見出し画像

【データから徹底考察】海外旅行保険はクレジットカードだけで大丈夫か

海外旅行に行くときには保険で毎回悩みますよね。クレジットカードで済めば本当に安上りですが、実際は不安も大きいのではないでしょうか。今回はデータから読み取って皆さんに有益な情報を提供します。

海外旅行保険はクレジットカードだけで大丈夫なのか


結論から発表します。

「65歳以上の方、高血圧や糖尿病など循環器系の疾患がある方、危険なアクティビティをする方」

アメリカに行く場合のみ民間の保険会社に加入しましょう。それ以外の国はクレジットカードでも十分な可能性があります。


「海外旅行頻度が5年に1回以下の方」

カード発行がめんどくさくないなら基本クレジットカード


「長期もしくは頻繁に海外に行く方」

クレジットカード一択

これは実際の事故データから読み取った結果です。

ほとんどの方がクレジットカードで十分。もちろん、高額にはなりますが民間の保険会社の商品は徹底した補償が付いているので、アメリカに行く&急な循環器系の疾患リスクがある方はこちらも検討した方が良さそうです。


海外旅行保険のデータから読み取る真実

画像1

まず、基礎知識の再確認をしたいと思います。

以下の補償の中で、一番重視すべき補償はどれかご存じでしょうか?

・傷害死亡

・傷害・疾病治療費用

・救援者費用

・賠償責任補償

・携行品損害補償

・航空機寄託手荷物遅延費用

・航空機遅延費用

答えは傷害・疾病治療費用になります。

「えっ、一番大事なのは死亡の補償でしょ!?」

と考えがちですが、これは日本で生命保険に加入していれば渡航中でも補償の適応になりますし、やはりここで守るべきは海外渡航中特有のお金の損失でしょう。

しかも外務省のデータとしてもここ10年間の海外出国者の死亡率は0.0025%~0.0032%を推移しており、極めてまれです。

それでは次に傷害・疾病治療費用をみていきましょう。


ジェイアイ傷害火災保険株式会社のデータから読み取る

ジェイアイ傷害火災保険株式会社による2019年度調査

【事故内訳】

事故発生率:4.14%(24人に1人)

携行品損害26.9%

治療・救援費用47.8%

旅行事故・緊急費用20.4%

保険請求があった内訳をみると、一番多いのが治療・救援費用になります。

次いで多い携行品損害ですが、これは結論がはっきりしており、プロのカメラマンのような高級機材をもっていかない限りクレジットカードの付帯で十分です。

【高額医療費用】

300万を越える割合は全体の1%にも及ばす、しかもそのうち65歳以上のシニア層が54%を占めている。

内訳は転倒、脳卒中、心疾患、肺疾患

2018年度は治療・救援費用保険金支払額1,000万円以上の高額医療費用事故が11件発生(2019年は公表なし)

このデータを解析してみましょう。

ジェイアイは広告にて年間100万人を超える加入者実績と公開しています。つまり、1,000万円超えになる可能性は11÷1,000,000=0.00001 

これは1,000万回旅行に行って1回遭遇する確率です。

あなたが65歳未満の場合だと、1000万円を超える医療費請求事故に遭遇するのは2,000万回の旅行に1回の確率です。

また、「治療・救援費用」の保険金支払いが300万円以上の高額医療費用事故の2018年度の発生件数は47件となっています。

これも計算してみましょう。47÷1,000,000=0.00005(四捨五入済み)

つまり200万回に1回遭遇する確率となります。

これもあなたが65歳未満であれば300万円を超える医療費請求事故に遭遇するのは400万回の旅行に1回の確率となります。

まとめましょう。

あなたが65歳未満の場合、

1,000万円以上の治療がかかる可能性は2,000万回の旅行に1回。

300万円以上の治療がかかる可能性は400万回の旅行に1回。

この結果から言えるのは、高額な請求はものすごく稀ということです。


外務省のデータから読み取る

疑うわけではないのですが、ジェイアイは海外旅行保険を扱う民間の保険会社です。公表するデータも母数が省かれたデータになっており、不安を煽りやすい傾向にあります。しかも、ジェイアイを利用した方のデータのみ。クレジットカード勢のデータは反映されていません。

そこで外務省からデータをもってきました。

画像2

なんと2019年には2008万669人もの方が海外に渡航していますね。

そのうち負傷で援護を受けた方は338人。

338人÷2008万669人=0.00002(四捨五入済み)

つまり500万人に1人の確率で負傷による援護を受けています。

これすなわち、

外務省のデータからみても援護を受けるほどの事故はやはり500万人に1人という稀な確率ですね。


もし数百万人に1人の確率で高額医療費事故に遭遇したら人生終わるのか

画像3

今までのデータからみるに、治療・救援補償額は300万あれば基本は十分だということがわかりました。しかし、ものすごい低確率ではありますが「もしも」があり、人生に終わりを告げる額を請求される可能性は0ではありません。私がいくら300万以下の補償で大丈夫と言っても、「もしも」があった時には責任はとれません。

対策として、

アメリカに行く場合にだけ「もしも」に気を付ければ大丈夫です。

その理由は、先進治療が進んだ国、すなわちアメリカは異常な治療費を請求してきます。

盲腸手術300万の決まり文句もアメリカの話です。

次の表をみてみましょう。各国の盲腸手術にかかる参考費用です。

タイトルなし

ちなみに日本での治療費は30万~60万。

300万を超えるのはアメリカだけです。

そしてあまり知られていませんが、例え海外旅行保険に全く加入していなくても上記の額をまるまる支払うわけではありません。

海外療養費制度を申請することにより、「日本で治療を受けた場合の費用」の7割が返還される制度があります。

画像5

出典:https://www.kenporen.com

すなわち、日本と治療費が大きくかけ離れてた国でない限り、人生が終わるような治療費を負担することはありません。そしてクレジットカードによって300万の補償を用意しておくことでより安心に近づくわけです。

さらに、クレジットカードには死亡、後遺症以外の補償で「合算」する技を使うことができます。これによってだいぶ強化することができます。

しかし、冒頭で説明したとおり循環器系のリスクを持った方や危険なアクティビティをする方は1千万越えのリスクが浮上してきます。そのような方は治療・救援補償無制限の民間の保険会社の加入を検討した方が良さそうですね。


最後に

いろいろとデータを出してきましたが、不安によって旅行の楽しさが半減してしまうのであれば、料金はかかりますが、おもいきって民間保険の「おすすめ」に入るのも全然ありだと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?