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多分私の理想の彼氏像


私が大学時代にお付き合いをしていた、2歳年上の黄金色の肌のテニス部の彼。

出会いは私の大学の学祭。私に会いに来てくれた男の人の友達。大学の学祭っていわゆるナンパばかりで女の子に声を掛けて歩いている他大学の人がたくさんいた。彼も同じだと思った。

「お姉さん可愛い、LINE交換しようよ。」
「私以外の女の子にも言ってる人にLINEは渡しません。」

そう言った私に彼は強引にLINEの通知を見せた。

「誰とも交換してない。お姉さんにしか声かけてないよ。」

それが彼との出会いだった。そこから少しずつ話して会っていく中で付き合うことになった。

彼は一言で言うと良い人。本当に純粋で誠実な人。そんな言葉がよく似合う人だった。ノリは合うし、何にもない日に私の笑顔が見たいという理由だけでサプライズをしてくれる人。

その人と別れた理由は全部私の我儘のせい。それでも受け止めてくれた。受け止めた上でやっぱり私のことを好きだと思い続けてくれた。そんな彼と最近一緒に映画に行った。

たわいのない連絡をとっていた。

「三連休何するの?」
「何にもないけど土曜日あたり、映画見に行きたいんだよね」
「俺東京リベンジャーズめっちゃ見たいんだけど」
「それは残念、私が見たいの違う映画だ。」
「何が見たいの?昼過ぎに待ち合わせしようよ」

こんな感じに、映画に行くことが決まった。待ち合わせは11時。
「映画の前にご飯食べに行こう」とだけ伝えられ集合した。会うのは約2年ぶり。
待ち合わせ場所に立つ彼は、何も変わらない、あの時のまま。その日のプランは集合時間と映画を見ることだけしか決まっていなかった。

「どこにご飯行く?何食べたい?」

「一応調べてきた。和カフェかピザ屋さんどっちがいい?」
事前にリサーチしてくれていた場所はどちらもInstagramで紹介されるおしゃれなお店だった。彼は和カフェの方に行きたいと惹かれているのだろうなと思った。

「和カフェの方に行きたいんじゃないの?そっち行こうよ」

そういう私に嬉しそうな表情を見せてくれた彼。

「え、カフェの方がいいの?!俺もなんだよね」

彼の考えることは手に取るように分かる。何度も深夜にコンビニ買い出しに行きお酒を飲んだことか。夜中に来る「お酒飲みたくない?!」のタイミングがすごく合う気の合う彼だ。

映画を見終わった後にも話が盛り上がった。別れてどうしてたのか、仕事の調子はどうなのか。彼は私の話に丁寧に相槌をうちながら笑顔で話を聞いてくれた。

「俺らやり直そう。今ならうまく行くと思う。」

彼の言葉にすぐに頷けなかった私は多分この先も後悔すると思う。

タイミングや価値観が合い心地のいい彼との未来になぜ私は期待を持てなかったんだろうか。

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