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開催レポート4「10代のうちから知っておきたいお金の話 〜大学選びと就職活動〜」

こんにちは。れいこう麗澤会では1月16日〜20日にかけ、オンラインキャリアトークという無料のキャリアイベントを実施しています。今回は1月17日(日)に実施した「10代のうちから知っておきたいお金の話 〜大学選びと就職活動〜」の開催レポートをお送りします。なおこの記事は、大学生サポーターの<オダアキコ>さんが執筆してくださいました!

講師紹介 

関口 順さん
 2003年に麗澤高校国際コースを卒業、同年に青山学院大学 法学部に入学。
 2007年大学卒業後は、金融に興味を持ち、証券会社で株式や債券のブローキング業務、その後は食品メーカーや監査法人にてM&A業務に携わっている。

話の内容

 「大学受験」と「就職活動」は人生での2大イベントであると言える。
 社会人となることを便宜的にゴールとすると、このゴールであるステージでは、経済的にいくらあれば自立できるのか?
 働く会社によってもらえるお金に差はあるのか?
 さらに、卒業する大学によって、将来稼げるお金に影響はあるのか?
 そして、中学・高校であるいま、何をすればよいのか?
 今回の講演では以上の点について言及する。

①いくらお金があれば経済的に自立できるのか?

労働組合のデータによると、25歳で東京で「普通の生活」をするには、月に25万円、年間で300-320万円が必要と言われている。この25万円をアルバイトで稼ごうとすると、週5日・1日7.5時間働くならば時給1,600円程必要である。しかし、現在の東京の平均時給では難しい。そのため、大人は大学卒業後に会社で働こうと考えるのである。
 次に30代のデータによると、年間650万円が必要であると言われている。(条件:パートナーがいて子供が2人) さらに50代になると年間960万円が必要と言われている。
 それだけでは無く、人生には様々なイベントがある。特に支出が大きいのは、結婚費用や教育資金、住宅購入費といったものである。そのイベントごとにさらにお金が必要となるのである。
 また、日本は世界に比べ、経済力と子供の有無に強い相関関係がある国となっている。
⇒以上のデータから、夢を追いかけながらも、お金は大切である。
…大人は大学卒業後に、お金を手に入れるために働く。では、その働く会社によってもらえるお金に差はあるのだろうか?

②働く会社によってもらえるお金に差はあるのか?

前提の情報として、日本は約420万の会社があり、その99.7%が中小企業である。しかし、大企業は働いている人が多いため、社数が少ないにもかかわらず、人数は全体の30%を占めている。以降はこのデータを頭において理解してほしい。
 国税庁のデータをみると、会社の規模が大きいほど年収が上がっているのである。つまり、会社の規模と年収には綺麗な相関関係があることがわかる。では、業界によって差は生じるのであろうか?
 東洋経済オンラインのデータをみると、外れ値はあるものの、年収は900万円もの差があるとわかる。
 さらに、会社の規模と業種を比較した東洋経済オンラインのデータを見ると、生涯年収は5倍もの差がつくこともあるということがわかる。
⇒以上のデータから、働く会社によってもらえるお金がかなり違うということがわかる。ただ、理解していただきたいのは、この業界が良いということを伝えたいのではない。以上のデータを理解した上で、就職活動をした方が後々後悔することが少ないのではないかということを伝えたいのである。
…働く会社に就職するために、世の学生は就職活動をする。では、卒業する大学によって差は生じるのであろうか?

③卒業する大学は将来稼げるお金に影響するのか?

 端的に言えば、高学歴であればあるほど稼げる。
 ある口コミを集めるサイトのデータでは、30歳時の年収は高学歴である程、高収入であることが示されている。なぜ大学で差が出てしまうのか?
 それは、就職活動に影響するためである。就職活動では、入社試験である書類審査・筆記試験・面接試験を受け。この試験に突破したものが晴れて就職できる。
 この試験の第一段階である書類審査で重要となることが、学歴である。現在、昔に比べて子供の数は減少傾向となっているが、人気である企業の倍率は依然として高い。そのため、企業は過去の採用実績から分析し、学歴フィルターにて選抜するのである。
 この学歴フィルターは、平均的にMARCH以上に設定していることが多い。さらに大手企業となると、早慶上智 以上となる。
 しかし、学歴フィルターが全てということではない。学歴が無くとも。英語が抜群であるなどの秀でた特技があれば、学歴フィルターを突破できることもある。
⇒以上のデータから、卒業大学は将来に影響をする。そのため、可能な限り上位の大学に進学することが望ましいのである。
…より良い大学に入学することが、将来に影響をする。では、中学・高校の時に何をすればよいのだろうか?

④中学・高校で何をすればよいのか?

