見出し画像

部下を安易に「ダメな人」と決めつけないほうがいいかもしれない

職場での「わかり合えない関係」について色々見てきた中で、やはり上司と部下の間にある溝がかなり根深いのではないかと思います。

上司は自分の期待通りに動かない部下に腹を立て、部下は自分のことをわかってくれない上司に反発する、といったことはどこの職場にもあると思いますが、実際に話を伺うと案外「どっちも悪くない」ということが見受けられます。

ではその溝がどこにあるのか、今回は上司の視点から考えてみたいと思います。

部下にもいろいろなタイプがいる

おそらく世の中で「上司」と呼ばれる立場の方は、「部下にも個性があるので、人によって得意・不得意があるのは当然だ」ということは充分に認識されていると思います。

少なくとも私が管理職研修でお会いした上司の方々の中に、「何でもできるのが当然だ」と思っている人はおりません。
ただし、上司自身にも得意・不得意の許容範囲があり、部下の苦手なことが上司の許容範囲を超えてしまうと「こいつはダメなやつだ」となってしまうことがわかりました。

すなわち、部下にも様々なタイプがいる中で、上司にとっては許容できるタイプと、許容できないタイプが存在しており、どちらにも罪はないが、運悪く自分が許容できないタイプの部下に遭遇すると不幸な関係になる恐れがあると言えます。

そこで、私が今まで見てきた中で3つのタイプの部下について考えてみたいと思います。

なお、ここでのタイプ分けはあくまで私の個人的な見方になりますのでご了承いただければ幸いです。また、人の資質を便宜上6項目のレーダーチャートで表してますが、人の資質は6項目だけでは測れないものなので、あくまでイメージとして捉えていただければと思います。

1.バランスタイプの部下

画像1

このタイプのイメージは一般的な仕事であれば一通りそつなくこなし、改善点を指摘すればちゃんと改善できるような部下です。
ただし、突き抜けたものがあるわけではないので、安定した成果は上げられるが、いきなり大仕事をやってのけるようなことは少ないです。

もし上司が自分の部下をバランスタイプとして見ており、実際に部下がそうであれば、すれ違いはそれほど起きないと思います。

2.凸凹タイプの部下

画像2

このタイプは「できること」と「できないこと」がはっきりしており、イメージとしてはコミュニケーション力は抜群で顧客からの信頼も厚いが、経費精算といった細かい仕事は苦手でよくミスをするような人です。

かといって、得意なことに注力したほうが本人にとってはエネルギーが沸くので、苦手なことを改善しろと言ってもなかなか改善してくれません。

もしこのようなタイプの部下がいた場合、上司が本人の得意・不得意を理解すればよいのですが、たまたま本人の不得意な分野でやらかしてしまうときに上司が事情を理解していないと、不幸な関係に発展する恐れがあります。

3.極端タイプの部下

画像3

このタイプの人は数としては少ないのですが、俗にいう「天才タイプ」の多くはこれに当たり、「できること」よりも「できないこと」のほうが圧倒的に多いものの、「できること」はどんでもなくできるという人です。

例えばコミュニケーションも苦手、細かい作業も苦手、時間管理もルーズだが、ときどき大ヒットするようなすごいアイディアを閃くような人です。

あとは仕事はさっぱりできないが誰からも愛される釣りバカ日誌のハマちゃんみたい人もこのタイプかもしれません。(人たらしの天才という意味で)

このタイプの部下を持った場合、本人か突き抜けているところが見えないとただの「ダメなやつ」になる可能性が大きいため、上司にとっては負担になる恐れがあります。

上司はどうすればよいのか

上記の3タイプの部下はどれが良い悪いではなく、あくまで適材適所の話ですが、現実問題として仕事である以上、本人の苦手なことも行っていただく必要があります。

ただし、そのときにうまくいかないからといって、安易に「こいつはダメだ」になってしまうとそこから進まなくなるため、互いに「わかり合えない」不幸な関係に陥ってしまいます。

そのため、上司の立場で言えばやはり「世の中には自分の理解を超える人がいるかもしれない」という意識で部下に向き合ったほうがよいかもしれません。

自分の常識で「これぐらいはさすがにできるよね」と決めつけてしまうと、それがうまくできない人は「ダメな人」になってしまいます。

とはいえ、極端タイプの部下に遭遇したとき、部下の強みを見つけるのはかなり大変です。
部下の得意なことが見つかるまで相当のストレスがあると思いますが、人の強みを測る物差しは無限にありますので、上司という立場になった以上は「どんな部下にも何かの取り柄はある」と信じた方が自分にとっても幸せと思います。

こんなことを言うと、「いやいや、世の中には何をやってもダメは人はいる」という反論もあるかと思います。ただ、仮に「何もできない」という人が居た場合も、その人は「できない人の気持ちが誰よりもわかる」という誰も持っていない強みがあると言えます。

今回はここまでにしたいと思います。お読みいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?