見出し画像

iPad (とiPhone)でボードゲームのコンポーネントを制作した

最近、オリジナルのボードゲームを制作しました。


プレーヤーは勇者とその仲間となり、魔王を討伐できれば勝利!というよくあるRPGっぽい世界なのですが、タイトルにある通りチームワークが悪いので仲間の行動を読んで上手く行動しないといけない、というゲームになってます。

簡単な流れはこちら↓

画像1


テストプレイをしてくださった方々にはかなり好評で、自分でもとても気に入ってます。興味ある方は是非遊んでみてください!


初のボードゲーム制作で、しかもPCにイラストを描く環境がほぼない状態だったのでどうやって作業環境をどう整えようかなと悩んでたんですが、ちょうどこの時期にiPad Proを購入したので、せっかくだからiPad Proだけでいけるか試してみようと思い、iPad Pro (と普段使ってるiPhone)でコンポーネントを制作してみました。割と上手くいったと思うので備忘録的に残しておきたいと思います。

制作した物

今回のボードゲームで制作したものはこちら

・カード
・説明書
・箱

これらの制作に必要になってくるのはお絵かきアプリ、文書作成アプリです。
作成したデータは印刷所に入稿して印刷してもらう必要があり、印刷所指定のテンプレートファイルがあったため、それを扱える必要がありました。テンプレートはpsdもしくはaiファイルで、入稿データも同様でした。(入稿はpdfでも良かったですが、結局psdからpdfに変換する作業が出るので大きな差はないと思います。)

ドット絵エディタ

まず、カードや箱のイラストはドット絵でいくと決めてました。というか私が普段描いているイラストがドット絵なので、それ以外でボードゲーム化できるクオリティのものを作れる自信がなかったですし (ドット絵でも自信あるわけじゃないですが)、ゲームの世界観的にもドット絵が完全にマッチしてたのですぐ決まりました。

ドット絵エディタはdotpict (iPhone版, iPad版)とPixel Studio (iPad版)を使いました。

dotpictは正しくはドット絵投稿&交流サービスなんですが、アプリ版は機能としてドット絵エディタが付いてます。これを使って通勤中にiPhoneで描き、家ではiPadを使って描いてました。ゲームに登場するキャラクターは全てdotpictで描いてます。iPhoneでのカーソル操作が個人的にかなり描きやすく、とても気に入ってるアプリです。保存した下書きは端末間で共有できないですが、そんなに時間のかかる絵は描かなかったので特に不便はなかったです。

Pixel StudioはiPadで描くためにインストールしたアプリで、カードのフレームや箱デザインなど大きなサイズの絵を描くために使いました。画像ファイルの読み込みもできるのでdotpictで描いた素材絵を統合したり、ドット絵としての仕上げの工程も行いました。
Pixel Studioは作業を独自形式のファイルで下書き保存ができ、iCloud Drive経由で端末間の共有もできるんですが、iPhoneでの操作が個人的に合わずiPhoneで作業することがなかったのでiPadでのみ使用しました。

仕上げ用お絵かきアプリ

次に、psdもしくはaiの印刷所のテンプレートファイルを読み込んで入稿データを書き出しできるアプリを探しました。psd、aiファイルの扱いなのでphotoshopやillustratorが王道ですが、月額で料金がかかり、そもそも私がこれらのアプリを使ったことがなくハードルが高かったのでやめました。他に有名なものとしてアイビスペイントは無料ですがファイルの読み込みができず、Clip Studioはpsdの読み込みはできましたが、書き出しが有料でしたので諦めました。
結果的に使用したのがメディバンペイントでした。無料でpsdの読み込み/書き出しができます。

このアプリで印刷所への入稿データを作成しました。テンプレートファイルとPixel Studioで作成した画像データを読み込んで統合したり、テキスト入力をやってます。

フォント

そういえば、使用しているフォントはwebからダウンロードしてきたやつです。フォントは「JFドットM+10」 を使用させていただきました。

iPadへのインストールは、Fontcaseを使用しました。


説明書の作成

説明書はPagesを使いました。Apple純正の文書作成アプリです。iPadにプリインストールされてたはず。Microsoft WordがiPadだと月額課金制のようなのでこっちを使ってみました。まあまあ使いやすかったかなと思います。


その他

印刷所とのやりとりや、校正を友人に依頼したのでそのやりとりはメールやWebブラウザ (chrome)を使い、原価計算などはNumbers、データの保管や端末間での共有はiCloud Driveを使いました。あと、キャラクターデザインを考えたりはGoodNotesを使いました。(これだけ有料かな)


…といった感じでiPadとiPhoneで仕上げました。

もっとクオリティ高いものを制作をするならiPadだけでは限界がありそうですが、自分のボードゲームをとりあえず手元に作りたい!というだけなら十分いけるなあと思いました。


追記〜ゲームデザイン制作について〜

ゲームデザインの制作 (ルール検討、テストプレイ、バランス調整など)は紙とペンでやりたかったんですが、昨今の情勢から対面で集まってやることが難しかったのでPCでリモートでおこなってました。ただ、結果から言えばここもiPadで完結できたなと思います。

めちゃくちゃ便利だったのは、CCFOLIA (ココフォリア)というTRPGのオンラインセッションツールでした。

自作のTRPGやボードゲームをオンラインで複数人で遊ぶことに特化したツールで、キャラクターのパラメータの管理やダイスロール、カードを束にして山札にしたりと、ボードゲームをやる上で必要になる機能がだいたい実装されてます。これとDiscordか何かで音声も繋いでゲームバランスを調整しながらカードやキャラクターを適当に動かせばオンラインでのテストプレイを実現できます。

ゲームルールはプログラムで実装しなくていいというのが素晴らしいですね。

Webブラウザ上で動くのでiPadでもiPhoneでも動かせます。(iPhoneは画面が小さくてちょっとやりづらいかも)


こんな感じで、iPadだけでボードゲーム制作する環境を作りましたという話でした。かなり楽しい経験だったのでこれを活かして2作目作ってみたいと思ってます。


ありがとうございました!



※この記事で紹介しているアプリなどは2021/08頃の情報です。機能などは現在と異なってることもあります。


この記事が参加している募集

#つくってみた

19,561件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?