読書記録&雑記(2021.3)
3.16 たかはしたけお『ハイジの贈りもの』(いのちのことば社,2015)*
3.18 酒井穣『これからの思考の教科書』(ビジネス社,2010)*✿
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この世で1番苦しいことって、綺麗なものを綺麗と思えなくなることのような気がする。
好きなものがある、楽しいことがある。
それは明るく日々を彩る。
趣味、と言われるものもそうだし、興味、でも構わない。
でも、そう感じられなくなるとき。
心が麻痺しているとき。思考が進まないとき。
同じものを見ても、びっくりするほど無感動でいる自分に気がつく。
とても、悲しくなる。
ふとした瞬間に、気づくこと。
例えば、ごはんがおいしくない。
例えば、夜に眠くならない。
例えば、前は書けた文章が書けない。
例えば、いいものと悪いものを判断できなくなっている。
自分のパフォーマンスが落ちていることを自覚させられるより、こういうときが、1番辛い。
自分の好きも、嫌いも、疑いたくなってしまう。
そういうときは、全部を預けて、眠るのがよいのでしょう。
でも、眠気は来なくて、カーテンからは緩く朝日が差し込む。淡い絶望が照らされ、象られる、刹那。
4月。満開の桜を眺めて、人はなにを思うのか。
陽気の中、立ち止まって写真を撮る家族。
肩を寄せ合う恋人たち。
最盛期。もっとも幸福な季節。
欠ける前の真ん丸な満月。
いつか散るのを知って、今を楽しめる余裕。
それに散ったとしても。
桜は散り際まで綺麗だから嫌い。
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