提言の経緯と補足
●「コミュニケーションの連鎖」
はじめに、安冨先生、私の提言をお読みいただき、更にブログでも取り上げていただきありがとうございました。
【やすとみ歩 ブログ記事の更新】
— 安冨歩(やすとみ あゆみ) (@anmintei) November 30, 2019
「れいわ新選組の組織論」https://t.co/EkeomqmScq
山本太郎は山本太郎で勝手にやっているので、私は私で勝手にやるしかない。その連鎖が、れいわ新選組なのだ。
そもそも、私がこの記事を書く気になったのは、この提言を読んだからであった。そのようなコミュニケーションの連鎖こそが、何よりも大切だと思う。
ブログ記事はこのような言葉で締められています。実は私がれいわ新選組の組織のことを考え始めたのは、安冨先生のこちらの記事がきっかけでした。
「れいわ新選組」は無縁者の集団。なるほど。これからどのような政党に発展していくのか楽しみでならない。 https://t.co/KFQq4sVnqo
— 研究猫とも (@reiwanekotomo) July 24, 2019
なので、「コミュニケーションの連鎖」は実はもっと前から始まっていたのでした。このノートでは、提言に至る経緯と提言の補足を記しておきたいと思います。
●経緯1:参院選まで
そもそも私がれいわ新選組を支持するきっかけは、こちらの動画でした。
質疑応答もあります。山本太郎は一つ一つ丁寧に答えます。知らないことがあれば、知ったかぶりをせず、ぜひ教えてくださいと名刺交換をします。決して上からの押し付けじゃない、これが本当の草の根政治、私が求める草の根民主主義だと思ったんです。https://t.co/oj2kOrggoa
— 研究猫とも (@reiwanekotomo) July 19, 2019
やはり衝撃的だったのは、プレゼン+質疑応答という形式の街頭演説(街頭記者会見)でした。まさに今までにないスタイル。更に、自分が知らないことは素直に知らないと言い、「ぜひ教えてください」と名刺交換をする姿勢に感銘を受けました。
もちろん、政策の中身や説明も、これまでの自分の中での「現状を変えなければいけない、でもあれやこれやの制約条件(財政含む)を考えると、そんなに大胆なことはできないよなぁ」という諦めや閉塞感、もやもやを一気に吹っ飛ばしてくれるものでした。
そして、私が強く思うのはこれ。
山本太郎がこの選挙を通じて起こしたムーブメントの本質は、この国に生きる全ての人々に、あなたには力がある、あなたは主権者なんだと気づいてもらう、力を取り戻してもらう、エンパワーメントだと考えています。
— 研究猫とも (@reiwanekotomo) July 19, 2019
その後、参議院選挙では寄付、ポスティング、ビラ配りなどに参加したのでした。
●経緯2:参院選後
参院選が終わって、れいわ新選組は政党要件を獲得。ここでふと、れいわ新選組の組織がどうなるのか、という疑問が湧いてきました。きっと、とんでもなく斬新な組織を考え出すに違いない、と。また、組織作りを進める時にはぜひ自分もそこに加わってアイデアを出したいなと。
そんな折り、事務所ボランティアをされていたひらめき太郎さんが、今後に向けてのアイデア募集をされていたので、こんな意見を出してみました。
【アイデア】#れいわ新選組関西支部 みたいなハッシュタグを全国に作って、そこでまずはゆるーくつながってみるってのはどうでしょ?出入り自由な感じの方がれいわらしいと個人的に思うので。ハッシュタグを公式に載せてもらえれば、選挙後に興味持った人も含めてつながれるのではないかと。
— 研究猫とも (@reiwanekotomo) July 22, 2019
この時の私の構想は、「組織を作るのではなくプラットフォームだけを作り、メンバーは出入り自由にする」というものです。そして、先述の安冨先生の記事を受けて、こんなツイートもしています。
個人的に興味があるのが、メンバーシップのあり方をどうするのかということ。既成政党の組織の場合、何だかんだ一般党員と幹部との間に格差があったり、末端の声が中央に届かなかったり、党員が主役という形にはなっていなかったり。その辺りをどう解決してくるのか。
— 研究猫とも (@reiwanekotomo) July 24, 2019
それから、党内の意思決定のあり方。これについても、密室で閉鎖的に決めることには絶対にならないだろう。むしろ全ての会議を配信でダダ漏れにして、通りすがりの人がふらっと来てコメントできるような感じがいいなぁ。誰でも見れるなら逆にスパイを心配する必要もない、ノーガードすぎる戦法。
— 研究猫とも (@reiwanekotomo) July 24, 2019
党員の呼び名にはぜひ、「オーナー」を推したい。「れいわ新選組のオーナーになりませんか?この党のオーナーはみなさんなんです」。ほらしっくり。
— 研究猫とも (@reiwanekotomo) July 24, 2019
ところが、待てど暮らせど、れいわ新選組の組織構想が全く表に出てこない。これはぜひ太郎さんに質問しなければ!と思いつつも、なかなか関西にはやってきてくれなかったのでその機会もないままに、この頃はMMTの勉強とTwitterでの議論に明け暮れていました。
