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若者の心を取り戻せ——「或る歴史と或る耳と」RS編20週目を終えてのレビュワー座談会:中編

 ローリング・ストーン誌「史上最も偉大なアルバム500」のランキングを年代順に聴き、数人のレビュワーが感想を残していく企画「或る歴史と或る耳と」。今回はその特別編として、ここまで60枚の名盤を評してきた参加メンバーたちが集合し、雑感やアルバムへの思いを語った座談会の様子をお届けします(参加メンバーのうち、「コーメイ」は日程の都合により不参加)。

“今聴いても古臭くないランキング”チャンプ、ローラ・ニーロ


桜子:私も2ついいですか。さっき言っちゃったのが、ジェファーソン・エアプレイン。あとはみんな結構同じだと思うけど、ローラ・ニーロ

渡田:ローラ・ニーロの良さを、説明してください……

桜子:怖っ。

渡田:ローラ・ニーロは家で聴いたのね。で、母親が横にいたんだけど、“これはお前が聴くやつ?これ好きじゃないっしょ”みたいなことを言われた。

しろみけさん:私は多分、ノラ・ジョーンズで育ったからいけた感じかなー。

桜子:さっき、全員の顔が同じに見えるって言ったじゃないですか。これは顔が違うじゃないですか。ミューマガ編の「勝手にシンドバッド」みたいな、突然変異みたいな気持ちになったのと……The End Endさんの(Twitterで言ってた)言葉を借りるけど、全く古臭くない。うん、そう。他のアルバムはなんだろう、予想を超えてこないというか……伝統を感じる。だけど、これはそういう感じじゃない。今の新譜ですって言われても、全然納得できる。

The End End:垢抜け方は圧倒的。

しろみけさん:レビューで書いたけどさ、白人の女性でシンガー然としてるのって初めて出てきたんじゃない?垢抜けてるっていうか、クランキーな感じがする。ニーナ・シモンとかは高いところから低い所まで、滲むような感じがあったけど、この人は軽く聴けちゃう。

六月:これまで聴いてきたシンガーって、女性に限らずパワーとか怨念みたいなの持ってる感じはあったけど。

湘南ギャル:ローラ・ニーロは初めてスキップしてるかもしんない。

談合坂:でも、奥底にはすごいあるはずじゃないですか。それを、あるであろう緊張感を表に出してるんじゃなくて、ひたすら抑制してる。

渡田:緊張感を感じるところを意図的じゃないけど、なんかそぎ落としているみたい。

しろみけさん:緊張感を解きほぐすそれこそイージーリスニングじゃないけど。

The End End:吉田美奈子とかを崇めてる人は全員これを聴いた方がいい。

六月:ニューミュージック的なものの、すごいでっかい柱の最初にいる人なのに、なんでみんな話題にせんの?みたいな感じがある。

湘南ギャル:ジャケも2010年ぐらいっぽい。

しろみけさん:あとビートスイッチ。

葱:めっちゃ気持ちいい。

The End End:ビートスイッチヤバいよね。途中でグンって変わる。ヤバい。シャッフルっぽい感じだったのがスクエアになったり、三拍子になったり。で、急に戻って。

桜子:で、そこになんか悪い違和感はなくないですか?それが凄い。

The End End:(2曲目を聴きながら)今の数十秒間ヤバい。気持ち悪っ。

湘南ギャル:数えなかったらキモくないんだけどね。なんかスッと入ってくる。

The End End:やりてえ〜。こういうの。順番にレコーディングしてたら絶対できないからさ。みんなで一気に演奏してなかったら絶対できない。

みせざき:……

渡田:しゃべってないね。

The End End:ローラ・ニーロに対しては何も思わなかった感じ?

