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溶解して凝固せよ #3

溶解して凝固せよ 97-03

人々のいつまでも増殖していく自己愛を眺めている。過去の自分自身について言い訳をすることのほうが簡単で、未来に対して誠実でいることの方がよっぽど難しいことなのだ、ということを感じる。

いや、わたしは快楽に見を投じることが悪いと言っているのではなくて、自分や他人と共に立てた約束に誠実でいられないことが善ではないと言いたいのです。つまり、例えば快楽主義のアリスティッポスと同じくらい信念をもって快楽を支配しそれに負かされないならば、それは自分自身との約束を果たしていることになる。
目の前の快楽に目が眩んで優先順位を損なっているヒトを見ては残念なきもちになって、自分もそのような状況に興じることがあるのだろうか、と想像してはとても不愉快なきもちになる。快楽に打ち負かされない自己、理性がくだした判断を、あいしている。し、あいしていたいのだ。

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