読書記録&雑記(2020.12)

12.5 六草いちか『鴎外の恋』(2020,河出書房新社)*

12.5 カツセマサヒコ『明け方の若者たち』(2020,幻冬舎)*

12.6 トルーマン・カポーティ著/村上春樹訳『ティファニーで朝食を』(2008,新潮社)*

12.7 原田マハ『ジヴェルニーの食卓』(2013,集英社)*

12.7 佐藤晃子『この絵、誰の絵?』(2008,美術出版社)*

12.7 結城昌子『名画は遊んでくれる』(2008,二玄社)*

12.8 平野啓一郎『かたちだけの愛』(2010,中央公論新社)*

12.8 伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』(2010,双葉社)*

12.10 辻村深月『きのうの影踏み』(2015,角川書店)*

12.10 辻村深月『盲目的な恋と友情』(2014,新潮社)*

12.11 世阿弥『風姿花伝』(1958,岩波書店)*

12.11 世阿弥著/夏川賀央訳『風姿花伝』(2014,致知出版社)*

12.15 辻村深月『噛みあわない会話と、ある過去について』(2018,講談社)*✿

12.17 平野啓一郎『透明な迷宮』(2016,新潮社)*

12.24 中村文則『R帝国』(2020,中央公論新社)

12.25 平野啓一郎『マチネの終わりに』(2016,毎日新聞出版)*

12.25 米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』(2011,新潮社)

12.27 米澤穂信『リカーシブル』(2015,新潮社)*

12.30 中村文則『惑いの森』(2018,文藝春秋)

12.8 ヴィンセント・ミネリ『炎の人ゴッホ』*

12.24 ロン・ハワード『ダ・ヴィンチ・コード』*✿

12.25 米林宏昌『思い出のマーニー』

12.26 犬童一心『引越し大名!』

12.26 生野慈朗『手紙』

12.27 西谷弘『マチネの終わりに』*

1年が終わるのは早い。今年は家にいる時間が多かったから、毎日が代わり映えしなかったからだろうか。余計にそう感じてしまう。

なにかを成す、ということは口で言うほど容易くはないし、辛いことの方が多いだろう。誰もが小説の主人公のように生きれるわけじゃない。

その中で、あえて自分はなにかを成す主人公の名脇役であろうとした女性の存在に甚く心を動かされた。共感というより、共鳴した、という感覚に近い。(平野啓一郎『マチネの終わりに』に出てくる女性である。ネタバレには抵抗があるので、ぜひ読んで味わってみてほしい。)

クリスマスも年末年始もなんだかぼんやりとしたまま終えてしまった。ぼんやりと、不安になったりもする。人によっては、それに絶望してしまうこともある。大変な人たちも多くいるし、その中で自分が助けられることを考えるのはなんだか現実的ではない。そういうイメージはなかなか湧かない。

いいことも、悪いことも、いずれ忘れてしまう。こう言うときっと病気だと言われてしまうけれど、私には夢と現実の境界がわからなくなるときが多くある。
現実でいいことが起こると、それを打ち消すようなリアルな夢を見てしまうからだ。かなり上手くできている夢で、もう何年も見ているのに慣れない。
だから、手帳やパソコンが手放せない。予定などは手帳にメモをしておかないと、夢で予定が変更されるのでどれが本当かわからなくなる。思ったこともされたことも、パソコンにデータを保存しておかないと、記憶を疑ってしまって、混乱してしまう。
私にとっては、「書かれなかったことはなかったこと」(中島敦『文字禍』より)というのは、実際の日常を示す言葉だ。
恐ろしいけれど、人はいつか忘れてしまう。それが早いか遅いかだけの違いだ。

話が様々なところに飛躍してしまったけれど、言いたいことは「実感の濃い1年にするには日々の機微を書き表しておくことが確実だ。そして本はその語彙や表現法を先立って示し、導いてくれる」ということ。

読んでくれた人、反応してくれる人、いつもありがとう。12月と銘打った記事だからここで感謝を示したい。
更新が億劫になってしまうこともあるけれど、これくらいのペースで続けれていることは存外悪いことではないと思っている。

新しい1年が、私にとって、そしてなによりもあなたにとって、素敵なものとなりますよう。また1年、軽い苦悩に苛まれながらもなんとか生き抜いてみよう。

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