みせざき:いやいやいや、好きだよ。90年代のアーティストかと思った。めっちゃ音クリアだし。

桜子:ね、なんでこれ、こんなに音綺麗なんですか。

The End End:Apple Musicのものは2002年のリマスターではあるから、それで結構変わってるんだろうなっていう想像はつくけど。でも、そもそも録り自体が絶対綺麗だよね。

みせざき:なんか、イタリアの人かと思った。名前とかが。

渡田:そうだね、アメリカっぽくもイギリスっぽくもない。

談合坂:(調べたら)イタリア系?とにかく、米英ではないらしい。

The End End:やっぱりそうなんだ。Nyroでニーロって読まないもんね、英語だったら。


ジミヘンがロックの理論値を出してしまった


六月:
この企画始まる前から聞いてるのもいっぱいあったけど、今聴き直して、おぉって思ったのはやっぱりジミヘンですね。『Electric Ladyland』。他2枚も含めて、パックで推したい感じはあるけど。

みせざき:いや、このアルバムはまじでいい。

六月:ファーストが重たくて、セカンドもいいけど、なんかちょっと求めてたのと違うなと思って、やっぱりこの『Electric Ladyland』がやっぱりカッコいいなと思った。ここでもうロックが出来ること、表現みたいなものがもう全部出切っちゃったのかなと。

しろみけさん:「Voodoo Chile」とか、マジでまだ行くか?みたいな感じのところ。本当に15分全部やり尽くすんだろうなっていう。ギターだけじゃなく、ドラムとかの表現も全部やってやるぞっていう。

六月:なんて言うんでしょう、なんか理論値が出たような気がして。ここからロックが、本当に新しい表現としてのロックっていうのはもうここ以降出てこない、とまで断言しちゃっていいくらい。

しろみけさん:続いてきた歴史が連綿とあって、突然変異的に出てきたけど、それをもうジミヘンが終わらせちゃった。

六月:だから、あとはなんか延命装置みたいなのつけるか、なんか治療するかみたいな。生命体としては、ここでもう最盛期が出たのかなって思います。

葱:ここからのロックはファンアート的な楽しみ方になってくる。幹はここでゴールだけど、ここからはパンクが……ハードロックが……っていう楽しみ方に、枝分かれする前の最後の段階みたいな。

和田醉象:ブルースの人からしたら、ジミヘンはブルースじゃないって言うんだよね。

六月:これ以降もジミヘン的なインプロってちょくちょく出てくるけど、ジミヘンの音は出せていない。スライのアルバムとかで出てきたりするんだけど。

The End End:ジミヘンって、フレージングもだけど、やっぱり音だと思うんだよな。

しろみけさん:その通り。多分ワウじゃない?ジミヘンがパイオニア的に使ったのとか。

談合坂:ジミヘンは、コード使いも音作りなのかもしれないですね。倍音の重ね方のためにこのコードにしてる。

しろみけさん:あ、なるほど。そっちが先行してるって。

The End End:絶対そうだよね。倍音の雰囲気を作るためにコードを選んでる。マジでそうだと思う。

葱:この音を出すためにこのコードがある。(みせざきに)ジミヘンコード鳴らしてください。

みせざき:(🎶)

一同:あぁ〜。

The End End:日本人がジミヘンコードって呼ぶだけあるんだよな。

渡田:ホントだ、一発でわかる。そんなに詳しく聴いてないのにわかる。

しろみけさん:構造で言うと、でもやっぱり、ブルース。リフってよりは、ブルース。話して演奏するっていう構造。

The End End:あと、途中の曲でめっちゃ“UKロックやん!”を感じた瞬間がね、あったんだけど。オアシスじゃんって。

しろみけさん:確かにオアシスのサイケ感もあるかも。オアシスって意外とサイケだから。

葱:ペンタ(ペンタトニックスケール)で弾き切る感じとか?

