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美しい帰結あるいは輪を描いたようなコーチングについて

コーチングをしていて喜びを感じるのは、「輪」を描いたような展開になったときだ。
例えばクライアントが悩みを持っていたとする。その悩みの裏側にあるクライアントの願いがなんなのか、そこにスポットを当てた問いかけをする。そうするとクライアントが自分が大切にしていることを話し出す。話しているうちに当初の悩み解決に関するテーマはいったんクライアントの頭から離れていく(私の方は頭の片隅には置いてあるが、そこには光を当てないように努める。これが本当にコーチングを始めた当初は難しかったのだが)。
で、対話が続く。クライアントが自分の大切にしていること、想い、願いについて様々なことを話す。コーチの私は問いかけ、共感を重ね、クライアントと共に居続ける。
そのうちに、置いておいた最初の悩みの解決につながるような気づきに至る。
「なんだ。結局、そういうことだったんですね」
ということになる。ぐるーっと一周回って、結局は答えがクライアントの中にあることに本人が気づく。そうなってくるとセッションは終盤だ。そういうことが起こるときは話している時間が短く感じる。クライアントと一緒にびっくりしたりする。
輪を描くと書いたけれど、輪でありながらも完全に元に戻るわけではない。グルグルとらせんを描くコイルのようなもので、正面から見ると輪なのだが、その輪は幾重にも重なっていくイメージだ。それが人間の深みや前進につながるのかもしれない。
私はそんなコーチングが好きだ。
直線的に目標に向かってその障壁を乗り越えていくために戦略を考えるコーチングも面白いが、ぐるーっと回って「ああ、そういうことか」とクライアントが気づくとき、美しい帰結を感じて心からワクワクする。
たくさんの輪が調和をもたらすよう、今日もコーチングを重ねていく。


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