ここで問題だと思っていたのは、れいわ新選組支持者の間につながりが作られていなかったことです。各地に勝手連やボランティアチームがぽつぽつ誕生していたものの、コミュニケーションの回路は極めて限られていて、しかもあちこちで分断されている状態だったのです。
そうして一ヶ月が過ぎたころ、LINEに「オープンチャット」という新機能が登場します。そして、これを使わない手はないと、試しに「れいわ新選組オーナーズ」というチャットルームを作ってみました。しかし、先に誰かが作っていたらいけないな、とまずはTwitterで「れいわ オープンチャット」で検索してみました。
●経緯3:黒幕連発足
そして引っかかったのがこちらのツイート。
れいわ支持者でうまくオープンチャットを使いこなせないものか…
— 伊吹⛵️🐾 (@blugemmao) August 19, 2019
私はDiscordがすごく便利だと思うんだけど使ってる人少ないんですよね。トピックごとにチャット部屋作れて、管理者などの役目も一人一人に割振れて、管理者だけのチャット部屋も作れる。ボイスチャットもできるしDMも。
— 🐻れいわクマ支局 支局長クマ🐾黒幕連管理者 (@LeiwaTeddy) August 19, 2019
こうして黒幕連(当時は「れいわ新選組支持者の集い」)が発足したのでした。もう、これだ!と即参加。なお、LINEオープンチャットの「れいわ新選組オーナーズ」はそっと消しておきました。
その後、黒幕連を大きくしようと試行錯誤を重ねて今に至るわけですが、ここで大きなネックとなってきたのが、政党本部・事務所と支持者の間のコミュニケーション回路が余りにも貧弱であることです。かといって、何かを「勝手に」やろうとすると、それは事務所の許可が必要、事務所に確認しないと分からない、事務所、事務所、事務所……。
そして、もう一つの問題が、支持者の活動がポスター貼り中心に回るようになったことで、ポスター貼りが必要だと思わない人、ポスター貼りができない人、ポスター貼りをしたくない人、今のポスターが好きじゃない人の肩身がとても狭くなってきていたことです。「みんながそれぞれできること、やりたいこと、やるべきだと思うことをやる」というれいわ新選組の良さが失われる事態です。
結局のところ、事務所のリソースは決定的に不足しているのに対して、支持者ができることと言えばポスター貼りが中心になってしまい、豊かな支持者のリソースが十分活用できない状態になってしまっている、と考えています。
以上が、提言に至った経緯です。これを踏まえて、いくつか補足をしていきます。
●補足1:カオス状態の是非
まず、私は「カオス状態」をなくすために「ガチガチの政党組織」を作ることを提言しているわけではありません。それはこちらのツイートからも分かっていただけるかなと思います。
安冨先生の話からすれば、れいわ新選組がガチガチの政党組織になる心配はとりあえずないのかなと。今まで全く見たことないようなフリースタイルな政党組織ができあがっていく、と考えただけでワクワクが止まらない。
— 研究猫とも (@reiwanekotomo) July 24, 2019
私が作りたいのは、「今まで全く見たことないようなフリースタイルな政党組織」であって、「ガチガチの政党組織」ではないのです。
また、カオス状態自体は是なのであって、カオス状態ゆえにかえって強烈なヒエラルキーが誕生しつつあることが非なのです。強烈なヒエラルキーというのはつまり、太郎さんが絶対視されていること、事務所が絶対視されていること、ポスター貼りが絶対視されていることです。そして、勝手連が今後大きくなることで、「勝手に動く」個人ボランティアに対する「勝手連」組織による統制が発生することを危惧しています。これは全くの逆説的状況です。
私が作りたいのは、カオス状態の中からルールや役割が自生するための場となる、プラットフォームです。場をつくり、そこに誰が出入りしても、どんな意見を述べても自由であり、そこからさまざまな新たな活動やプロジェクトが生まれていく、というのが私の理想とする状態です。
●補足2:見解の差異
続いて、安冨先生との見解の違いはそんなに大きいのだろうか、という疑問。
つまり、山本太郎は、山本太郎で、自分の好きなように動くから、あなたも自分の好きなように動いてください、ということなのである。ここで私が、山本太郎はこうすべきだ、と進言したって、余計なお世話に過ぎない。
このようなコミュニケーションの連鎖を引き起こすことが、れいわ新選組の「組織論」なのだ、と私は考えている。そこには、中心も境界もない、因果縁起の広がりゆく網の目が展開しているだけである。もちろん、今のところは、山本太郎という巨大な中心が聳え立っており、そこに集まるエネルギーと、そこから発するエネルギーが圧倒的であるが、その構造がいつまでも続くようであれば、れいわ新選組は失敗なのである。
これらの記述に関して、私は全く異論はありません。むしろ、我々支持者が本当の意味で好きなように動けるようにするため、あるいはコミュニケーションの連鎖を活発に引き起こすためにこそ、プラットフォームが必要である、と考えています。なので、目指す方向性としてはそんなに違いはないのかなと思います。
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