第1回 新陰流に筋トレは必要か

東京で新型コロナウイルス感染症の感染者が激増したため、普段稽古会場として利用している品川区、大田区のスポーツ施設が利用休止になりました。期間は品川区の施設は4/1~5/6、大田区の施設は4/1~4/30。
4月中は定例稽古、拡大稽古ができなくなりました
これだけ長い期間使えないのは初めてなので、自宅でできる練習をあれこれ考えて今週から実行に移しています。場所が多少狭くても工夫すればできなくはないですが…
感染症で苦しい思いをされている方々が一日も早く快癒され、疫病が早く収束することを祈っています。

「筋トレは不要」と思っていた頃

初回のテーマは、いま最も興味を持っていることを選びました。
自分が新陰流をはじめたのは28歳の時で、当時「新陰流に筋トレは不要」と言われた記憶があります。
筋トレなぞすると身体が硬くなり、「身体全体を使った柔らかい動き」ができなくなる、というのが理由でした。
今は筋トレに関する詳細情報もたくさん公開され、ムキムキマッチョになりたい者だけがやるトレーニングではない、という理解が浸透しましたが、昔はまだこのような考えがありました。

結論から言うと、「一定の年齢に達したら必要」と思っています。
一定の年齢の基準は「足腰が衰える頃」。

新陰流のお稽古仲間には若い方から高齢の方(います)まで、様々な年齢の方がいらっしゃいます。
当流では新陰流の補助教習として制剛流抜刀術を教習内容に含めていますが、中高年になると「膝が痛い」「腰が痛い」から抜刀術はできないんです、または止めます、と仰る方が多かったです。
若い頃の自分は「そんなものか」と何となく受け止めておりましたが…

異変

44歳の誕生日が来た頃、長時間のデスクワークで一息ついて休憩しようとしたら椅子から立てない、という事象が発生しました。足腰は特に痛まないのに力だけが入らない。
この頃から制剛流抜刀術の全ての型を2セット続けて練習すると足腰が痛んでできず、1セットこなすがやっとというレベルにまで落ちました。以前は2セットは平気で練習できたのですが。

2017年5月のお稽古中、左腿に強い痛みが走って正しい構えや動きができなくなりました。

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左足に全体重をかけて左足だけで立っても痛くないのに、車の構え(写真②)のように身体の中心軸が左足から離れ、左踵に重心を置く姿勢を取ると強烈に痛い。

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また制剛流抜刀術では、左膝を少しずつ起こしながら後ろに下がっていく動作(写真③)などは、左腿が痛すぎて膝を起こせません。
この時はかかりつけの鍼灸師に治していただきました。

筋トレを試す

一昨年あたりから筋トレに関するwebサイトや書籍の情報を目にする機会が増え、自分なりに情報を集めて調べてみました。
加齢による筋力の衰えは筋トレである程度カバーできる、とあり、お稽古中に感じている足腰の衰えを改善できるか試すつもりで実行してみることにしました。

効果はありました。小休止を入れながらやっとこなしていた制剛流抜刀術の全ての型を、小休止なしで1セット続けてできるぐらいには回復しました。また新陰流の型の練習でも、足運びが微妙に重かったのが綺麗になくなり、体捌きが心持ち軽くなりました。

お稽古をしていれば足腰を鍛えることはできますが、それができるのは毎日ではなく週末の2日程度です。2日間で鍛えた筋力は平日の5日間ですぐに落ちてしまい、さらに加齢の衰えも加わってどんどん弱っていきます。
弱っていくスピードを少しでも遅くするため、現在は平日に筋トレをしています。

結論

筋トレも正しく理解して適切な種目を選択すれば、ある程度の効果は見込めます。
長くお稽古を楽しみたいのであれば、自分の体調に合わせたメンテナンス方法を取り入れていくことは必要、というのを(今更になって)実感しています。

ちなみに、平日にやっている筋トレは↓の本に載っている種目ですが…指導の先生がQ&Aで「上級者向け」と仰っているだけあって相当きついです。補助なしだと3回がやっと。補助があれば10回は何とかいけますが…

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