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災害を起こす土と災害リスクへの備え~しぜんのかがく7月ep.04 防災豆知識~50ミリ、100ミリの雨はどのくらい?

(タイトル写真 出典:新庄河川事務所ホームページ 広島県広島市安佐南区八木地区(平成26年8月)の写真を改変)

土砂災害について

土が関わる災害としては土砂災害があります。最近の大雨では土砂災害も多いですね。
令和5年6月初めの台風2号の災害で亡くなった方(1人)は、浜松市で土砂崩れで亡くなりました。

土砂災害には種類があります。「がけ崩れ」「地すべり」「土石流」があります。

写真提供:国土防災技術株式会社

災害を起こしやすい性質を持つ土

災害を起こしやすい性質を持つ土もあります。
1.砂‥シラス台地って聞いたことありますか?九州に行くと白い大地がよくあるのがわかります。南九州(鹿児島など)の方言で白い砂をシラスと言います。火山噴火でできた砂で水を多く含むと崩れやすい性質を持ちます。

名古屋市港防災センター企画展「土からわかる防災のお話」より抜粋

2.前回紹介した花崗岩も風化すると「まさ土」という脆くて崩れやすくなり、雨水で流れてしまいます。

名古屋市港防災センター企画展「土からわかる防災のお話」より抜粋

3.粘土も前回紹介しましたが、粘ったり膨らんでドロドロになると滑りやすくなります。粘土が地面の隙間に地層として溜まっているとそこから地滑りが起こるんです。

名古屋市港防災センター企画展「土からわかる防災のお話」より抜粋

4.火山灰も粒が細かいので、水が地面にしみ込まなくなり、流れてしまいます。

名古屋市港防災センター企画展「土からわかる防災のお話」より抜粋

ではどう災害を防げばいいのか?私たちができること

土砂災害が起こりやすい場所、起こるかもしれないという情報を知ることです。

1.土砂災害警戒区域を知ろう。
警戒区域は、地形で急な坂や崖があるところを示しています。土砂災害防止法により平成十三年から指定されています。ハザードマップにも掲載されています。

気象庁 リーフレット「土砂キキクル(大雨警報(土砂災害)の危険度分布)の活用 ~土砂災害から命を守るために~」から抜粋

2、土砂災害警戒情報を知ろう
警戒情報を出す際には、土壌雨量指数といって、水がどこまでたまったかというタンクモデルを用いています。土砂災害のリスクは、雨が浸み込んで土壌中に溜まる水の量の基準(土壌雨量指数)があり(地域により異なる。また、地震が起こると地盤が基準脆弱になっていることから基準が下がる)、その予測値と60分間の積算雨量の値が基準以上になると予想された時点で発表します。大雨警報(土砂災害)の時点で高齢者等は避難開始、土砂災害警戒情報が出るときには避難を開始してください。※警戒情報を待つことなく、それまでに避難すべきと自身で判断した場合は早めの避難をお勧めします。

気象庁ホームページより

<<防災豆知識3>>50ミリ、100ミリの雨はどのくらい?

報道で知る雨の量「ミリ」とは?どのくらいの雨でしょうか。実は、市町村、気象庁などが設定した雨量計に1時間かけて溜まった水の量です。(1平方メートル四方の範囲に1ミリの厚さの雨=1リットルの量になります。)
 名古屋では2000年東海豪雨が大きな被害があり、1時間97ミリの雨が降りましたが、近年は100ミリを超えることも多くなってきています。
30ミリくらいから危険な状況になりますので、安全な場所にいるようにしましょう。

気象庁

⭐️Podcast本編はこちら↓宜しければお聴きください♪
神田沙織 がりれでぃ スピンオフ
ナチュラル・サイエンス・ラボ
しぜんのかがく


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