1.将来何をしたいのか。
2.目標がある人は、達成に向けて行動する。
3.目標がない人は、MARCH以上の大学に進学する。そして、大企業位に入ることを借りのゴールとする。
…ではMARCH以上に入学するために必要なことはなんだろうか?
 吉越 浩一郎さんはTTP(徹底的にパクる)ということを行ってきた。目指している人の行動や考え方を徹底的にパクるのである。
 この言葉から、学生さんには“このような先輩になりたい”という方に話を聞いたり、勉強法や戦略などを聴いたりしてほしい。できるだけ多くの情報を集めた上で、自分に合う方法を選ぶのである。

⑤最後に

皆さんには、決断をする時に「投資」するという間隔を持ってほしい。「投資」とは、将来の見返りを期待して、今お金などの資源を使うことである。皆さんに当てはめると、たくさんある時間を投資して、将来自分が何をしたいのかに費やすということになる。将来後悔しないために、今から考えてみてほしい。
 また、自分が何になりたいのかをしっかり考えてほしい。働いてから感じることは、本当に若いときの時間はすごく貴重である。そのため、大切にしてほしい。

こんな質問がありました

Q:5回転職をした理由は?
A:途中で自分のやりたいことが変わったため。
 トレーラーやディーラーに憧れていたが、落ち着いて分析をする仕事に興味を持つようになった。

Q:大学在学時に受けた英語の授業の、担当の先生に紹介されたという本の名前を教えて下さい。
A:「日本はアルゼンチンタンゴを踊る日」

Q:どのようにすれば学歴社会を乗り越えられると思うか。また、どのような能力が必要であるのか。
A:まずは、学歴フィルターに引っかからないようにすること。ただ、乗り越えられなくても、なにか秀でた特技があると良いと思う。
 例えば、言語力やコミュニケーション能力。“この人と働きたい”と思わせることが大切。

Q:自分のやりたいことは決まっているが、そこからどのようにすればよいのかわからない。その時に大学のことを調べればよいのか?
A:やりたいことが大学に関わることであれば、持っている時間をすべて大学入試に使うべきであると思う。

Q:就職時に理系・文系で有利不利はあるのか。
A:自分はあると思う。選択肢を広める点では理系のほうが良いと思う。文系では、研究職になることはできない。さらに、数学力を必要とされることが多い。

Q:大企業から小企業に移動した理由は?
A:良い仕事は高学歴の人が多く、自分の学歴では食い込むことが難しかった。社内移動も考えたが、叶えることは難しいと考え、移動をした。

Q:日本では生きにくいと思った。どう思うか。
A:自分はむしろ日本はフェアであると思う。勉強するほど評価されやすい国である。しかし、生活環境は良いが、働く環境はよくないと言われていた。その環境がコロナウイルス感染拡大の影響により、大きく変化し働く環境が良くなった。そのため、実は日本は良いのではないかと思う。

Q:英語力はどのように鍛えたか。
A:その環境に自分を置くこと。あるいは、Skypeを使ったものなども良いのではないか。また、どれだけ多くの単語を知っているかが大切であるので、大学入試やTOEICなどの座学がとても良いと思う。

Q:転職するときの基準は年収以外になにかあるか?
A: 自分の将来の選択肢を狭めるのか、増やすのか、ということを考えることが大切だと思う。

Q:今後伸びる会社であるのかは、どのように見極めるのか。
A:見極めることは本当に難しい。そのため、最初は大きな会社を選ぶと良いのではないかと思う。

Q:資格で持っていると良い資格は?
A:何をやりたいかによる。TOEICの値はどの会社でも見られることがあるので、取っておくと良いと思う。どのような資格でも、取ったものを客観的に証明することができるため、自分のやりたいことと重なることであれば、取っておいて損はない。

Q:優先すべき科目は?
A:社会に出てから使えるのは、英語や数学。

Q:誘惑についてはどう考えるか。
A:何歳になってもついてまわる物だと思う。大人が誘惑に勝っているというわけではないのでは?工夫として、極力自分の手の届かないところに置くと良いと思う。

感想・まとめ

 私は今まで、漠然と“高学歴であることは良い“と考えていました。ですが今回の講演で、様々なデータを実際に拝見し、何のために良い大学に入るのか、何のために大学受験を頑張るのか、を理解しました。
 また、大学受験をする学生の全員が、将来の具体的な目標を持っているわけではないと思います。”とりあえず受験をする” “良い大学に入ると良いらしいから”といったような理由で受験をする人が、少なからずいるのではないかと思います。そのような学生さんに、是非聞いてほしい、そして今頑張る意味を理解してほしいと思う講演でした。実際に、大学生である私も、受験生である時に聴講したかったなと感じました。
 素晴らしいお話をありがとうございました。

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