【Bistroメニュー開発】もっと魅力的なグランドメニューにリニューアルします!
飲食店は「魅力的なメニューを打ち出す必要がある」という事は言うまでもありません。
しかし、技術の進化により、それは年々難易度が上がっていると思います。
身近であげられる事で言えば、コンビニなどで美味しいものがより手軽に買えるようになり、流通の発達により、都市でも地方で朝採れた野菜が並んだりしています。
また、じっくり時間をかけなければ出来なかったパスタソースなども、パックを開けるだけで簡単にできてしまい、そのクオリティは年々増加しています。
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そもそも、魅力的なメニューとはどういったものでしょうか?
一言でいえば、「強みを活かした難しいメニュー」だと思います。
それはどのように考えれば良いのでしょうか?
難易度が上がっているとはいえ、諦めれる訳にはいきません。
今回は、ぐちゃぐちゃしている自分自身の頭の中を整理するために現在進行形の奮闘を書きたいと思います。
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現状報告
僕の勤めているBistroでグランドメニューを見直す事になりました。
とはいっても、今のメニューも良いので、大きく変わる訳ではないですが、約3年間同じメニューを続けています。
メニューブックの汚れも目立つようになってきたのでリニューアルするなら、内容も少し見直しましょうといったくらいの感じです。
僕は去年このBistroに転職して、今年2年目になりました。
調理場を担当し、今ではありがたいことに任せてもらうようになりました。
といった感じでの、メニューのリニューアル。
自分の提案が店のためになるなら嬉しいし、何より自分のためにもなると思うので、しっかり体重を置いて取り組んでいきたいと思っています。
調理担当という立場からの話ですので、全ての人に参考になるかどうかはわかりませんが、お付き合いいただけると嬉しいです。
分解し細分化して考える
まずは、強みを活かした難しいメニューの「強み」と「難しい」という言葉を別々に考え、更に細分化して考えてみました。次のようになりました。
それぞれ簡単に解説します。完全に調理場目線です。
「強み」について
強みは今あるものの見直しです。
当たり前にあるものが実は当たり前ではない。今持っている武器をテーブルに並べる章です。
①ジャンル
自分の店は何屋?これを再確認します。
僕の店の場合、西洋料理のBistro。
Bistroとしてしっかり魅力を出せている料理なのか?
例えば、今日は外食しようとなったとします。
どのように店を探すでしょうか?
一番は場所です。これはもうどうしようもありません。
次は、ジャンルですよね。
Bistroで食事をしようと思ったお客さんに、しっかり選択肢に入っている事が重要で、その為の料理なのか?という事は絶対に意識すべきポイントだと思います。
②食材
通常の流通より明らかに優遇されているものを確認します。
例えば、北海道の漁港の海鮮丼。
めちゃくちゃ新鮮でボリュームもあって安い。
これは豊富な海産資源がある地域特有の強みです。
僕の店の場合、和牛やその他牛肉、シャルキュトリーです。
これは確実な強みです。
③設備
今ある厨房設備をもう一度見直してみます。
僕の店の場合、フライヤーやスチームコンベクションがあります。
当たり前のようですが結構すごい事です。
更に基本的に2人が最適の厨房設計になっており、全てがコンパクトにまとまっている為大体は目が行き届きます。
その為人数がいないと出来ないということが少ないと言うことも強みと言えると思います。
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良くしがちな勘違い
この3点はしっかり意識していくべきです。
そうしない間違った方向に進んでしまうことがあります。
それは新しいメニューを出さないと飽きられてしまうと思い、良くわからないことをコロコロ変えてしまうことです。
これは本当にタチが悪い。
何故かといえば「やった感」が出てしまうからです。
メニューを考え、形にすることは大変な労力です。そこに満足してしまい勘違いに気づかない事があります。
これは膨大な時間のロスになってしまいます。
特に立場が上の場合、気を遣われ、指摘されなくなってしまいます。
もちろん同じことをずっとやっていれば良いわけではなくて、変えていくことは必要です。
また何か内部事情(在庫がたくさんあるから使いたい)などで組まなければいけないメニューなんかもあります。
難しいですが限られた時間で魅力的なメニューを出すためには強みを活かすが大前提です。
北海道の漁港に海鮮丼を食べに行ったのに、最近売上が少し落ちてきたなあとスタッフが自信満々で牛丼が出てきたらどう思うでしょうか?
