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【プレイリスト】ハモりたい編

私は中学校時代合唱部に入っていて、
習い事でも合唱をやっていたので、
(公演数の多い結構ガチめなやつ)
小学校高学年~高校生くらいまでは、
かなり日常的に、
人より多めに歌っている生活をしていた。

しかもずっとパートがメゾだったために、
何を聞いてもコーラスやハモリ部分に
耳がいってしまい、
いまだに何でもハモりたがる
悪いクセがある。

という訳で、今まで聞いてきた曲の中で、
ハモリ(もしくはコーラス)が
印象的だった曲を紹介したい。

ただ、"本気"みたいなことになると、
山下達郎やザ・ビーチ・ボーイズなどという
化け物先生(言い方すみません尊敬しかないです)に
立ち向かわなければならなくなり、
それで全部埋まってしまうので、
そのあたりは一旦置いといて、
あくまで個人的に
好きなハモリ/コーラスがある曲を
とりあえず邦楽限定で挙げたいと思う。

①your side/スムースエース

3年前くらいまで、
Eテレ「おかあさんといっしょ」の
”はみがきじょうずかな”のコーナーで
はみがきの歌を歌っていたのが、
スムースエース。
(今はPerfumeかな?)

この曲、コーラスワークが本当に素晴らしい。

コーラスで曲の温度を生み出している、
というと大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、
彼らのコーラスを
イヤホンを通じて聞いたりすると、
実際に耳のあたりから
じんわりと体があったかくなるような気がする。
冬になると聞きたくなる曲。

リードの重住さんの、
柔らくて絶妙にウェット感のある声が
なんとも言えず優しい。

②パープルスカイ/蜜

蜜も温かいんだよなぁ。
ライブがとても秀逸な二人組、蜜。

1番:ウニちゃんのソロ→橋詰君とのユニゾン
2番:橋詰君メインでウニちゃんとのユニゾン
→ウニちゃんと橋詰君のガチハモ

という、
少しずつ二人の声が合わさっていく流れと
それに合わせて楽器の音も
少しずつ厚みを増していく楽曲の展開が、
本当に素晴らしい。

二人の複雑なハモリを追っているうちに
曲が終わってしまうので、
もう1回、もう1回と聞いているうちに
どんどん沼にハマってしまう曲。
ウニちゃんの温かみのある声がすごく好み。

「箱の中のランデブー」とか
全然毛並みの違う「特別な人」なども
聴きごたえあるというか、
面白いことやってる人たちだと思うので、
ぜひ聞いてみて欲しい。

③こいのうた/GO!GO!7188

GO!GO!7188は、
女子2人男子1人という
結構珍しい構成で活動していたバンドで、
ユウとアッコという、
声質が全く違う二人が
サビでガッツリとハモった時に起こる、
所謂化学反応とかいうやつ⁇
曲の芯が突然強靭になっていく感じ⁇が
ハモリ好きとしては爽快で、
一時期よく聞いていた。

「C7」とか「あぁ青春」とか、
ハモリがいい曲いっぱいあるんだけど、
私が好きなのはこの「こいのうた」。

恋愛ソングとして高く評価されている名曲で、
もちろん歌詞も世界観も素晴らしいんだが、
それより(それより?笑)是非
この曲のハモリに注目して聴いてほしい。
”基本3度のハモリ”がずっと気持ち良い。

転調しても転調しても
ずっとついてくる
この基本3度のハモリが、
"離れがたい恋心"
みたいなものを、
それとなく表している感じがして
曲に深みが増しているように思う。

好きな子に冷たくされてもずっと、
なんとなく少し後ろをついて歩いて
行っちゃう女の子、みたいな。
いや、漫画の世界だけど。
リアルでやってると怖いけど。

④楓/スピッツ

こんなにも琴線に触れるハモリが出来る
日本のロックバンドって他にいる?
というくらい、
三度の飯よりスピッツのハモリが好き。です。
めちゃくちゃメジャーですみません。
いや、もちろん他にも
いいハモリするバンドはいるんだけれど、
なんか、スピッツのは
とても"確信犯的なハモリ"で
好きなんだよなぁ。

この曲もはや
サビをボーカルラインで歌ったことないくらい、
ずっとハモリ部分を愛でています。

そこまで難しいハモリでもないのに、
何故こんなに曲に切なさをON出来るのか。

Cメロ部分
『まば~たき~する~ほど~』からの
後追いコーラス?がもうとにかく素晴らしくて、
コーラスが追ってきて、追ってきて、からの
『こだましはじめる~』で
自然にすぅーっとまとまるあの感じ。

で、
「あ!あのコーラスがまさに
”こだま”だったんじゃん!」
となった時には
もうコーラスは終わっていて、
最後マサムネに、
『聞~こ~え~る~?』
と問われてしまうあの感じ。
完全にスピッツに丸め込まれている。
(そんなつもりで作ってないだろうけど笑)

他にも
ハモリのお手本みたいな「愛のことば」とか
ハモリの入れ方がそれこそ”春霞”みたいな
「春の歌」とか
もうスコア見ないと
全然コーラスの音が取れない「群青」とか、

正直スピッツはこのハモリ部分を
もっともっと高く評価されるべきだと
思っている。(されてはいるけど更にもっと!)

