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別れさせ屋になったきっかけ

別れさせ屋ってふつうに生きてたら接点がないし、なんなら存在自体が都市伝説みたいなもので本当にそんな職業あるの?というのが最初に浮かぶんじゃないかなと思います。

今回は、私が別れさせ屋になったきっかけと組織内部のことを、ゆるゆると徒然なるままに語る回です。これまでのように業者の選び方とか心理学とかについてお話するわけではないのでご注意ください。

私はプライベートではもちろん自分から仕事の話はしないのですが、友人の友人など私を知らない人と会って、仕事の話題になった時はめちゃくちゃ質問されますね。よく考えてみたら、目の前に幻獣がいるようなものなので当然の反応ですよね。

私も【別れさせ屋】という存在を知らない時期がありました。その存在を知ったのは友人から誘われたからです。友人が別れさせ屋でアルバイトをしていて、やってみない?と言われたのが別れさせ屋になったきっかけです。

もともと好奇心が強かった私は、リアルな人間関係を見ることができるというこの仕事を経験してみたくなったんですよね。
友人に教えてもらった会社に面接に行き、仕事の概要などを説明され、晴れて工作員として働くことになりました。

ちなみに面接の内容はぜんぜん覚えてないです。私も工作員希望の人を面接することがあるのですが、その時に確認するのは①清潔感があるか、②コミュニケーションが取れるか、③バックレないか(責任感をもって仕事に取り組めそうか)の3点です。

面接に来ている人は緊張していたり自分をよく見せようとするので、まず最初にアイスブレイクで緊張を解き、世間話を交えつつオープンクエスチョンを使ってなるべく相手に話をさせて見極めます、なので私のときもそうだったのでは?と思います。

工作員になったら研修などなく、いきなり現場に放り込まれます。一応、工作の流れとか依頼者と対象者の関係とかは連絡がありますが、綿密な打ち合わせはありませんでした。ポテンシャルで勝負みたいな感じです。さすがに初っ端から単独工作ではありませんでしたが、現場で空気感つかんで盗んで覚えろみたいな世界でした。

私が所属しているのは割と大きい組織なんですが、研修のようなものは一度も受けたことがありません。なので、他社さんも同じなのでは?と思っています。事例を共有してケーススタディにするくらいのことはやりますけどね。

なので工作員は工作のプロではありますが、心理学のプロではないという点だけ誤解しないほうがいいです。コミュニケーション力とか共感力が高いので懐に入り込むのは確かに上手です。ただし、それを言語化して誰もが再現できる形にしてと言われたらできないですね。

もし依頼する立場になって担当者と打ち合わせをするのであれば、工作の動きは確認したほうがいいですよ、過去の成功体験を元に工作を組み立てている場合もありますので。疑問に思ったことは質問して、毎回どんな工作を行うか理解すれば、空振りや失敗があっても納得できると思います


あと別れさせ屋になってわかったことは、スパイ映画に出てるくるような人はいないということ。イケメン・美女も当然いますが普通の人が多いですよ。なのでサムネイルのようなキャラはいません。

仕事の性質上、目立つって不利なケースが多いですし。イケメンや美女と急に知り合いになることがあったらこわくないですか?工作員は多めに抱えて適材適所で配置するイメージです。年齢も20代~50代まで幅広く、子持ちの主婦もいます。工作員になりたいという人はおおよそ3タイプに分けることができますね。

・人に興味がある人、知的好奇心が強い人
・劇団員、もしくは俳優を目指している人
・スリルを楽しんでいる人

良くも悪くも主体性をしっかり持っていらっしゃる方が多いので、工作員と依頼者さんと取り持つ工作担当者は思っているよりもハードな仕事です。工作担当者になったけど、精神的にしんどいので工作員に戻る人もいらっしゃいます。


ハードな面もありますが、現在までこの仕事を続けられています。外側からみたら批判や非難もあると思いますが、なぜこの仕事を選んで続けているのか。

その理由は、依頼者さんが幸せになってほしいというただそれだけです。なので私が面談をするときは全てのリスクをお話して、依頼者さんが後悔しないような選択ができるように気をつけて話しています

偽善者と言われれば否定する手段がないので、その通りですとしかお答えできないですね

依頼者さんのためという思考に至ったのは、リーガル・ハイで古美門 研介が言うセリフに多大な影響を受けています。

正義について黛から問われた古美門が答えます、
君が正義とか抜かしているのは上から目線の同情にすぎない。その都度目の前の可哀想な人間を哀れんでいるだけだ
それを否定したら正義とはどこにあるのか、黛がさらに問いかけます。
神でもない我々にそんなことがわかるはずもない。正義は特撮ヒーローものと少年ジャンプの中にしかないと思え。自らの依頼人の利益のためだけに全力を尽くして戦う。我々弁護士にできるのはそれだけであり、それ以上のことはするべきではない

ドラマの中で黛は自分が正義だと信じて動いていたのに、少し視点を変えただけで正義と信じていたものが揺らいでしまったシーンでのやりとりです。

これを見た時は衝撃でした。あまりにも見事なストーリー展開なので、まだ見たことがない方はぜひ見ていただきたいです。

誰かが言う正義とか価値観なんて絶対的なものはないし、自分が信じるものは自分が見つけないとダメなんだということを、この時に学びました

ですので、私はこれからも依頼者さんの利益を考えて行動していきます。本気で考えるので厳しいことを言うときもあります。共感してほしいとか、アドバイスは聞きたくないよって人には向かないかも知れません。ただ厳しい話をしても依頼者さんの人間性を否定しているわけではないことを理解してもらえると幸いです。


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