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自閉症の長男、中学校に行くの話②

無事に小学校を卒業した自閉症を持つ長男。

今度は、中学校という大きな環境の変化に立ち向かうことになる。

大幅な環境の変化に加え、2クラスずつしかなかった小さな小学校から、市内で2番目に生徒数が多いマンモス校へと行くことに私自身が不安だった。

この中学校には、同じ小学校からは息子ともう1人の男の子の2人だけだった。

知っている人がいないのは、ただでさえ不安なはずだ。

支援学級を選んだ息子は、入学式の前日に練習をする為に親子で中学校へ行くことになった。

担任の先生と初めて会い、クラスメイトにも会った後に、入学式の流れを体育館に行って確認をした。

「明日、元気に来て下さいね。」
と、先生に言われ、解散となった。

緊張した顔をしていたが、特別変わった様子はなかったように思ったのだが、車に乗ったと同時に顔が曇り、涙が止まらなくなった息子。

何の涙だろうか?

不安や緊張が入り混じった涙の他に何か考えられるだろうか?

頭の中でいろんな事を考えた。

こういう時に上手く言葉にすることができないのが息子だ。

「どうした?」

泣くばかりで返事はない。

その後、家に帰ってからも涙は止まることはなかった。

泣くだけ泣いて、心が落ち着くのならいいのだけれど、きっと、明日のことが不安で泣いてるのだから、スッキリするはずがない。

「大丈夫だよ!」
と、何回言ってみても、涙する息子。

ここは、乗り越えてもらうしかない。
親にできることは限られていて、こんな時はどうすることもできない…

入学式に出ないといけないこともわかっているから、余計に自分がもどかしいのかもしれない。

何もできないまま、入学式当日がやってくる。

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