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LINE情報漏洩問題は本当に恐ろしい。

昔から【壁に耳あり、障子に目あり】という言葉がある。これは隠し事をしようとしても、どこで誰が見たり聞いたりしているかわからないということで秘密が漏れやすいことのたとえた言葉として有名です。

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又、日本では昔から忍者という職業があり、主に情報収集を通じて自国が有利となるような情報操作を行っていたとも言われております。

みなさんは今回のLINE情報漏洩問題はどう感じられましたでしょうか?まずは今回の問題を簡単に振り返ってみます。

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今回の問題の振り返り

2021年3月17日付けのニュースで報じられた内容によると、LINEの利用者の個人情報などがシステムの管理を委託されていた中国の会社の技術者からアクセスできる状態になっていたらしく、実際に中国の技術者から少なくとも32回、日本のサーバーにアクセスがあったということです。
この問題は、LINEがシステムの管理を委託している中国の会社の技術者4人が、日本国内のサーバーに保管されている利用者の名前や電話番号、それにメールアドレスといった個人情報や、利用者の間でやり取りされたメッセージや写真などのうち、不適切だとして通報が寄せられた内容にアクセスできる状態になっていたとのことです。
LINEでは2月下旬にアクセスできない措置を取ったそうですが、中国の技術者から少なくとも32回、日本のサーバーにアクセスがあったことがわかっているようです。LINEや親会社のZホールディングスによりますと、これまでのところ、情報が悪用されたという報告はないとしています。

LINEは、国内の利用者が8600万人にのぼっていて、新型コロナウイルスのワクチン接種の予約ができるシステムも開発し、自治体が導入しているのです。

情報にアクセスできるのは実は中国だけではない?

実は LINE の個人情報は日本のデータセンターと韓国のデータセンターに保管されているらしい。日本のデータセンターで保管されているものはトーク内容、電話番号、位置情報、氏名住所など。韓国のデータセンターで保管されているものはトークの画像動画ノートタイムライン LINE Pay の決済履歴など。個人情報の中でも特に大切な情報は日本で保管されているが、中国企業からアクセスできることがわかったので、当然ながら世界のどこからもアクセスできてしまうかもしれません。そういう意味でどこに保存されていること以上にそのセキュリティ面に課題があることが浮き彫りになったという見方ができるでしょう。

何が問題なのか

この問題は国家間で情報が漏洩しているという非常に大きな問題に発展してしまっておりますが、この話を過大解釈してみます。

■我々のLINEでの会話が他国政府が見ている → その国を批判した人がマークされ、最悪拘束されてしまう。

■LINE決済の中身を日本政府が把握している → 購買情報を政府と近い企業に売却され、市場での競争に勝ち、さらに成長し政府との関係がより深くなるというスパイラルが起こる。

■LINEで送った画像が世界に流出している → 自分の写真が世界で流出し、プライバシーや著作権が破壊される。

■世界を代表する企業がLINEのトーク情報を購入している → 市場原理が破壊され、格差がより大きくなる。

■一部の国の政府が国家間交渉前に全世界のLINE情報を閲覧できる → 資金力がある国のみが交渉を有利に進めることになる。

どれをとってもあり得ないかもしれませんがもし実現したら恐ろしいことです。今や情報を掴んでいる者が世界を制してしまう時代です。こんなことが起こってしまってはもはや何を信じていいのか全くわからないことになってしまいます。非常に恐ろしいことであることを日本国民が認識しなければなりません。

政府の対応は?

加藤官房長官は記者会見で「総務省でもLINE社に詳細の確認を行っているところだ。今後、個人情報保護委員会をはじめ、関係政府機関において事実関係を確認のうえ適切に対応していくことになる」と述べた。

そのうえで加藤官房長官は「サプライチェーンのリスクはさまざまな過程において発生する可能性があり、政府ではシステムを調達する際に、リスクが払拭できない場合には調達を控える等の対応を行っているところだ。各企業に対しても情報提供などを行うことで各企業に対応を促している」とも述べた。

最後に

世の中が便利になることは非常にありがたい。現にこのLINEを使用するようになり、私自身業務が大幅に効率化されたと実感している。以前は電話とFAXで得意先の連絡を取り合っていたが今やLINEだけで完結する。写真や動画のやりとりも大幅に楽になった。そういう意味でもこのLINEの存在はもはや生活から欠かせないツールになった。

ただ、今回非常に深刻なセキュリティの問題が浮き彫りになってしまった。この問題は早急に解決しなければならない非常に大きな問題であり、さらに難しいのがこういった問題が起きたことを把握するのにかなり時間がかかることである。現に今回も問題が起きたのが2月下旬、問題がわかったのが3月中旬である。インターネットの世界はスピードが速すぎて問題が起きていることすら気づかずに日々時間が流れているのである。

我々の世界を大きく変えてくれたこのLINEが(悪い意味で)現代版の忍者にならないことを祈るばかりである。



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