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この身体だからこそ伝えたい「自分を押し込めるのも、解放するのも、”好きなもの”。」 ー モデル・イシヅカユウインタビュー

あなたが出会った人の中に「いるだけで存在感を放つ人」はいますか?

今回話を聞いたユウさんは間違いなくそういうタイプの方でした。撮影中に見せるプロの表現者としての姿、休憩の間にこぼれ出るチャーミングな笑顔、葛藤の中で洗練させてきた自らの考え方を語る様子など、彼女が見せる様々な表情はどれも魅力的でした。そしてどの表情も実に自然なものに感じられ、周りも自然と笑顔を見せていたのです。独特な存在感と自然体ならではの心地よさは、どのようにして生まれてくるのでしょうか?

今回、REINGのビジュアルモデルとして協力してくれた彼女に話を聞いてみました。

イシヅカ ユウ / Yu Ishizuka
静岡県生まれ。ファッションモデル。ファッションショー、スチール、ムービーなど、さまざまな分野で個性的な顔立ちと身のこなしを武器に活動中。また、体が男性として生れながら女性のアイデンティティを持っているMtFでもあることから、最近ではテレビやラジオなどで意見や体験を発信するなど、活躍の場を広げている。
https://h-u-g.co.jp/yuishizuka/

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ー ユウさんは自分との関係性をどう捉えていますか?

私は自分自身と向き合う一人の時間っていうのも大事なんですけど、他者と向き合ってる時に自分の本質みたいなのが見えることがあって。他者との関係で自分自身との関係を深める、みたいな。


違和感に苦しんだ過去をのりこえて

私は元々男性として生まれたんですけど、女性の心を持っています。小さい頃から自分の心と体にすごく違和感があって、中学生ぐらいの時からは女性として生活をしてました。高校生の時は先生以外の人には身体が男性だということは言わずに女性として通っていて。すごく…心と身体が乖離しているというか。

ー 中学や高校の頃までは自分が女であることを外には伝えてなかったということですか?

外に出し…てなかったわけでもなくて。物心ついた時から自分が男性だとどうしても思えなかったので、どちらかというと、どうしても漏れ出てしまっていた感じです。田舎だったので男性と女性を二つに分けようとする流れが強い中でどうしても人を男性と女性で分ける考え方が受け入れられなくて、学校に行けなくなったりしました。

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ー それを乗り越えて高校で女性として生きることを決めたきっかけは何ですか?

やっぱり中学に行けなくなっちゃったので、高校から「どうする」って考えた時に女性として生きる意志を固めるしか道がなかった。あとは、新しい高校だったのでMtFであることを理解する環境をつくってくれたことは後押しになりました


自分を押し込めるのも、解放するのも、好きなもの


学ランとか、中学までは自分が「服」で押し込められていたっていう気持ちがあって。でもそれを解消してくれたというか、それに立ち向かう気持ちをくれたのも同じ「服」だったので、服にはそういう二面性があるって思っています。自らを縛り付けていたものであっても、捉え方を変えれば自分を解放する力にもなると思えたんです。私がこうやってモデルとして活動することで、どこかにいる、何かに悩んでる人に「こういう人もいていいんだ!」みたいに思うきっかけになればいいなって考えはどこか片隅にあります。

ー そういう表現ができたなあと思った具体的なエピソードはありますか?

今、具体的には思い出せないんですけど、モデルの仕事でいろんなことをさせてもらうたびにその思いに繋がってると思ってて。自分がMtFであることがフィーチャーされることがあれば、それとは関係なく仕事があることもあって。その人がその人として何かをしているってことがすごく大切だと思うんです!

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自分の好きなものを
新しく探したり、取り入れる時間が大事

ー 自分と向き合うことの大切さってあると思うんですけど、自分との向き合い方や自分のことを受け入れることについて、何かアドバイスはありますか?

やっぱり自分の好きなものと自分の本当に好きなことをしている時間が、私にとっては自分自身と向き合って、また新しい自分をつくっていく時間でもあると思います。それは音楽だったり、映画を見るとか、本を読むとかそういう時間なんですけど。そういう自分の本当に好きなものをみつめるというか、自分の好きなものを新しく探したり、自分の好きなものを取り入れる時間とかが大事かなと思う。

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周囲との関係を保つために自分を押し込めていたユウさん。「気持ちを押し込めるほど、抱く違和感は大きくなっていった」と語ってくれました。けれど、その違和感に立ち向かうきっかけを得たのは自分に対する理解を示してくれる人や場所、そして「服」という表現と出会ったから。今、彼女はモデルという仕事を通して誰かの「好き」を肯定しようとしています。

彼女の紡ぐ言葉を聞いて、「好きなもの」とは自らの感性や考え方が詰まった宝物のようなものではないかと考えさせられました。誰とも共有できない時、大切にするのは自分一人で、誰にも触れさせないように大切に箱の中で保管する。けれど、宝物は周りの人に見せることで今まで知らなかった魅力に気づけたりもする。いずれの時もその宝物は過ごした時間と個人的な思いが集まることでその人らしさが生まれ、周囲を惹きつける輝きを宿すのではないでしょうか。

そうやって自分を見つめ直し、他者と繋がり合うことを繰り返す中で、心の中に燻らせた違和感を小さくしていけるのかもしれません。ユウさんにとってはそれがモデルという表現でした。人が自らの魅力を語りつくすことはできないかもしれないけれど、「好きなもの」と向き合うことを通して、自らの新しい一面を見つけ、他者と繋がり合う機会をまた一つ獲得していけるのだと教えてもらいました。


Interview : Asako Tomotani
Writing : Maki Kinoshita
Editer:Yuri Abo


REINGは「自分との関係性を、大切に築く人」が集まる場をつくっています。好きなものを、自信を持って“好き“と表現できる場所。“好き“で選んだ関わりが自身を紡ぐ強さとなり、世界をもっと鮮やかにしてくれるから。インタビューでは、自分自身と向き合いながら関係性を紡ぐ人たちの生き方を通じて、自分らしい“好き“を見つけるヒントをお届けしています。

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