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【コピペOK】インサイドセールスのChatGPT活用アイディア -今すぐ使えるメール作成プロンプト

グローバルインサイト(GIJ)の水嶋です。

ChatGPTが世間を賑わせていますね。私も色々試す中で、そのポテンシャルの高さを感じています。

さてインサイドセールスの専門家としては、ChatGPTがどのようにインサイドセールスに活用できるか考えてみたいところです。

2023/4/18追記:「AIはインサイドセールスの仕事をどう変えるか」という記事を書きましたので興味ある方はこちらもご覧ください!

まず思いつくのは、メール作成をやってもらうこと。しかし、なんとなく「〇〇のメールを作って」とChatGPTに指示してもなかなか綺麗なメールを出力してくれません。

ChatGPTのポテンシャルを活かすためには適切なプロンプト(質問・指示)を入力することがポイントになります。

そこで今回は、試行錯誤の結果編み出した、「インサイドセールスのメール文作成のためのプロンプト」をシェアしようと思います。是非コピペし、お好きなアレンジを加えてご活用いただければ幸いです。

プロンプト作成にあたっては以下の記事等で紹介されている、noteのCXO深津貴之さんが提唱されているプロンプトの型をベースにしています。深津さんに感謝申し上げます。
https://logmi.jp/business/articles/328359

プロンプトの作成と試行錯誤にはOnesight代表の伊佐敷一裕さんにもご協力いただきました。重ねて感謝いたします。

【注意】
※情報漏洩リスク回避のために、ChatGPTには公開情報のみを入力し、機密性の高い情報や個人情報は入力されないようにご注意ください。

※以下で示すアウトプット例はGPT-4によるものです。

GIJ流インサイドセールスのメール作成プロンプト

まず結論として、インサイドセールスのメール作りに使えるプロンプトの型を以下に示します。

【インサイドセールス用メール作成プロンプト テンプレート】

あなたは、プロのインサイドセールス担当者です。
メールで相手からの信頼を獲得し、セールスにつなげるプロです。
以下の制約条件とメール内容をもとに、最高のメール文を出力してください。

#制約条件
・相手を尊重し、丁寧で誠実さが伝わる文体にする
・信頼獲得を目指す
・適度な親密さを出す
・冗長でない、簡潔で読みやすい文章にする
・最終目的は自社サービスを相手に導入してもらうこととする 
・ただし押し売りはしないこと
・日本のビジネス慣習に従い、正しい敬語を使う
・「!」や「?」は使わない
・相手に興味を持ってもらう工夫をする
・相手にお願いをする際は一方的にならないよう、相手の都合を尊重した聞き方にする

#メール内容
(ここにメール内容や目的などを記載)

「#メール内容」配下に作成したいメールの概要や目的、条件等を過剰書きで記載の上、ChatGPTに投げてあげればOKです。

なお「制約条件」は試行錯誤を繰り返した結果、新人営業に対する指導のようになっています。実際これを作っているとき、新人を教育しているような気分になりました。(笑)

では具体例を見ていきましょう。

①資料請求に対するメール例

まずは「資料請求した見込み顧客に対して打ち合わせを打診する」メールです。

先述のプロンプトの型に以下のように「メール内容」を追記して、GPTに入力してみます。

【資料請求に対するメール作成プロンプト例】

あなたは、プロのインサイドセールス担当者です。
メールで相手からの信頼を獲得し、セールスにつなげるプロです。
以下の制約条件とメール内容をもとに、最高のメール文を出力してください。

#制約条件
・相手を尊重し、丁寧で誠実さが伝わる文体にする
・信頼獲得を目指す
・適度な親密さを出す
・冗長でない、簡潔で読みやすい文章にする
・最終目的は自社サービスを相手に導入してもらうこととする 
・ただし押し売りはしないこと
・日本のビジネス慣習に従い、正しい敬語を使う
・「!」や「?」は使わない
・相手に興味を持ってもらう工夫をする
・相手にお願いをする際は一方的にならないよう、相手の都合を尊重した聞き方にする

