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月舟の途

本当に思っていると言うのはほんとうは

本当と思っていたいだけなのかしらと

己すら誠と信ぜられない酔いの言の葉

口にのぼれば刹那の煌めき宵に溶けゆく

紅い幻想に落つる伏目の奥は在りし月か

或いはとうに違えた月の許であるか

影刻々と移ろう雑踏に別つ背の途を

遠のく貴女を 





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