The End End:そうそう、"ペンタでいいじゃん"感とか。あとは、エフェクターをああやって使ったのも初めてだと思うんだよね。音色を作るっていうか、エフェクターを踏むことそのものが演奏だよ、っていうことをやり始めたのがジミヘンだと思う。

しろみけさん:絶対ここでファズのトーンが入らないと成り立たない、みたいな。快楽ファーストでやってる。

みせざき:結構、録音技術っていうか、知識とかも豊富だったりして。「Barning of Midnight Lamp」っていうのに、テープを細かくして 繋ぎ合わせてみたいな。それをジョンフルシアンテが真似してたり。

The End End:良く録るためにっていう目線がすごくあった人だよね。Wiki情報だけど、今までは、 アンプに対して、マイクをピッタリ近づけて録ってたけど、ジミヘンは空気を録らなきゃダメなんだよって言って、少し離した場所から録って。それを聴いてクラプトンが感動したみたいな。

六月:凄い。

The End End:今ジミヘンが20代にだったらハイパーポップやってたんじゃない?って。その時々で一番新しかった音楽を絶対やってるはずなんだよ。いつ生まれてたとしても。

しろみけさん:そういう意味では、今このランキングでは伏流してるけど、マイルスと近い存在かも。ここからまたランキング戻ってくるけどさ、多分そうだと思う。だってマイルス、ジミヘン呼ぼうとしてたもん。

六月:だから、その影響力みたいな、

しろみけさん:このアルバムがラストだからさ、もうこの先のリストでは出てこないわけじゃん。逆に俺は、ジミヘンの死がロックの死っていうよりは、ジミヘンの死はジミヘンの死でしかないって思っちゃう。

六月:なるほどなあ。


“こんなことしておいて、売れなくて悩むなよ”


しろみけさん:私も前から聴いてたやつとかも入ってきていて。先入観を抜いて、いかに色んなものと比べて聴くか、みたいなのをしていて。例えば、スモーキー・ロビンソンとか聴いたことなかったけどさ、良かったと思った。けど、やっぱり『White Light/White Heat』。やっぱり、何してんのこの人たち?って感じがまず好き。ジミヘンがいることで1個完成しちゃった感があったけど、別のレースがちゃんと始まったから安心した。

The End End:バナナ(『The Velvet Underground & Nico』)よりも、これで始まったよね。テクとかじゃない、っていうところがこれでやっと出てきた。

しろみけさん:前の座談会の時、『Revolver』で、これをカッコいいと思う価値観ってどうやって生まれたの?って話をしたけど、それで言うと、この「Sister Ray」なんかもカッコいいとマジで思ってたの?って。驚愕。

六月:すご!って思った。ぶっ壊れてる。

The End End:なんかさ……こんなことしといてさ、売れなくて悩んでんじゃねぇよって。(笑)

六月:そりゃそうだろ。(笑)

しろみけさん:『Wild Honey』とか聴いた流れだと余計に、マジで悪趣味って感じがちゃんとする。

和田醉象:バカすぎる。

葱:性格悪そう。

しろみけさん:それが最高。そういうのが好きだよ。

和田醉象:どこまでやったら面白いかっていうギャグのつもりでやってそう。

しろみけさん:大喜利感もある。

六月:僕もノイズ大好きだから。ノイズが好きなのはこのアルバムから始まった。

しろみけさん:あと、この人たちの源流に、ラ・モンテ・ヤングとかもあるよね。

The End End:ドローンっぽいムード。

しろみけさん:そう。聴き手の態度も要求される感じっていう、アートロックの源流みたいなもの。それを強く感じたのはバナナのやつより、こっちだった。本当に試されてる感じが。

和田醉象:昔、最初にこれを聴いた時に、音が悪すぎてあんま受け付けなくて。 デヴィッド・ボウイのライブ盤に「White Light〜」のカバーが入ってるんだけど、ちゃんとガレージロックとしてホワイトライトをやってて、普通にめちゃくちゃいい曲じゃんって。

The End End:ラ・モンテ・ヤングとかの感じでいうとさ、反復の快楽的なところがある。ちょっとクラウトロック的な。

しろみけさん:確かに。

The End End:なんかヨーロッパっぽい。


ザ・バンドを聴けるくらい大人になりました!


