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タイトル@世界.com

本格的に夏が到来。駆け足で日本を熱波で包んでいきましたね。水面下で南海トラフの噂も流れ、まるで世界の終わりが夏の終わりと同時に来るのかとも思われ、永遠がそうではなくなる可能性も秘めた特異な夏ですね、今年は。台風10号「サンサン」も予想出来ない動きばかりで。

はじめまして、色々なところで色々な名前を名乗りすぎてこういう初場所で何と名乗ればいいか迷います。
普段は映画を撮ったり写真を撮ったり、小説を書いたり銭湯でバイトしたりしているのですが、そんな日常を記した日記を始めようと思ったのですが、そんなもの三日以上続く訳もなく……。こういった形で思い立った時にエッセイ形式で色々と綴っていこうと思い立った訳です。長いか短いかまだ分かりませんがお付き合い頂けると嬉しいです。

突然ではありますが、みなさまにとって夏と言えば何を想像しますか?
夏+線香花火.祭り.サイダー.浴衣.海.田舎.夏期講習.蝉.田んぼ
「夏」というのは使い古されたモチーフではありますがやはり「夏」というひとつの季節が持つ力は凄まじいものだと思うこの頃です。“ひと夏”のという括りがされるように、夏のせいに出来るように、アバンチュールが許容されるほどの物語性を含んでいるのですかね。
私にとっては夏+インターネット、これがしっくりきますね。インターネットの持つブルーライト的要素とオーバーヒートの熱が調和し、閉鎖的な田舎のやるせなさが繋がるのは、広大なインターネットの海。この対比が素晴らしい。「サマーウォーズ」好きじゃないですかみなさん。

さて、本題。今回は現在自分が撮影準備をしている「しあわせを教えて」という映画のタイトルについて語ろうと思います。
普段は映画監督をしているのですが、映画のタイトルを決める時がとても好きなのです。タイトルっていいですよね。みなさんの好きな映画のタイトルはなんですか? 聞いてばかりですね。文字でも会話が下手なのを実感します。ラジオに出るのが小さな夢だというのに……
自分は「わたしは光をにぎっている」「リリイ・シュシュのすべて」「少女邂逅」などが好きです。

「しあわせを教えて」


みなさんにとって幸せって何ですか? 
この流れだと聞くでしょう私なら。まず率直な思いとして、しあわせという漠然としたものについて観客に、登場人物に、協力してくださるみなさんが、考えて、目の前に転がってるそれを噛み締めて欲しかったからです。

そして劇中でも大事な役割をするのですが、私は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」が大好きです。
【未読の方にはぜひ読んで欲しいので詳しい話はしません】
物語の中には、ほんとうのさいわいという言葉が出てきます。自分にとってほんとうのさいわいとはなんだろう。ずっと考えてきたものです。
父親を亡くした自分からすれば遺された私はジョバンニなのかもしれない。カムパネルラの考えるほんとうのさいわいというものについて彼は受け入れられたのだろうか。それは銀河鉄道に乗車した読者の方がどう考えるかによって変わると思います。
ほんとうのさいわい(=しあわせ)というものは目の前に既にあるんです。私が最近良く考えるのは「でも、ムカデ人間よりましだよな」ということです。先週財布を盗まれました。先週、財布を、盗まれたんです。二度記載したんですが、そこまで悲しんでいません。だってムカデ人間(分からない人は調べてみて)よりましですもの。いや、ほんとに。
この日本に生まれたこと、夜暖かい布団で寝れること、大切な人がいること。当たり前になっていることではあるけれどどれも立ち止まって考えればしあわせなことなのです。

しあわせになろうとしていない人をしあわせにすることは絶対に出来ないんです。しあわせを見つけるレーダーの感度が下がってるから。しあわせになろうとしている人は、道端の石ころがハートなだけでしあわせを感じますよ。よく寝てよく食べていつでもしあわせを抱擁出来るようにしておくことがしあわせになれる秘訣だと思います。

そしてもうひとつ自分がこのタイトルにする上で影響を受けた作品があります。
それが「さよならを教えて」というビデオゲームの影響です。電波ゲーとも言われ、そのキャッチコピーが「言葉、男、狂気、少女、さよなら
高校生の僕はその言葉の鋭さに心奪われました。
内容は全くといっていいほどかすっていないのですが、自分の中ではこんなにもいいタイトルがあるのかとずっと思っていました。
そんな今、書いたこの話がちょうど「○○を教えて」に当てはまるぞ……! これは自分なりの憧れへの挑戦、そしてこのタイトルしかないと思った訳です。

別のタイトル案としては
・泣きたいような日の光
谷川俊太郎「にわ」からの引用
・わたしの生きているこの世界
・ほんとうのさいわい

などがありました。ここで供養。

第一回は身近なこととして制作中の映画タイトルについて書きましたが(最初読む人は知人しかいないと思うので)ここまで読んで頂きありがとうございました。ここからはもっと自分の内側だったり日々思うことについて書けたらいいなと思います。どうかここだけを僕の避暑地にさせてください。
またこの場所で会えることを祈っています。
それでは。

大阪ロケハン中に見つけた夏の風景


不定期連載エッセイ「タイトル@世界.com」第一回-タイトル@世界.com-その映画のタイトルについて

制作中映画「しあわせを教えて」
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