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6)新婚の私たちの部屋で、絡み合う夫と女

私が今いる、この部屋で、夫が女性と重なり合っている動画を、見る羽目になってしまった私。

体がフリーズして、思わず画面から目が離せなくなってしまっていたが、耐えきれずに、目を無理やり閉じようとしたその瞬間、画面の中にいた女性が、体勢を変え、カメラの方に向かって四つん這いに・・・!


夫と重なり合っていた女性の顔が、画面にしっかりと映し出される。


知らない女性だった。


いや、厳密には見覚えはある女性だった。


ーー夫の元カノだ・・・


ふと、夫のアルバムで発見した、ある女性の顔と重なる。

夫が私と付き合う前に、付き合っていたと言う女性の顔に、似てる…というかその人だ…と直感した。


頭の中で、過去の出来事がフラッシュバックする。

実は、私が彼と付き合い始めた頃、私は、誰かにストーカーされていた。

郵便物がなくなっていたり、無言電話がかかって来たり、嫌がらせのようなものが続いていたのだったが…

色々調べた結果、犯人は、彼と付き合っていた元カノだったことがわかり、彼の忠告で、一応はおとなしくなったかのように思えていたんだけど・・・


今、私の目の前で、夫と肌を重ねて、喘ぎ声を出しているのは、間違いなく、夫の元カノだった。


猛烈な吐き気とともに、涙がポロポロと流れ落ちていく。

衝撃が強すぎて、これ以上、見進めることができず、一時停止ボタンを押して、視聴を終了させた。


涙が次から次へと溢れ出て来て、体もガタガタと震え出してきて…今の、この状況から逃げ出したくて、苦しかったのを覚えている。

自分の夫と、他の女性が、この部屋で絡み合っていたなんて、信じたくはなかったし、そんな場所に一人でいるのは耐えられなかった。


バタバタと席を立ち、身の回りのものを、手近なバッグに詰めて、車の鍵を手にして、家を出る。


どう家を出たのか覚えていないし、鍵をかけたかどうかも覚えていない。

あれ・・・?パソコンの電源切ったかな・・・どうでもいいや・・・今は、何も考えたくない・・・


車にエンジンをかけ、出発させる。

ーー実家に帰ろう・・・

そう思い、車を発進させた、そのとき!!!


ガシャンッ


車は電柱に激突。ボンネットが開き、フロント部分はグニャリと歪んで、白い煙が立ち上がっていた。

車のシートに座ったまま、しばらく動けずにいた私。


そして、再び、大粒の涙が、頬を伝う。


事故をしてしまったから?

怪我をしたから?

車を傷付けてしまったから?




傷付いたのは、私。

大怪我をしたのは、私。


心に負った、大きな傷は、自損事故によって、さらに大きく抉られ、レイナの心を深く傷つけた。


ーーどうしよう…


事故を起こしたのは、初めてで、何をどうしたらいいのか、さっぱりわからない。


保険会社に連絡するの?

ディーラーに連絡するの?

あ…どっちも連絡先、知らないや…


ーーどうしよう…


連絡するあてもなく、途方にくれた私は、今、一番連絡したくない相手に、連絡をせざるを得ない状況に陥ってしまった。

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