葱:私は、The Bandですね。

和田醉象:ツイートしてたもんね。

The End End:……ポストロックだった?

葱:違う!めっちゃ嫌な奴じゃん。(笑) いや、私も中学生の頃聴いた時はしっくりこなかったけど、今聴くと分かるようになったな、こういうの聴けるようになったなと思って。

和田醉象:大人になった自分に驚いちゃった。

葱:めっちゃしっくりくる。もう今と全然変わってない。インディー・フォークとか、10年代にやってる人いっぱいいるけど、全然The Bandから進化してないから。これ聴けばいいんだなっていうアルバムが一枚あってよかったです。

和田醉象:すげぇ懐古厨みたいな。

しろみけさん:実際、懐古厨っぽいところはそうかも。当時からしても懐古的なところはあるかな。

六月:日本人の俺でも、昔は良いねってなっちゃう。

しろみけさん:でも、ラストとかめっちゃ80年代だった。レインボー、ディープ・パープルよ。

The End End:オルガンをギターアンプに挿した感じ。

しろみけさん:ギターのフレーズもまんまハードロックだから。

The End End:(聴きながら)これはノスタルジーじゃないね。

和田醉象:1曲目はムード歌謡みたいなのに。

六月:もう全部ああいう感じのイメージで聴いちゃう。

しろみけさん:1番最初の曲、高校時代に聴いて冗長すぎると思ってやめちゃったけど、今回聴けてよかった。この企画をやっててよかったことの1つかも。ちゃんとこれを聴く時間が取れて、 1曲目以降のやつを聴けて良かった。

六月:ザ・バンドってボブディランのバックバンドだったへど、全然アルバムには参加してない。海賊版対策みたいな感じで、もう出す予定がない作品用のバンドだったらしい。調べたら、ライブもThe Bandがやってて、ガチのアルバムを作る時はプロと一緒にやったり。

湘南ギャル:ザ・バンドって名前やばい。

和田醉象:元のバンド名あったけど、町の人がみんなあの人たちをあのバンドあのバンドって言ってたらThe Bandになった。

渡田:カンガルーみたいなこと?

しろみけさん:結構そういう意味で物語の多いバンドなんだよ。最後のライブもめっちゃ感動する。


みんなが本当に幸せになるのは、解散な気がしてきた


みせざき:フェイバリット、難しいな。聴き直して好きになったアルバムもあるけど、単純にずっと好きなので言ったら、やっぱりジミヘンのファースト・セカンドかホワイト・アルバムになる。

渡田:ホワイト・アルバムの3/4は悪ふざけだと思った。「Honey Pie」は真面目なのかな、これ悪ふざけか、どっちだ?みたいに思いながら聴いてた。ただ、“道路でヤろうぜ”は完全にふざけてるよね。

和田:作り始めるぐらいまではまだメンバー間も仲良くて、ジョージの家に集まって、イーシャー・デモっていうのを作ってた。その時にはもうほとんどもう出来上がってたんだよね。

六月:それを聴いてみたら、ほぼBig Thiefみたいだった。ビックリした。

みせざき:冒険させてくれるような、ファンタジックなアルバムがすごく好きで。2枚組のアルバムっていうのもすごい好きで、レッチリの『Stadium Arcadium』とかスマパンの『メロンコリー〜』とか、 あとフロイドの『The Wall』とか。

葱:(ホワイト・アルバムでは)どの曲が好きですか?