「難しい」について
強みを活かした上で、差別化をするには難しいメニューに挑戦するべきです。
①技術的に難しい
美味しいものが手軽に手に入る中、やっぱり違うなと言わせるプロじゃないと出来ない料理がいいですよね。
簡単にいってしまいましたが、それは中々出来ることではありません。
いきなりそれは難しくとも、今やっていることに手を加え、難しくすることで価値が上がる事ってあると思います。
単純すぎるメニューは面白くないですね。
②管理が難しい
グランドメニューとは基本的にいつでも提供できる料理でないといけません。
なので技術的には簡単でも、メニューに出来ないものがあります。
具体的には冷凍できないものでフレッシュさを売りにするものは難しいと言えると思います。安定してフレッシュさを提供できないからです。
また悪いものを提供してしまう危険性もあります。
しかし逆に魅力的だと言えます。
できない理由ばかりではなく、出来る仕組みを作ることができればメニューにできるものもあると思います。
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客数について
5席なら出来るけど10席なら出来ない。
例えばですが、こういった事よくあります。
客数は掛け算です。
同じ料理でも1組のならある程度その場で出来ます。
5組だと完璧にイメージ出来ていて前持って準備しなくてはいけなくなります。
10組だと自分だけじゃなく、スタッフとも共有しなくてはいけなくなります。
客数は難易度にかけ算されていきます。
しかしその分、売上もかけ算されます。
最も重要なこと
「魅力的」なメニューを作るためには立場を明確に意識した上で考えることです。
これは大切だと思うので丁寧に書きます。
僕は今の立場は「雇われ料理人」です。
まず雇われは決定権がありません。あくまで出来ることは提案でしかない。
そして料理人は「自分がやってみたい」を一番重要にすべきです。
自分勝手であることが一番店にとって最適です。
何故か?
それはそれぞれが、一番重要にすべき立場があるからです。
サービススタッフはお客さんの事、経営者は利益の事を最も重要に考えています。
その意見を聞けばいいだけです。
僕(料理人)はお客さんの事を見ているようで見ていません。
少なからず直に接しているサービススタッフの方が確実にお客さんのことを考えています。
売上や利益も気にしますが、それによって胃が痛くなるような思いをしている経営者に比べたら表面上の数字を眺めているだけに過ぎない。
もちろんそれらを意識しなければ全くトンチンカンな事を提案してしまうので、最低限の意識はしますがその程度に留めておけば良いです。
一番良くないのは料理人がお客さんの事や利益を重要ししすぎること。
「自分はどの立場から発言しているのか」を明確に示さずに、フラフラとあっちこっち立場を移動して、それっぽい事を言うことです。
その結果、当たり障りのないようなメニューしか提案できなくなりつまらなくなります。誰もやりたくないメニューが出来上がります。
魅力とは偏りだったり、尖っている事です。
「自分のやりたい」が店の魅力になると信じて提案するべきです。却下されればそれは潔く受け入れ、諦めるかまたは再考すれば良いだけです。
料理人がお客さんのことをわかったような感じで、合わせていくとろくな事になりません。
「お客さんの事を第一に考える」という聞こえのいい事を良く言う料理人は、あやしいですね。
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只今絶賛奮闘中です。
何も決まっていません。
現段階ではこれらの事を意識して、提案しようと思っている料理が何品か出来上がったり、出来上がりそうだったりしているしている感じです。
次回は具体的に
僕がより魅力的なグランドメニュー開発に向けて提案予定の料理と狙いなどを書きたいと思います。
最後まで見ていただきありがとうございました。
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