#メール内容
・資料請求したお客様に対するメール
・まず資料請求への感謝を伝える
・資料請求のきっかけとお客様の課題を自然な形で聞き出し、返信いただけるよう促す
・自然な形で、ヒアリングと製品デモのお打ち合わせの打診をする
・お打ち合わせでは他社事例など、お客様にお役立ていただける情報を提供することを伝える

これに対するChatGPT(GPT-4)の出力が以下です。

件名: 【御社名】様、資料請求ありがとうございます。お打ち合わせのご提案

[お客様の名前]様
いつもお世話になっております。[自社名]の[自分の名前]と申します。
この度は、弊社の資料をご請求いただき、誠にありがとうございます。

お手元に資料が届くまで、少々お時間をいただいておりますが、それまでの間にお客様が資料をご請求されたきっかけや、お悩み事・課題についてお聞かせいただけると幸いです。それにより、今後のサポートや提案に生かさせていただきたく存じます。

また、お客様のご都合に合わせて、製品デモとヒアリングのお打ち合わせをさせていただくことは可能でしょうか。お打ち合わせでは、他社様の事例を交え、お客様に役立つ情報や、弊社サービスをいかに御社の課題解決につなげられるかをご提案させていただきます。

お忙しい中恐縮ですが、ご都合の良い日程やご希望のお打ち合わせ方法(対面またはオンライン)をお知らせいただけますと幸いです。お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

何かご不明な点やご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。

敬具

[自分の名前] [自社名] [連絡先電話番号] [メールアドレス]

いかがでしょう。悪くないのではと思います。多少調整すれば、そのまま使えそうな文章ではないでしょうか。

ChatGPTなりに「相手を尊重し、誠実な文体にする」意識が現れていることが伺えます。

②アウトバウンド営業メール例

次に新規顧客に対し、アウトバウンド営業をかける際のメール例です。

【アウトバウンドメール作成のプロンプト例】

(前半は共通のため省略)

#メール内容
・初めての相手に対するアウトバウンド営業のメール
・お打ち合わせを打診するための日程調整リンク(urlは〇〇で良いです)をお送りし、アポの日程調整をしてもらうことが目的です
・紹介するサービスは、相手の□□という課題を△△の観点から解決できるものとします
・お打ち合わせでは、他社事例など有益な情報を提供することを伝える

【ChatGPTのアウトプット】

件名:□□課題解決へのお手伝いについて

[相手の名前]様

お世話になっております。私は[あなたの名前]と申します。[自社名]のインサイドセールス担当者を務めております。この度は突然のご連絡、大変失礼いたします。

最近、[相手の会社名]様の□□という課題に関する記事を拝見しました。私どものサービスが△△の観点から、その課題解決に役立てるかもしれませんので、お話を伺わせていただく機会を頂戴できれば幸いです。

お忙しいところ恐縮ですが、ご都合がよろしければ、お打ち合わせの日程を調整させていただくためのリンクをお送りさせていただきます。以下の〇〇から、お手すきのお時間をお選びいただけますと幸いです。

〇〇

もちろん、[相手の会社名]様のご都合やお考えに合わせて、弊社サービスの詳細や導入についてお話しするかどうかはお決めいただけます。お打ち合わせの場を設けていただけるだけでも、大変光栄に存じます。

お手数をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。引き続き、[相手の会社名]様のますますのご発展をお祈り申し上げます。

敬具

[あなたの名前] [自社名] インサイドセールス担当 [あなたのメールアドレス] [あなたの電話番号]

こちらも、GPTなりの「誠実さ」が伝わる文面ではないでしょうか。

驚いたのは、特に指示していないのに「貴社の〇〇に関する記事を拝読し〜」のように文脈を補完している点です。

相手企業の課題や自社製品の特長は仮で「〇〇」「■■」のようにしていますが、こちらを個別かつ詳細に記載することで、よりパーソナライズされた内容になると思われます。むしろここがAIを扱う人間の腕の見せどころではないでしょうか。

