安房守様、ようやく参りました
ホームに降り立つと、真っ赤な生地に黒い「六文銭」があしらわれた幕が頭上を覆っていた。昨年11月半ばの南海高野線九度山駅(和歌山県九度山町)。雲一つない晴天に恵まれた晩秋の昼過ぎ、真田安房守昌幸と真田左衛門佐信繁(幸村)、嫡子大助の蟄居の地を、ようやく訪れることができた。
駅前の案内板に従って、町並みを眺めながら歩くこと約10分。お目当ての「九度山・真田ミュージアム」に入ると、いきなり甲冑姿の3人に出迎えられた。背後の赤い幟に白く抜かれた「智」「義」「忠」の文字も目を引く