なんというか、例えば
書いた言葉の下にただ線を引いて
その言葉を強調する、
みたいな感じのコーラスではなくて、
書いた言葉の下に
フワァーッと薄く色を塗って
その言葉の持つ意味や景色を
より具体化する感じのコーラスをやっている、
というか。

こうやって曲を"描ける"ところが、
スピッツをスピッツたらしめている
一つの大きな要素なんじゃないかと
勝手に思っている。
これはやろうと思っても
なかなか出来ることではないので、
やっぱり天才なんだと思います。

ちなみに全然関係ないけど、
スピッツの「楓」と聞いて、
個人的に避けて通れない曲がもう一つあって、
それが、
『一期一会 sweets for my SPITZ』という
スピッツのトリビュートアルバムに
収録されている、
ユーミンが歌う「楓」だ。

富田ラボのアレンジなんだが、
これがもう度肝を抜くオシャレさで、
それを完全にユーミンが
自分のモノにしている。
なんならこっちの方が好きかも、とか
言いたくなってしまうくらいの傑作だし、
カバー/トリビュートの両面において
間違いなく日本最高峰にある作品だと思うので、
是非こちらも聴いてほしい。


⑤NとLの野球帽/CHAGE&ASKA

え?ここにきてチャゲアス?
えええええ….大丈夫?ってなりますよね。
わかるわかる。わかるよ。
でも待ってほしい。良いものは良いのだから。

と言いながら、
先に断っておくんですが、
この曲、
アルバム収録曲なので、
そもそもMVがないのと、
ライブ映像はあるけど、
"肝心なところ"を歌っていない、

かつ、
CHAGE&ASKAは何故か
音楽配信をやってないみたいなんで
(色々あったから?音へのこだわり?)
なかなかこの曲を正規で聴ける方法がなく
ここでその良さを証明出来ません。
ごめんなさい。
でも本当に好きなんで紹介します。

チャゲアスって、
ちょっと乱暴な言い方かもだけど、
作品のかなりの割合が
ASKAがメインで
CHAGEがコーラスやってる感じなので、
まぁ何聴いてもだいたいハモってるし、
まぁ実力はしかりだし、
だからわざわざ「この曲!」って
挙げるほどでもなくね?と
思われる気もするんだが、

この「NとLの~」は、
CHAGEがメインを歌っていて、
ASKAがハモっているという、
どっちかというとレアめな曲だ。

だけど、
本当に CHAGEには申し訳ないけど
どんだけCHAGEが頑張ってメインを歌ってても、
結局大サビ最後にASKAが繰り出すコーラス、
『ナインティーシックスティーナーイッ!!』が
もうぜーんぶかっさらっていくので、
結局ASKAのイメージで終わる笑
(※すべて個人的な見解です汗)

で、この『ナイティーン〜』のとこで得られる
カタルシスよ!という感じ。
本当にめちゃくちゃ気持ちいい。
この曲はすべて、
ここを聞くためだけの前フリなのでは、
とすら思えるほど、
この曲の最重要ポイントなんだが、

今落ちてる動画はことごとく
この最重要箇所でCHAGEが、
その前に歌っている、
「一緒にぃ〜歩かないかぁ〜」というとこを
謎リピートで歌っていて、
もうほんとガッカリ。(本当にごめんなさい)
おいおい。
「歩かないかぁぁぁ〜〜」ちゃうねん。
そこはASKA一択やろがい、と。
ライブだからしょうがないのかもだけど、
”それじゃない”感しかない。

でも、楽曲は本当に良くて、
1969年という、
国内外問わず激しく時代が動いていたあの頃の、
おそらくCHAGEの故郷である小倉の風景や、
その時代の空気感、家族の形、そして今、を
ダイナミックに歌い上げていて、
時代は違えど、
一度でも故郷を離れて過ごしたことのある人には
何か響くものがあるのでは?と思う。
ほんと数あるチャゲアスの名曲の中でも
私は1,2位を争う傑作だと思う。

村上龍も『69』で
1969年の佐世保を舞台にした話を
書いている(めちゃくちゃ面白い)けど、
こんなにも
いろんなクリエイターの創作意欲を
刺激する年って、すごいよね。

という訳で、
初めてこの曲を聴く人には
この動画では曲の良さが
正直全然伝わらない気がするので
(2人とも張り切りすぎて曲の原型が
なかなかに崩れている笑)
あんまり貼りたくないんだけど、
何もないと本当に何も伝わらないので、
一応貼っておきます。