あの素晴らしい愛をもう一度
だれがなんと言おうと、これは本物の女子高生で、本物の青春写真だ。
女子高生が如何に無敵じゃないかを十分知ってる私達でも、この瞬間はなぜか無敵だった。
映画『ラブ&ポップ』の主人公裕美は、一目ぼれした指輪をその日のうちに手に入れるため援助交際を始める。
「そんな危ない思いして、指輪なんか買って、それが一体何になるの?」と言ってしまえばそれまでだけど、
ときめきがときめきであるうちに、今の自分にできる方法で、自分の力で手に入れたい。というこの切実な衝動を、私はちゃんと否定することはできないとおもった。
ときめきも衝動も、全て終わる。
絶対にやりたい!と思ったことも時間が経てばそうでもなくなって、なんだかすごくつまらないことのように思えて、そのうちどうでもよくなる。
全部全部、どうでもよくなる。大切なものを手にするたび、これもいつかそうじゃなくなるんだろうな、ともう一人の自分が冷めた目で見ている。
だけど私は、あの日の、あの衝動に懸けてみて良かったと思う。
何にもならなかったけれど、そんなこと最初から分かってたけど、だけどやってよかった。
だってその先にあった純度100%のときめきの正体を、今もちゃんと説明できないことが分かったから。
大人が青春をしないのは、衝動の扱い方を知ってるからだと思う。
衝動が衝動のまま暴走する前に止められる知恵を持ってる。だからやらないんだと思う。
だけど大人も、衝動の正体は知らない。
衝動を扱えるようになっても、それでも生き続けることは、まだ知らないことへの無意識の執着なんだと思う。
知ってます、もう分かってます、なんて顔して、本当は何も変わってほしくなくて、ずっとずっと探している。
永遠が永遠にならないこと、何回だって経験した。
それでも、それなのに、永遠にしたいときめきに出会ってしまったのなら、その永遠にしがみついて腐らせないよう、前に進まなくちゃいけないんだと分かった。
きっとそれが永遠を永遠にする、唯一の方法なんだと思う。
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