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心理戦で絶対に負けない本【敵を見抜く・引き込む・操るテクニック】

長くビジネスの世界にいると、本当に色んな方にお会いします。営業相手としての商談にも数多く挑んできましたが、やはり人間相手なので商談における特効薬や完全なマニュアルはないと言えるでしょう。人間には感情があり、見栄や嫉妬など心理的な要素が含まれるので単に素晴らしいサービスを提案していても時として商談が成立しないこともよくあります。

そこで今日はこの心理戦を有利に進めるべく一冊の本を紹介します。特に社内的な交渉、社外の商談などどんな場面でも使えるものなのでぜひ一度チェックしてください。今日紹介するのは心理戦で必ず役に立つ2つのテクニックです。1つはフットインザドア、そしてもう一つがドアインザフェイスです。この2つについて紹介してきます。

フットインザドアとは?

これは段階的要請法とも呼ばれたりします。小さな要請でOK をもらった後に大きな要請(本来のお願い)を行い、OK をもらうという手法です。

このテクニックは相手の断る自由を奪うことによりOKをもらいます。さらに端的に言うと断れないようにするということです。心理学的な解説からすると人間には一度決心した行動や発言などを貫き通したいと思う心理的な作用が働くようになっているようです。交渉においては最初の決定を下した時、その決定によってその後の行動が制限されてしまうのです

フットインザドアの例を挙げてみると、例えば友達から「3000円貸してもらえないか」と言われ「いいよ」と答えてしまったとします。これが心理学の罠(テクニック)です。ここでOKを言ってしまうとこの後の行動は制限されてしまいます。例えばその後に「なんかあるといけないから念のため5000円に変えてもいいかな」と言われてしまい、断れないようになってしまうことになります。このように最初の要請に対してイエスをしてしまったが故に、次の要請にもイエスをせざるを得なくなる、これがフットインザドアです。

フットインザドアの実践方法

最終的な目標(大きな要請)を設定します。上記の例で言うと5000円を借りるということです。続いて小さな要請を設定します。これくらいならまず間違いなく OK してくれるだろうと考えられる選択肢(3000円)を用意するということです。実はこれだけなんです。
只、1点注意すべきは小さな要請と大きな要請に開きがありすぎてはいけないということです。お金を借りる時の先の例でいうと、最初に500円、後から10万円を要請してもうまくいきません。このように要請の開きに気をつけて使わなければいけないのがフットインザドアです。

ドアインザフェイスとは?

もう一つのテクニックがドアインザフェイスです。これは断ることへの罪悪感を応用したアプローチです。具体的には初めにあえて大きな要請や要求を行い、相手がそれを断った時点で小さな要請(本来やりたかったって要求)を行うというやり方です。例え法外な要求や要請であっても断ると罪悪感を抱いてしまうという人間心理があるそうでこれを使ったテクニックです。

これも例えてみましょう。友達から5万円貸してもらえないかと言われ、高額すぎることを理由に断ったとしましょう。一度友達の要請を断ったことに罪悪感を感じてしまい、1万円で打診されると受け入れてしまうというような流れです。このように断る事への罪悪感を応用するのがドアインザフェイスです。

この2つを使った商談パターン

ビジネスにおいて100万円の商品で売上を獲得する商談をイメージしてください。

まずは相手が必ず受け入れてくれる60万の商品でOKをもらいます。次に200万の商品を提案し、非常に高いサービス率を設定します。最終的に100万の商品を提示し、高いサービス率をKEEPさせます。

この3つのSTEPを踏むことにより、相手の心理が3回揺れ動かされます。まずは60万の商品を購入するイメージ、次に200万という高い商品をどう断るかという心理。そして最終的には100万円という選択肢ができたことによる安堵感です。いきなり100万の提案をするのではなく、3回のSTEPを踏むことにより顧客の安心感を産むことにもなります。

この2つのテクニックを組み合わせることで商談における心理的な駆け引きの中で合意を取り付けることができるようになります。

しかし、相手も自分も人間です。当然ながら話すスピード、間のとり方、相手の顔色や場の空気を感じながら商談に望む必要があることは言うまでもありません。その上で、自分の達成したい着地点を定め、どうすればそこに辿り着くことができるのかを考える中で、相手の心理を先に読みシナリオを作るというこの準備こそが商談スキルを高めるために必要なトレーニングだという言い方もできるかと思います。ぜひ実践してみてください!



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