みせざき:「Revolution 9」。

湘南ギャル:あれもなんか、どこまでやっていいのかっていう、大喜利感がある。

みせざき:この曲でアルバム全体にめっちゃ広がりが出たっていうか。

葱:確かに、無かったらと思うと。

一同:(しばし沈黙。もしくはウンウン唸る)

和田醉象:みんな、ホワイト・アルバムに言いたいことはあんまりない感じだ。

六月:何から言っていいか分からない。難しい。

湘南ギャル:アルバムとしての統一感とかはないからね。

和田醉象:曲単体ではエピソードめちゃくちゃ色々あるけど。

渡田:急におふざけが始まったりする。大体ポールがふざけてる。

しろみけさん:確かにポールの曲はそういう感じがある。「オブラディ・オブラダ」とかは?

和田醉象:あれはポールが作った曲だけど、やり直しすぎて、ジョンがキレたからああいう感じになった。

The End End:仲悪い曲の代名詞みたいなイメージがある。

和田醉象:ポールが完璧主義者だから、この通り弾いてくれっていうのを何回も頼んたら、 ジョンが切れて出て行って。で、戻ってきたらめちゃくちゃラリってて、その状態でキレ散らかしながら弾いたっていう話がある。

しろみけさん:でも、そういうのもあればさ、真面目な「Black Bird」とかもあるじゃん。

和田醉象:すごいと思うのが、あれ、フィールド・レコーディングなんだよね。

みせざき:普通に外で録ってたね。

しろみけさん:30曲あるのに、退屈がないからすごい。

みせざき:王者の余裕みたいな。

葱:でも、みんなで一緒に集まって短いアルバム作ってた頃が懐かしいというか。

しろみけさん:リアコ勢からするとね。

湘南ギャル:リアコ勢を降ろしてるもんね。解散したらどうなっちゃうの?

しろみけさん:いや、なんかむしろ解散してくれの気持ち。ジョージくんがやっぱり……。今はちょっと、キンクスが可愛い夢を見せてくれる感じ、すごい推し甲斐がある。でも、(ビートルズに)振り回されていたい気持ちもあるんだよね、、

湘南ギャル:キンクスは安心感っていうか、頑張ってくれてるなっていうのがある。

しろみけさん:そういや、この前ストーンズ担の人と話したんだけど、なんか、なんかね。みんなが本当に幸せになるのは、解散な気がしてきた。

和田醉象:ポールとジョン、ジョージの調子が悪いかって言うと、そんなわけじゃなくて。この後もどんどん名曲作るから。

The End End:うん、もう4人でいる必然性がなくなっちゃってる。

しろみけさん:いや、そうなんだよね。ジョージも成長してるからさ。そう考えたらやっぱり…… ちょっともうそろそろ、って考えてきたけど、でもやっぱ4人でいる時が……。


十字架を背負い切った男


談合坂:私は、ここまで話に出てきたやつだと、ローラ・ニーロは戦略が立っててすごいなっていうと、ジミヘンは“いい音”以上の気持ちよさみたいなのを出してきたのが凄いと思って。これまで出てきてないのでってなると、なんか音楽的に、っていうことじゃないんですけど、よくランキングに入れてくれたなって思うのはジョニー・キャッシュ。文字通りポピュラー・ミュージックじゃないですか。

六月:シナトラとかで、時代というか、すごいデカいものを背負ってる人みたいな話をしたんだけど。何人か、10年ごとぐらいに、十字架みたいなものを背負わされる人みたいなのがいるんですけど、大抵、ろくな末路を辿らない。でもジョニー・キャッシュに関しては、ちゃんと全うしてきてくれたみたいな。十字架を背負った人の中では一番最善な形みたいな風に思っちゃう。

しろみけさん:ジョニー・キャッシュは確かに、毛色が違う。ライブ版っていう意味をめちゃくちゃ持ってる場所でやったからね。慰問ライブ。

The End End:ジョニー・キャッシュも、好みを飛び越えた凄み、みたいなものがある。

和田醉象:完成してる。

渡田:完成しているのはわかる。でも、ビッグサンダー・マウンテン並んでる時に流れてるやつだって思っちゃった。

みせざき:渡田がめっちゃ好きそうなんだけど。ジョニー・キャッシュって。

渡田:どの趣味で?

