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【読書感想】元彼の遺言状/新川帆立

[ネタバレを含みます]

エンタメ性の強い作品で面白かった。主人公の剣持麗子が現代に生きる女性像を代表しているような人で、いわゆる高学歴・バリキャリ女子。お金のために働いていて、上司にも歯に衣着せぬ物言いをする。最近の女子は、こういう女性に憧れる人が多いと思う。(剣持麗子の場合はすこし振り切れすぎているが。)まさに新時代のエンタメ小説だった。

さて、本書はただのエンタメ小説ではなくミステリー小説の分類でもあるのだが、トリックの真相もしっかりと組み立てられていた。著者は弁護士でもあるので、相続や経営に関する法律をもとに練られたトリックだった。

真相としては、こうだ。

元彼はいとこが買収したヤクザ絡みの会社の株を国庫に寄贈するために、死に際にいとこ・弁護士と相談して遺言書を書いた。それは、自分を殺した犯人に遺産を譲るという内容だったが、それはカモフラージュであり、本当はいとこに不利益がないようにした上でヤクザ絡みの会社の株を国庫に寄贈することが目的だった。

しかし、元彼のおじが、元彼の家に勤務している獣医師の息子が元彼の息子だという遺伝子結果が出たと伝えた。元彼はそれを聞いて、遺産を息子に送るように遺言書を書き換えようとしたが、それに気づいた獣医師によって元彼は殺されたのだった。


◆読了日

2022年9月18日

◆読んだキッカケ

このミス大賞で話題になっていたので。

◆あらすじ

「僕の全財産は、僕を殺した犯人に譲る」。元彼の森川栄治が残した奇妙な遺言状に導かれ、
弁護士の剣持麗子は「犯人選考会」に代理人として参加することになった。
数百億円ともいわれる遺産の分け前を勝ち取るべく、麗子は自らの依頼人を犯人に仕立て上げようと奔走する。
ところが、件の遺書が保管されていた金庫が盗まれ、さらには栄治の顧問弁護士が何者かによって殺害され……。

◆おすすめポイント

エンタメ性の強い作品で面白かった。主人公の剣持麗子が現代に生きる女性像を代表しているような人で、いわゆる高学歴・バリキャリ女子。お金のために働いていて、上司にも歯に衣着せぬ物言いをする。最近の女子は、こういう女性に憧れる人が多いと思う。(剣持麗子の場合はすこし振り切れすぎているが。)まさに新時代のエンタメミステリーだった。

◆おすすめ度

2/5



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