おめでとうザック・セイバーJr. !の湯|diary:2024-08-19
おめでとうザック・セイバーJr. !
実はプロレス好きなのです。
昨日8月18日、両国国技館にて行われた新日本プロレスG1 CLIMAX 34 決勝戦、ザック・セイバーJr. が初優勝!いやー行けばよかった。仕事するつもりで体を開けたものの、結局手につかずでありこんなことなら…
気を取り直して、G1の34年の歴史の中、外国人選手としてはケニー・オメガに続き2人目となる優勝。まして関節技を主体としたスタイルでフィニッシングムーブも間接技であり、しかも決まった型を持たないという特異なレスラー、ZSJことザック・セイバーJr. 選手。
この関節技でG1を制するというのも、2003年の天山広吉選手以降なかったということでだから、ザック選手は出自とレスリング・スタイルの双方の逆境を跳ね除けての頂点奪取となる。素晴らしいことだ。
単純にジンクスということではない。
プロレスはエンターテインメントであり、フルコンタクトの格闘で行う演劇である。筋書きがあり、勝敗はあらかじめ決められたものだ。それゆえに、技術や強さだけでは頂点には立てない世界である。
最高王者や、その挑戦権を得るための団体伝統のトーナメントでの優勝。それはプロレスラーとしての総合的なスター性、タレント性、そしてレスラー自身がこれまで紡ぎ蓄積してきたドラマが認められ、未来を懸けるにふさわしいと認められたということを意味する。
それはこれからのストーリーの主役となることの宣言だ。メインイベントを長く務められるトップスター選手、団体の顔を務め、集客の責任がのし掛かるポジションを担うことを、会社が決断したということなのだ。
長らく新日本プロレスという会社は、その点において保守的だった。といってもこれは仕方なく、どの国であれプロレスを好んで観るのは保守層であり、そのメインターゲットを満足させるために必然と、トップレスラーは自国民が情勢に対する願望をアイコニックに演出したキャラクターを纏うことが多い。
国内団体としてやはりトップに据えるのは日本人選手であり、外国人選手は登り詰めても、主役ではなく対角のライバルに留まるしかない。王座というのは取ったり取られたりの繰り返しでストーリーが紡がれるから、最高王座の戴冠はその点、チャンスは多い。エースが奪い返すことをゴールとした物語のために、手にするというわけだ。
今回ザック選手が優勝を手にしたG1は、確約されたチャレンジャーとして今後物語の主人公となることを意味する。この立場を外国人選手が得ることは、最高王者の獲得よりも難しかったというのが、G1の、新日本プロレスの歴史だ。英語でのマイクアピールはなかなか通じ辛いし、日本人の観客にとって、日本で頑張っている外国人、という境遇は好意的に評価こそすれ、自分に置き換えた共感にはならず、応援も客観的になりがちだからだ。
しかし、それでも新日本プロレスはザック選手をG1覇者とした。彼の今の実力を評価し、国内外の観客の心を掴む、声援の大きさを認め、次の主役に据えたのだ。
もともとは非常に細身で打たれ弱く、得手不得手のはっきりしたレスラーだったザック選手。それが近年ビルドアップを重ね、打撃や投げも強化し、スタミナをつけていき、スタイルを貫きながらもどんな相手とも名勝負を作るレスラーとして、実績を積み知らしめてきたのだ。
あの、ザック・セイバー Jr.が…
あの、ザック・セイバー Jr.が。
あの、ザック・セイバー Jr.が!
おめでとう!
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