The End End:マフィアっぽいから?

渡田:顔はまあ好きだよ。

湘南ギャル:ビジュ良いよね。ジャケめっちゃえっちじゃない?なんか汗が。

しろみけさん:“目線ちょうだい!”って。

六月:でも刑務所であんな声出していいんだと思っちゃった。

和田醉象:MCにピー音入ってなかった?

六月:そう、入ってました。そんなこと言っていいんやって思って。


ビーチ・ボーイズの人間宣言


湘南ギャル:
私はビーチ・ボーイズが元々好きだったけど、もっとキショいイメージがあった。気味の悪さみたいなのが好きだったけど、こっちもいけるんだみたいな。

しろみけさん:確かに。

湘南ギャル:でも、ちょっと変ではあったけど。

しろみけさん:『Pet Sounds』出した後にこういうの出してたんだっていう。

湘南ギャル:メインの人(ブライアン・ウィルソン)は病んでる時期だったけど、メインじゃない方の人もこんなできるんだ、って。

The End End:結果的に、神みたいなところから降りてきた話っていうか。最近のケンドリックじゃないけど。『ペット・サウンズ』で、あまりにも神々しいとこに行っちゃったけど、それが俗世間に帰ってきた感じ。ブライアンがいないから結果的に、っていうのはあるけど。

湘南ギャル:曲の感じがなんかキラキラしてて、いい。いい意味でキャンキャンしてた。あと気になったのは、ピンク・フロイド

しろみけさん:おー、まだ話してなかった。

湘南ギャル:葱くんも書いてたけど、『狂気』を1回聴いてや〜めたってなっちゃったから。

和田醉象:全然違うバンド。

しろみけさん:シド・バレットがいたからっていう話が。

みせざき:『Piper〜』って、なんでそんなみんなピンとくるの。

しろみけさん:逆に私は『Piper〜』でしかピンク・フロイドにピンときてない。

湘南ギャル:変な絵本みたいな感じが良かった。

六月:そう、御伽話みたいな。

みせざき:これ良いってなるのか、、、。


Love↔️aespa


The End End:
好きだったの大概言われたな。じゃあ、Loveの話しよう。

しろみけさん:レビューで書いたけど、aespa聴きたくなった。素朴すぎて。

湘南ギャル:私も今日なんか電車で振り返りながら途中にaespaを。

しろみけさん:Loveって逆aespaなんだ。

六月:僕にとって、これが一聴して分からなかったアルバムの代表みたいな。最初はピンとこなかった。

しろみけさん:ほんとにこれ多分何周もしたけど、未だに何もわかんない。

The End End:まず1曲目のギターがスパニッシュなのが良かった。っていうのと、だいぶ俺の趣味だけど、全てにおいてやりすぎてない感じが。

みせざき:なんか、綺麗な方のロックの代名詞みたいな。

The End End:シャウトとかもやってくれるし、でも決してそっちに振り切り過ぎないし。全部小憎たらしい。あと、まあまあキャリアのある状態の人が、ちょっとフレッシュなことやった瞬間、めっちゃ好きなんだよ。

しろみけさん:あ、それはわかる。

The End End:その、カーネーションの『LIVING/LOVING』とか、あとはオリジナル・ラブで言うと『Bless You!』とか。ベテランが新鮮に楽しんでる感じみたいなムードが。その上で、タイトルが『Forever Changes』なのが最高。

しろみけさん:でもaespa聴きたいかも……

The End End:『み空』のせいで、そういうアンテナができたかも。この間ちょっとツイートしたけど、俺たち、こういうのを何十枚と聴いてきたせいで、こういう音楽に慣れ親しんでない若者の視点を忘れかけているかも。

しろみけさん:俺はその点、その視点を忘れてない。aespaがいるから。真ん中にニンニンがいるから。

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中編はここまで。後編ではメンバーのイントゥーできなかったアルバムについてお話ししていきます。


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