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【シーズンテーマ・インディースポーツ】試合を別の側面から見せる、スポーツゲームの特殊な可能性を追求したゲームたち

スポーツはビデオゲームが発展するうえで、初期に題材とされることが多かったジャンルだった。ビデオゲームが登場する以前から、誰もがすぐにルールを知っている題材で、それをテレビで遊べるとはどういうことなのかを理解させるのに手っ取り早いところもあったと思う。

ゲームが進歩するとともに、スポーツゲームもグラフィックからゲームデザインまで現実の試合に近づいていく。だが一方で、FPSからRPGのようなビデオゲームならではのジャンルが発展するのに対して、スポーツゲームは批評的にはあまり注目されることは少なくなっていく。

その証拠に、インディーゲームの分野でスポーツを題材にしたタイトルはあまり多くはない。メディアで真剣に語られたりすることも珍しい。過去の人気タイトルを作り直したがるようなアクションやRPGが佃煮のように現れたり、ビデオゲームの限界がどこにあるのかを批評的に試してみたりするADVが活況ななかで、スポーツに関しては作ろうとする人はなかなか現れないのである。

これは自主制作の大手itch.ioでさえも、「Baseball」だとか「Basket ball」で検索しても、簡単にタイトルが出てこなかったりする。それは、スポーツゲームで体験できる内容が、多くの意味(プレイ内容から、シンプルなリアリティ至上主義の方向性などなど)で素朴さを孕んでいるからだろうか。

シーズンテーマ『インディースポーツ』では、そんな数少ない、個人作家によるスポーツの可能性を追求したゲームを特集。そこにはフォーカスされていなかった、スポーツゲームの別種の可能性があるのだ。


▼試合会場の外で起きること

『Watch Me Jump』女子バスケットプロ選手の暴力スキャンダルにまつわるADV

「女子バスケットボール」を題材にしたゲーム自体が珍しいうえに、扱うのが「スキャンダル下にある選手の享受」なのだから、ほぼ個人制作でなければ登場していない特殊なADV。

プレイヤーは問題を起こした主人公として、数々のスキャンダルを容認したり否認したりする体験を通し、スポーツ選手に課せられた、ある種のプライドやストレスについて見ていくことになる。開発したのが、なんと演劇作家ということもあり、奇妙な劇を見るかのようなプレイにもなっている。


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