
しろみけさん:襷が長いタイプ。
The End End:体操着の袖とかまくって、ミサンガなんか着けて。で、リレーで負けてちゃんと泣くでしょ。
渡田:最悪。“え、何?真面目にやらなかった僕が悪いの……?”みたいな話。
しろみけさん:早くジム・モリソンとフードコート行った方がいいよ。フードコート行って。
桜子:みんなでポッポ食べないと……。
しろみけさん:そんなに、ローラ・ニーロ聴いて、違う世界のものだ、ってなるんだ。
渡田:僕はこういう音楽に、自分が音楽に向いてない人間だと思い知らされたんだ。そこに手を差し伸べたのがドアーズでルー・リードであり、女の子で言うとパティ・スミスが出てくる。
しろみけさん:いいじゃん。
渡田:陰キャなのに、強いというところがすごくいいと思って。
しろみけさん:パティ・スミスはオタサーの姫みたいな?
渡田:あの子は姫じゃなくて、王様だから。
しろみけさん:一番姫にハマるタイプの言説じゃん。
The End End:や、あの子はそういう感じじゃないから。
渡田:まぁ、ローラ・ニーロを見ると、高校時代を思い出すので、もう最悪ですね。最悪。
オラにはオラの地獄がここにあるゾ
The End End :じゃあ最後は私が。さっきのソウルの延長で言うと、ジャニス・ジョプリン(Big Brother & the Holding Company)かな。なんか、自分との距離を思い知らされるっていうか。
しろみけさん:(渡田と)一緒じゃん。(笑)
The End End:彼女に限らず、憑依型のパフォーマンス全般に、俺は恐怖と距離を感じてしまうんですね。どう楽しんだらいいの……?演奏も別にうまいわけじゃないし。
しろみけさん:俺はめっちゃ好きだったんだけど、普通にこのバンドってもうちょい名前馳せてたんじゃないのかな?って思うぐらいさ。全然プレイヤーの名前知らないから。俺が知らないだけかもしんないけど。
渡田:ジャニス・ジョプリンは陰キャなのか陰キャじゃないのか、って考えながら聴いてた。
しろみけさん:スポーツで全国大会行ってるみたいな、陰キャ陽キャとかじゃない人じゃない?全国大会レベルで、大会で学校をちょっと休みがちで。それなんじゃないですか。
渡田:もうなんか、見ててうんざりする。
桜子:性格診断みたい。
和田醉象:RCっぽくて好きだけどな。桜子ちゃんはダメ?
桜子:これは、声が清志郎じゃないから大丈夫。(笑)
しろみけさん:あと、グラスがパリンって割れる音入ってるのがめっちゃかっこいい。ceroみたい。
The End End:じゃがたらと同じ感じでハマれなかったかな。あまりにもすごい身体性の強度を見せつけられると、ちょっとコンプレックスを刺激されるというか。私はなんか、ゴチャゴチャPCをクリックして音楽を作ってるから。
渡田:ネクラです。陰キャです。死ぬしかありません。こんなことしても有名になりません。
しろみけさん:2人、同じ高校にいるんじゃない?まぁ、The End Endさんはまだクラスの中でやれてるのかな。
渡田:談合坂もいる。談合坂はコルトレーンと音ゲーやってる。僕は同じゲーセンで、ドアーズとエアホッケー。
The End End:俺は頑張ってサッカー部で毎日練習してるんだけど、レギュラーのやつとの差は見せつけられてるわけ。
しろみけさん:なるほどね。
The End End:もしくは、サッカー部ではレギュラーなんだけど、同じクラスにJリーグの下部組織のやつがいる……とか。
渡田:ユースチーム。
しろみけさん:球技大会とかで噛ませ役になるやつでしょ。
The End End:校内では、サッカー部、サッカーあんまり上手くない方の人たちね。っていう感じ。まあ、中学時代はホントにそうだったんだけど。
しろみけさん:みんなの箱庭治療法みたいになってる。
渡田:みんな暗すぎだろ。
The End End:リアルで言うと、そのサッカーで全国ベスト16に行ったのは幼馴染の親友なんですけど。最近結婚してね。。。
しろみけさん:そこまでにしよ!やめて!!
The End End:こっちは週2、3枚なんかアルバム聴いて。パソコンをいっぱいクリックしたり。
しろみけさん:もうカルテみたいになってる。
The End End:このnote、実はみんなが自分と折り合いをつけて行く物語なのかもしれない。
しろみけさん:最後、ハリー・スタイルズを聴いてみんな泣くんじゃない?
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今回のカウンセリングはここまで。来週からは、再びアルバムレビューをお楽しみください!
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