※ただしChatGPTには機密情報や個人情報を入力しないように注意しましょう

文字数を制限したいとき

以上の例を見て、「少し長いな」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

その際は、プロンプト内(「制約条件」の中等)に文字数制限を記載してあげればOKです。

以下は、「①資料請求に対するメール」のプロンプトの「制約条件」内に

・件名と著名を除いた本文を日本語で300文字程度に抑える

という文字列を加えて入力した際のアウトプットです。

件名: 資料請求ありがとうございます。お打ち合わせのご提案
〇〇様

いつもお世話になっております。当社のインサイドセールスを担当しております、〇〇です。先日は資料請求をいただき、誠にありがとうございました。

資料請求いただいた背景や、〇〇様が抱える課題についてお伺いできればと思います。もしよろしければ、お手数ですがご返信いただけると幸いです。

また、お客様の課題解決にお役立ていただけるよう、製品デモやヒアリングのお打ち合わせを提案させていただきます。お打ち合わせでは、他社様の事例も含めた情報を提供させていただく予定です。

お忙しい中恐れ入りますが、ご都合の良い日時や形式(対面またはオンライン)をお知らせいただけると幸いです。どうぞお気軽にお申し付けくださいませ。

引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
敬具
〇〇 〇〇 インサイドセールス担当

このようにコンパクトな文面になり、本文の長さも320文字程度になっています。

ただ、文字数を制限しすぎると、少しそっけない機械的な文面になりがちです。最初は文字数制限なしでアウトプットしてもらい、その内容や文字数を確認した上で、文字数制限の有無を決める順番が良いでしょう。

また、ChatGPTは日本語の文字数カウントの精度にはやや不安があるようで、場合によってはまったく異なる文字数のアウトプットを返してくることもあります。現段階では鵜呑みにせず、文字数は別のツールでチェックして上げた方が良いでしょう。

なお経験上、上記のようにプロンプトの「制約条件」に「日本語〇〇文字程度で」と明記すると上手くいきやすいようです。

自分の普段の文面に似せたいとき

また、GPTのアウトプットが「自分の普段の文面のキャラクターと違って違和感がある」方もいらっしゃるでしょう。

その際は、以下のようなプロンプトで、普段の自分のメール文をサンプルとして入力してあげると、そのキャラクターに合わせたアウトプットを作ってくれます。

【サンプル文を指定したプロンプトのテンプレート】

あなたは、プロのインサイドセールス担当者です。
メールで相手からの信頼を獲得し、セールスにつなげるプロです。
以下の成約条件とメール内容をもとに、最高のメール文を出力してください。

また、「# サンプル文」の内容を参考に、
サンプル文の筆者のキャラクターと大きくズレないようにしてください。

#成約条件
(省略)

#メール内容
(省略)

#サンプル文
(サンプルメール文を入力)

以下は「①資料請求に対するメール」のプロンプトについて、以下のサンプル文を加えた上でのアウトプットです。

(前半は共通のため省略)

#サンプル文
平素は大変お世話になっております。GIJの水嶋です。
この度は○○をいただき、誠に有難うございます。

私としましても、是非お力になれるよう尽力させていただきたく存じます。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。

水嶋

【ChatGPTのアウトプット】

平素は大変お世話になっております。 GIJの水嶋です。

この度は資料請求をいただき、誠にありがとうございます。 お客様のお役に立てるよう、精一杯サポートさせていただきたいと思っております。

お手数ですが、資料請求のきっかけやお客様が抱える課題についてお教えいただけると幸いです。 それにより、更に適切な情報提供ができるかと存じます。

また、お客様のご都合に合わせてヒアリングや製品デモのお打ち合わせも承っております。 お打ち合わせでは、他社様の事例やお客様にお役立ていただける情報を提供させていただくことができます。

お忙しい中恐れ入りますが、お客様のご都合の良いお時間をお知らせいただければと思います。 どうぞよろしくお願い申し上げます。

水嶋

サンプル文のキャラクターに合わせた文体になっていることがお判りいただけますでしょうか。「AIっぽさ」も薄れ、日本のビジネス慣習に合いやすいメールになっているように思います。

この手法を用いれば、例えば「ChatGPTのアウトプットを人が修正したもの」をサンプルとして用い、そのアウトプットを更に人が修正したものをサンプル文として入力して…(以下繰り返し)のように、「正の学習スパイラル」を生んで改善していくプロセスも考えられそうです。

