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しぜんのかがくep41(4/12)〜3月に能登半島被災者支援ボランティアに行ってきました。
2024年1月1日の能登半島地震では家屋の倒壊や土砂災害、火災、津波、液状化現象などにより、死者が200人を超える(3/19現在241名)など甚大な被害をもたらしました。今回震災後約2ヶ月経った3月9日に被災地支援ボランティアに行ってきました。以前のep.31の回でもお話ししましたが、現在は災害サイクルでも「慢性期」。被災地の復興がやっと始まった時期で被災者の方の家の片付けなどに一般のボランティアが必要とされます。今回、能登半島の石川県七尾市野崎町に行ってきました。
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能登町は1月1日に最大震度6強となりました。
最初に目にしたのは傾いた電柱、隆起したマンホール、1階部分が潰れた家、地割れ、墓石や寺の灯籠の崩壊、ブロック塀の倒壊など、やはり実際に自分の目にするとやはり本当のことであるという思いと地震のエネルギーの大きさを感じました。この場所は地域住民の協力で死者はいなかったとのこと。チェーンソーなどで地域住民が家屋から助け出したそうです。
七尾市は倒壊家屋が多く、全壊が8795棟、半壊が18761棟(3/19時点)となっています。
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七尾市は電気は比較的早く復旧したようですが、まだ断水が続いています。(3/19時点も同様)
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今回Iさんのご主人のご実家の片付けをしました。納屋が傾き食器棚などが倒れていました。
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5〜6年前亡くなった大正生まれのお母様が住んでいた家。いつもお正月は親戚で集まっていたそうで、今年1月1日はたまたま今のお住まいの金沢にご親戚が集まっていたのでご家族の被害はなかったそうです。
私は最初に奥様と一緒に納屋の倒れた食器棚の片付けをしました。女性と一緒に片付けたいというご希望でした。お話を聞くと私と同世代の娘さんがいるとのこと。初対面でも一気に打ち解けました。大人数の親戚や家族で使っていた食器や祝い事ごとに揃えられたお重、娘さんが赤ちゃんの頃着ていた小さな女の子の衣服、ベビーウォーカー、ベビーチェアやおもちゃなど、大切にされていた娘さんの思い出と共に私も懐かしさを感じました。
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また、傾いた蔵や納屋からは大きな木桶や牛がひく犂(すき)などは一家の歴史を垣間見たように思いました。
お昼は能登豚のサンドイッチ。地元のものを頂くのも支援になります。
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休憩時間にはポットの暖かいお茶とたくさんのお菓子を頂きながら、能登の自然について話を伺いました。潮が引いた後は能登島から松島までの道は歩けること。歩く道すがらの海鼠(なまこ)や貝など海の幸。鮑(あわび)や天草(てんぐさ)を潜ってとった日々。高台から見える立山連邦など、ご夫婦の大好きな野崎の自然の美しさを教えていただきました。
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また、霰やボタン雪、吹雪、その合間の晴れ間など目まぐるしく変わる天候の中での野外作業で、厳しい北陸(能登)の冬の厳しい自然も体感しました。
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こうやって話すこと、若い人たちが来てくれることが私たちはエネルギーをもらえる。ご主人の「心いっぱい、胸いっぱい」奥様の「お手紙を書きたいくらい」と言う言葉が印象的でした。今回仲間たちがいたからこそ、午前中には目的の作業を終えることができました。
午後は仕分けや積み込み作業をしながらご夫婦のお話を聞き、お互い心の元気をもらう。地域の人が行き来して声掛け合う姿を目にする。私はこれが本当の「共助」ではないかと思いました。
片付けして分類した家の思い出のモノたちが今回は廃棄場の都合でそのまま残すことになったのですが、それが無くなってしまう場面には出会えませんでした。
災害は人の命だけでなくその土地の記憶と記録を失う。もしかしたら地震がなければこのモノたちはもう少し残っていったかもしれない、ご夫婦は大切なものを選ばれて残されていましたが、あまりに少ないようにも感じました。もしかしたら残すべきものがあるかもしれない、それがわかる目を私が持っていればという想いが一瞬心をよぎりました。
時代もわからないほど古いお皿があり眺めていると奥様から持って帰っていいと言われ、今回一欠片でも持って帰ればよかったと少し後悔しています。
被災地ボランティアは被災地を助けるだけではない、自分自身が学び持ち帰るものはとても多いと感じました。
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防災ひとこと
「行ってきます」「ただいま、戻ってきました」の言葉を大切に。被災地への支援の手、支援の視点はこれからも長く。忘れないように。
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神田沙織 がりれでぃ スピンオフ
ナチュラル・サイエンス・ラボ
しぜんのかがく
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