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メンタルヘルスとの向き合い

 大坂なおみ選手が全仏オープンを棄権して、うつ病を告白した。彼女のような社会的影響のある人物が、メンタルヘルスについてシェアすることは非常に重要なことだ。

 私は1度、20代の時に鬱病になった。意外だと言われるのだが、私は言いづらいことを他人に言うことができない、「いい格好しいの八方美人」なのだ。相手に嫌われるよりは、自分自身をも「私は平気」と欺くことを選び、ストレスが身体に出るまで気付くこともできない。あからさまに機嫌を悪く見せたり、何かしら感情を発露させれば、相手に伝えることができるのだと思うが、それすらできない。20代の頃は、病院に行ったが、周囲にも言えず、病院から仕事を休めと言われたが、完全に無視し、毎朝8時半に出社して夜中吐く、眠れないを繰り返していた。その頃は、自分が鬱だと認めることもできなかった。3.11が起きたことも影響し結局、自分でリカバリーしたのだが、私の自分自身のストレスと向き合えない、という性格は変わっていなかった。

 今回は、まず帯状疱疹で、ストレスはその形を見せ、その直後、流産をしてしまった。待望の子供だったので、正直かなりのショックを受けたが、夫や家族のおかげで、精神的には落ち着いてきた気がする。ただ、明らかに自分でも眠れないことに気付いていたのに、うまくコントロールできなかった半年を振り返って、自分がストレスマネージメントをいかにできていないか、気づいた。

 アメリカ人の友人に聞くと、日常的に夫婦でのカウンセリングや、メンタルトレーニング、カウンセラーに通っているという人が多い。日本人の自殺率、そして10人に1人が鬱病という数字を考えると、日本にこそ必要なものだと感じるが、まだまだ理解も少ない上に、私自身以前行った病院で効果を得られず、日本の圧倒的遅れを感じた。メンタルヘルスは、日本において、心の病や個人の問題と捉われがちだが、実際には組織、社会の問題でもある。

今回自分の経験をきっかけに、いろんな文献に目を通してみたが、外資系企業の多くが業績向上のために、組織としてメンタルヘルスと様々なステップと方法と取り入れ、取り組んでいることを知った。マネージメントの大きな仕事の一つとして、チームのメンタルヘルスの維持が評価対象として存在している。

人間であることはストレスとの戦いであるが、一般人が個人で向き合うのには限界がある。社会・組織として、取り組んでいかなかければ変わっていかない。私自身も、同じことを繰り返したくないので、変わっていこうと決めた。


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