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ピンクはいったい誰のもの?隠れたジェンダーバイアスを考える|REING NIGHT

Creative Studio REINGでは『REING NIGHT(リング・ナイト)』というイベントを不定期で開催しています。ジェンダー的観点からお互いの意見や感じ方を対話するオンラインイベントです。

💜REING NIGHTとは?
日本のジェンダーイシューについて視点を掛け合わす場、REING NIGHT。身の回りに溢れるTV番組、雑誌、広告、映画等、コンテンツにおける表現に触れることで、誰しもが知らず知らずのうちに「性別」によって、人としてのあり方や生き方を想定してしまっているかもしれない。これまで長い歴史の中で築かれてきた「男性として」「女性として」こうあるべきという見せ方や表現について、私たちは何をどう捉え、考えていけばいいのだろう。


ーピンクはいったい誰のもの?


2020年11月、わたしたちはREING Underwearの新色「Limitless Pink(リミットレス・ピンク)」をローンチしました。

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性別の区別がないジェンダーニュートラルなデザインが特徴のアンダーウェア。昨年2月の発売以来ニュートラルなカラーをライナップしてきましたが、新色を開発するにあたってコミュニティーのメンバーの多くが"ジェンダーバイアスを感じる色の一つである"と回答した「ピンク」をあえて迎えることに。

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左から順にConfident Black, Balanced Green, Relax Beige, Euphoria Purple


同時期、Twitter上では「ピンクは女の子しかダメなんだよ」という娘さんに対し「男の子がピンク好きでもいいんだよ」と伝えるためピンクの服を毎日着ることにした、というエピソードが拡散されたり、情報番組「ワイドスクランブル」でも男性の登壇者二名がピンクの衣装を着用するなど、色々なところでピンクにまつわるトピックを耳にしました。

また、Limitless Pinkの発売に連動して、Netflixの人気番組『クィア・アイ in Japan!』に出演したKanさんをお招きし『ジェンダーバイアス と ピンクの関係性』をテーマにトークイベントを開催。

女性服のラインナップはカラフルな一方で、男性服は白・黒・グレーなど無彩色ばかりであることなど、巷に溢れている隠れたジェンダーバイアスについて皆さんと考える機会となりました。

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そこで、2020年11月10日に開催したREING NIGHTでは、ピンクに限らず社会にたくさん隠れているジェンダーバイアスをテーマに、ジェンダーバイアスを感じる瞬間や、どうすれば”自分らしく”いられるか、”自分らしくいる”ってどういうことか、などについて自身の経験を交えながら話し合いました。


🗣 ピンクは「甘い・可愛い」女の子のもの?

小学生くらいの頃から親の影響で、パーソナルカラーを基準に色を選んできたから、自分の似合う色であるショッキングピンクに抵抗感はない。かっこいいイメージが出来上がっている色だし。でも、他にピンクの持ち物は0。ショッキングピンクしか持っていない。子供時代のピンクのものってガーリーなもの(マイメロやサンリオなど)そういう可愛いイメージのピンクが多くて、ぶりっ子って思われたくなくて選べなかった。かっこいいピンクは許せるけど、他のピンクは選べない。
子供の頃に観たセーラームーンのちびうさのイメージが強くて、私にとっては特権的な色。自分は可愛いキャラではないし、フェミニンでもないし、ピンクを着ているとぶりっ子と思われるのもヤダな、と10代の頃は避けていた。選ばなかったというよりも、選ばせてもらえなかったという方が近いのかも。
わたしはかっこいい人になりたいから、それを体現するためにはピンクを着ると「甘い・可愛い」感じになっちゃう気がして、なかなか手に取りにくい。服だけではなく、メイクもそうで。リップとかもピンクのものは持っていません。
新しく女性らしいランジェリーが欲しいなと思って探していた時、自然とピンクのランジェリーばかり選んでいた。その時に、もしかしてわたしの中でピンク=女性らしいものという無自覚の意識があるのかなって。どこかで植え付けられたのかな。
アパレルの販売員をしていたとき、ピンクが似合いそうなお客さんに勧めても「ピンクかぁ…」みたいな鈍い反応が多かった。自分で”自分には似合わない”と首をしめてしまうことが多い色だと思う。
子どもの時、プリキュアよりも戦隊物が好きだったけど、レンジャーの中で女の子はピンクが多かった。だから男の子と遊ぶ時も、わたしは女だから緑とか青じゃなくていつもピンクだった。もっといろんな色が増えたらいいのにと思う。
女の子の主役=ピンクみたいなイメージがあるかなって。わたしは、わたしみたいな分際で主役の色を着るのは申し訳ないみたいな気持ちがあったなと思う。
ジェンダーとはズレますが、陰キャがオシャレすると、調子乗ってる。みたいに言われたりするんですよね。そういう意味では「自分が主役の色を着るなんて…」と感じるのは、ジェンダーの問題だけでなく、ヒエラルキーの影響も大きいですよね。


