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現状向上

「現状維持」という言葉が苦手だ。

「より良い市民生活を!」と謳っておきながらより良いどころかズブズブと下降線を辿るようなお役所仕事を想起させるし、加齢による機能低下は避けられない事実であるからしてそもそも現状維持出来るはずもないし、「なんかとにかく怠惰なニュアンスを感じてしまうのでイヤだ」という単純な感想が最も大きな理由かもしれない。

自分も含めコロナ禍で本当にたくさんの大切なことを失った。将来的に失うべきものを早々に失った、の方が適切かもしれない。僕自身、コロナに罹患した時に凄く間近に死を感じた。2週間の隔離期間がまるで運が良ければ後30年生きたとしてその最期までが早送りで再生されているようだった。

コロナ突入寸前から始めていた肉体改革が筋トレブームに乗っかったものではなくいよいよ現実味を帯び必要不可欠と感じ何をどうしたら心身が健やかさを保てるか?を模索するスピードがコロナによって加速された。それまで感覚的感情的に実施してきたレッスンが突然中身がスカスカの貼りぼての人形に感じられ全てが嫌になった。

最初は過剰防衛の風潮に押されて世間と肩を並べて「現状維持で頑張ろう!」なんて恥ずかしげもなく言っていたが、ありきたりのエクササイズでは現状維持どころか退化促進にしかなり得ないと分かってきたので、心を鬼にして少しハードな「促通エクササイズ」(※注: 麻痺した手や足を操作(促通治療)することで意図した運動(随意運動)を実現し反復することでそれに必要な大脳から脊髄までの神経回路を再建・強化することを目的とした治療法)を受講者に課し反応を見てみると大きな機能改善が見られるケースが相次いだ。

まだまだメソッドは未完成で感覚的な要素も多分にあるのだが、コロナ以前に自分が過信して続けていたメソッド群とは比較にならないほど上質なメソッドが沢山誕生している。しかし得てしてこういう類のものは論理的になりすぎて楽しくなくなったりスピリチュアル系に傾倒していって本末転倒になってしまうことが多々ある。そこは僕の長所でもあり短所でもある「そんなのテキトーでいいんじゃね?」とか「現実から目を逸らして神頼みとかダサくね?」という抜群のバランス感覚に頑張ってもらうしかない。

なんだか過去最大級にヤル気だ。

そういう時に決まって小さな邪魔が入るのも常。おいおい、Apple Musicさんよ、何とかしてくれよ…

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