なおサンプル文がシンプル過ぎるとそれに引っ張られてアウトプットもシンプルになり過ぎる傾向があるため、ある程度長めのサンプル文を入れてあげる方が良いようです。

(参考)GPT-3.5でのアウトプット例

なお以上はGPT-4によるアウトプット例です。

GPT-4は2023年3月現在有料版でしか使えないため、無料で使えるGPT-3.5のアウトプット例も載せておきましょう。

以下は「①資料請求に対するメール文」のプロンプトをGPT-3.5に入力した際のアウトプットです。

件名:【お礼とお願い】○○様からの資料請求について
拝啓 ○○様

この度は、弊社のサービスにご興味をお持ちいただき、資料請求をいただき誠にありがとうございます。私たちは、○○様にとって最適なサービスを提供することを目指しております。

まずは、このメールをお届けすることで、お礼を申し上げたく存じます。弊社のサービスについて、何かご不明な点やお気づきの点がございましたら、遠慮なくお申し付けください。

資料請求のきっかけとして、○○様が抱えている課題についてお聞きしたいと思います。もしよろしければ、お時間をいただき、お電話やオンライン会議などでお話しできないでしょうか?ご都合の良い日時をお知らせいただければ、弊社スタッフがご希望に添えるよう最大限努めます。

また、ヒアリングの中で、弊社のサービスがどのようにお役立ていただけるかをご説明したいと考えております。具体的な内容や、他社様での導入事例などもご提供いたしますので、ぜひご参考にしていただければ幸いです。

何かご不明な点やご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。お忙しいところ、長文のメールにお付き合いいただきありがとうございました。

敬具

このようにGPT-3.5でもそれなりに使えるアウトプットは出してくれます。むしろ電話やオンライン会議の打診はこちらの方が自然かもしれません。

ただしGPT4に比べると、やや機械翻訳感が強く、修正箇所は多そうです。

この差を見るだけでも、AIの短期間での急速な発展を実感します。

人間は他の仕事にリソースをシフトしよう

以上、いかがでしたでしょうか。

今回シェアした例はまだ試行錯誤中のものですので、各自いろいろアレンジを加えていただけると(また、より良いものができれば教えていただけると)幸いです。

しかし現時点でこのクオリティのアウトプットを出しており、さらに今後も加速度的にAIが発展していくことを考えると、「一体人間はなんの仕事をすればいいのだろう?」という気持ちにもなります。

実際、海外の記事等では「AIに置き換えられる職業」の一つに「テレマーケター」が挙げられています。テレマーケター=インサイドセールスではありませんが、インサイドセールスの一部の業務はAIに置き換わるのは間違いないでしょう。

また、AIがメールを書けるようになると、「人間の心のこもったやり取りが減ってしまうのでは」という気持ちにもなります。

実際そのような側面はあると思います。ただ一方で、私はこのプロンプトを作りながら、「これなら、もっと他の価値ある仕事に時間を割けるようになるな」とも感じました。

例えばメールを作る時間が減ることで、より顧客理解や課題仮説作りなど、より前段かつ上流の本質的な業務に時間を使えるようになります。

またその顧客課題などの情報をChatGPTにインプットすることで、より顧客に寄り添ったメールをアウトプットしてくれるようにもなります。これはある意味で、より「心のこもった」顧客コミュニケーションができているとも言えるのではないでしょうか。

また、これはフィールドセールスの領域ですが、対面での商談のクオリティを高める準備に時間を割くこともできます。

このようにAIをうまく活用し、人間はより人間らしさを発揮できる仕事にリソースをシフトしていくことがこれから求められていくでしょう。

営業・インサイドセールスのコンサルティングやトレーニングプログラムを用意しています

最後までお読みいただきありがとうございます。

最後に少し宣伝ですが、弊社では普段営業やインサイドセールスの組織課題解決のコンサルティングや、教育プログラムを提供しています。

最近、「営業DX Boot Camp」というトレーニングプログラムの提供を開始しまして、絶賛好評提供中ですので、営業やインサイドセールスの組織改善に興味のある方は是非こちらからご相談ください。

このnoteが参考になった方は、是非「スキ」「フォロー」もいただけると幸いです。

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