🗣 ジェンダーバイアスを感じる瞬間

男性がピンクをきたらおしゃれって言われるのに、女性がピンクを着るとぶりっ子だと言われたり。お母さんがご飯を作らなかったら愛情がないと言われるのに、お父さんがお弁当を作らなくても批判されなかったり。そういう矛盾が多くて生きづらさを感じる。
父親がメイクをしたり、ピアスを開けたりすることをすごく嫌がる人で。メイクをすることは汚らわしいことなんだという刷り込みがあった。ケバかったらだめみたいな。女の子は白いワンピきて、清楚で、清潔感のあるショートカットが一番可愛いんだみたいなことを父親がよく言っていた。女の人が”少女”から”大人”になるということに対して嫌悪感を抱く男性もいるんだというところに、生きにくさを感じている。
いま27歳なんですけど第一次結婚ラッシュがきていて。久しぶりに高校の友達と遊ぶと、結婚どうするって話になります。女性は30歳までに結婚しなきゃねっていうジェンダーバイアスを感じました。
わたしはすごく毛を剃りたくないんですけど、もちろん剃る・剃らないは自由だと思うけど、その選択肢すらないように感じる。TVでも、電車の中でも”脱毛”や”ムダ毛”の広告が溢れていて「なんで女性の体毛はムダ扱いされてんの?!」と思うことがよくある。なんでツルツルピカピカじゃないと生きていけないのかなって。長いことやられ続けてます。
自分の健康のために自炊しているのに、一方的に”女子力”って表現される。会社のランチタイムにお弁当を隠したくなる。
大学時代に男女比率が男8:女2くらいのサークルに所属していたわたしは、「自分は女だけど、男ばっかりのサークルで男たちに負けないようにバリバリ頑張ろう」と思い、実際に役職とかについてすごく頑張ったけど、どこか壊れていく自分を感じた。「男の人たちの社会の中で、自分は女だけど男になろうとして、男と同じように振る舞って、男に負けないように頑張ろう」みたいに思っていたからだと思う。どんな性別であっても、わたしがわたしとして認められる努力をしないと結局自分が苦しいと気付かされた。

🗣 ジェンダーバイアスを解くためには?

子供の頃の影響ってすごい強い。メディアとか、周りの大人たち次第で色に対する考え方は変わると思う。私たちの世代から、誰が何を身につけていてもなんとも思わないという態度・考え方を、子供たちに積極的に示していくのが一番効果的なのかなと思う。
子供の時からピンクに縛られることがなかった。だから例えばファッション雑誌でピンク特集してくれたら一気にイメージが変わるんじゃないか。意外と簡単じゃないかなと思う。私が嫌なのは、”色”じゃなくて”デザイン”。かっこいいピンク、かわいいピンク、どちらも提示することでピンクの持つイメージが変わっていくと思う。デザイン次第。
脱毛に反抗してるのに、堂々としていられない自分が嫌いだけど、貝印が広告の中で、剃る・剃らないのどちらかを推奨するわけではなく、選んでいいんだよって伝えてくれて、泣くくらい嬉しかった。あの広告のモデルはAIだったけど、いつかちゃんと生身の人間がモデルになって、自由にそういう話をすることができるようになったらいいなと思っている。


ー誰もが縛られることのない世界を目指して


先日、朝日新聞に掲載されたMAISON ABLEの宣伝広告「『女性初』がニュースなんかじゃなくなるまで」がSNS上で議論をよんでいましたが、この"女性をターゲットにした広告"においても、またもやピンクが基調にされています。

民間企業だけに限ることではありません。

例えば、現在与党を務める自由民主党の女性局のHPでもピンクがテーマカラーに採用されています。

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周りを見渡せば女性とピンクを結びつけるような広告やメッセージが溢れているのに、ピンクを身につけるとなると抵抗を覚える女性は少なくないのです。

今回のREING NIGHTで見えてきたのは、抵抗を感じる人の多くが子どもの頃に受けた「ピンクは女の子のための色」というイメージの影響の大きさでした。

令和時代の今も、おもちゃ売り場も「男の子用 / 女の子用」に分けられ、女の子用おもちゃのカラーリングはピンクで溢れています。

また色だけではなく、女の子の職業選択や"女の子らしさ"の価値観を決めつけてしまうような設定をもった玩具の存在も少なくありません。

アメリカでは数年前に、ファッションドールをはじめとする女児玩具が理系化するという大きな流れがありました。

2010年にはマテル社がコンピューター・エンジニアのバービーを発売するなど、「女の子=理系分野が苦手」という呪いを解くために、女の子をエンパワーメントするようなおもちゃが次々に発売されているのです。


社会には色々なところにジェンダーバイアスが隠れていて、わたしたちは幼い頃からその影響を無意識のうちに受けて育ちます。

子どもの頃に受ける影響は計り知れません。

性別による思い込みや先入観はわたしたちを蝕むけれど、女だから数学ができないなんてこともないし、男だから料理ができないというわけでもありません。

なにより、ピンクは特権的な色ではないし、色に性別はないということに大人になってから気づくことはできるとわたしたちは知っています。


決して”女らしさ”や”男らしさ”が悪ということではなく、「女らしさも男らしさも選べるものであって、強制されるものではない」ということに想像が及ぶ人が増えたなら、社会はもう少し生きやすいものとなるのではないでしょうか。

次の世代にジェンダーバイアスの弊害を伝染させないよう、自分たち自身のことも解放できるよう、まずは今何ができるかを皆さんと考えながら、一つ一つに丁寧に取り組んでいこうと思っています。



Writer : Ai O’Higgins
Editor:Yuri Abo


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