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【主婦勉!】アトリビュート 〜イスカリオテのユダ〜

さて、最後はユダです。

タダイもユダなので、
こちらは「イスカリオテのユダ」と
記されていることが多い。
でもだいたい「ユダ」と聞くと
この裏切り者のユダってイメージ。

日本で裏切り者というと、
今大河でも主人公になっている
明智光秀が有名。
あとは関ヶ原の戦いで西軍を裏切った
小早川秀秋あたりだろうか。

歴史というのは
勝者が塗り替えていった日々の連なりで
敗者の記録は
基本的に捨てられたり
塗り替えられたり、
創作されてしまった話が多いと
歴女としては思っている。

こういう裏切り者とされる人にも
それぞれの思いや葛藤が必ずあるはずで、
私はどちらかというと
そういう人の人生に興味がある。

ので、ユダにも少し興味がある。

彼はもともとは真面目な人だったようで、
仲間の間で
会計係のような仕事を
任されていたそうなので
おそらく
それなりに信頼されていた人なのだと思う。

お金の管理ってね。
相当信頼してる人じゃないと頼めないしね。

だけれど、
彼は実は
その預かったお金をごまかしながら
不正働いていたんだそうだ。

そしてある時、
イエスを殺そうと画策していた
ユダヤ教の祭司長のところへ行き、
イエスを引き渡す報酬として、
銀貨30枚をもらったのだ。
要はイエスを売ったわけですね。

そしてあの最後の晩餐の時に、
イエスにあの有名な一言を
言われてしまうわけです。

「あなた方のうち一人が
私を裏切ろうとしている。」と。

もう実際銀貨30枚で
売られてしまっているのに
どうしてこの時点で
「裏切る人がいる」と断定して無いのかが
疑問としてはあるけれど、
ここまでだとまだ戻れるってことなのかな。

で、ユダはなぜか勇敢にも
「それは私のことですか?」と質問する。

そしてイエスに
「そうだお」

と言われてしまう。

これを聞いてユダは
部屋を飛び出してしまったそうだ。

予言されたあと、
ユダの心の中にサタンが入って、
それでイエスが
「しようとしていることを
今すぐやりなさい」
と言ったからだそうだ。

普通そんなこと言われたら、
「ヤバイ、バレてる!
計画はやめにしよう!
もう逃げるしかない!」

ってなりそうなものを、

ユダは律儀にユダヤの祭司長を
イエスのもとに連れて行き、
祭司長が、

小ヤコブと
イエスを間違えることがないように、
(すごく似ていたらしい。)
自らわざわざイエスに口づけをして、
「こっちがイエスだよ!」と教えるという
ものすごい細かい仕事をした上で
きっちりちゃんと裏切るのだ。
さすがサタン。出来るヤツだぜ。

イエスは
これらのことを全てわかっていたので
抵抗せずすべて受け入れたそう。
ちなみに他の弟子たちは
イエスを見捨ててみんな逃げ出したそうだ。

ええーっ...
もう全然わからん...
逃げ出したなら
もうみんな裏切り者じゃん...

ユダはその後
イエスが有罪になったことを知り
自責の念に駆られ
銀貨30枚を神殿に投げ返して
自ら首を吊り自殺。

ユダが裏切り者とされるのは、
裏切った後、他の人は悔い改め、
文字通り命を投げうって
布教に邁進したけど、
ユダは悔い改めることなく、
神に対する最大の背きである
自殺という形で人生を終わらせている。
だから裏切り者のままである、という考え方。
(違う考え方ももちろんたくさんあるらしい)

そしてそこが、
"イエスが処刑される時に逃げても
その後ずっと聖人扱いされてきた"人達と
"自責の念に駆られ命を絶っても
裏切り者と罵られ蔑まれ続けたユダ"との違い。

キリスト教の知識がほぼ全く無い人間が
こんなこと言うのは笑止千万なんでしょうが
なんというか、可哀想な人だよね。

もともと
裏切ることを分かっている人が
本当に裏切るように流れを作り、
実際裏切らせ、
それに苦しんだ本人は死を選び、
その後何千年経とうが
裏切り者扱いされる。

一方で、裏切らせた本人は
その一件がきっかけで
自分は本当に神だと証明するに至り、
その後永遠に神だと崇められる。

そんなこともすべてわかって
裏切らせたんだとしたら 
ただの必要悪として、
利用されただけなんじゃない?とか
思っちゃう。
神聖を高めるためのただの生贄というか。

実際彼がいたから
劇的なストーリーが展開されて
今のキリスト教があるんじゃないかと
思えてならない。
彼じゃなければ
他の人が
裏切り者にされてたってことはないのかな。


とか、こんな議論ももうそれこそ    
何千年に渡ってし尽くされてるんだろうし、
当時の価値観とか
いろいろあるんだろうけど。

そしてたぶん
キリスト教をよくわかっている人からは
「違うんだよ!」という反論が
わんさか出てくるんだろうし、
それを否定するつもりもない。
たぶん「あー、なるほど」と
思うこともあるんだろうと思う。

でもなんか哀しい話だなって気がする。

そして宗教的なことはよくわからないけれど、
ユダの生き様はそれなりに人間臭くて
私は嫌いじゃないです。

というわけでユダのアトリビュートは

1. 黄色い服
2. 御光がない
3. 財布(金貨)

画像1

これもう完全にわかりやすいですね。
後光がなく、財布を持っている。
仲間外れ感がすごい。
そしてヨハネがちゃんとニャンニャンしている。

画像2

黄色い服着てイエスに接吻してます。


と、まだまだ面白いアトリビュートは
たくさんあるんだけれど
この前もチラッと書いた通り、
今息子が世界の国とその首都を覚えるのに
どハマりしていて、
毎日クイズを出してくるんだが
もう全然覚えられない。

でも面白い名前とか気になる都市などもあり、
そんなの調べながら覚えていきたいので、
一旦ここでアトリビュートは中断。

次回からは全然関係ないけど、
世界の国と首都名について、
しかも思いっきりマイナーなところばかり
調べていこうと思う。