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「言葉は考えや気持ちを相手に伝えるためにある」と勘違いして、しんどくなってるあなたへ。

言霊使いの魔女が伝授する、「言葉」の上手な使い方。

書くときや話すとき、目標地点を「相手に自分の言いたいことを伝えよう」に設定すると、ものすごいしんどいので、目標地点は「言いたいことを言ってスッキリしよう」に設定するのが正解だと思います。

「言葉は何のためにあるか」という基本的なことですが、私は「言葉は考えを人に伝えるものでは『ない』」と思っております。
私も昔「言葉は考えを人に伝えるものだ」と勘違いしてたもんです。
けど、こうして魔女として言葉をつかってお仕事する中で、それが大きな間違いやったことが身にしみてわかりました。
私の家族とか過去の夫がモラハラで、彼ら相手にもずーっと「なんで言いたいことが伝わらんのやろ」と思ってしんどかったものですが、その苦しみは、そもそも「上手に言うたら伝わるはずや」と勘違いしてたことから来ていたんだな、とも悟りました。

言葉は伝わりません。絶対に通じません。相手が誰であれ通じません。
こうして文章書いてますが、これ、一応、読んでる人に「伝えること」を目標にして書いてます。けど、「結局、伝わらんやろし、それでいい」と思いながら書いてます。
自分の頭にあるのはホログラム映像みたいな、「もや~」とした立体的なもんです。自分の脳と相手の脳をじかに接続して、それを相手の頭にホログラム映像のまま移植できたら「伝わった」と言えるでしょうが、そんなの絶対無理です。
自分の頭にあるホログラム映像を一回「言葉」とか「絵」とか、そういう媒体としてアウトプットし、そのアウトプットしたものを相手に渡し、相手の頭に読み込んでもらって「もや~」を再現してもらうというのがコミュニケーションでやっていることす。
でも言葉や絵にアウトプットした時点で、立体のホログラム映像を白黒コピー画像くらいの粗さに激しく「劣化」させてるので、劣化した「白黒コピー」を相手が見たところで相手の頭にそのまま自分の描いたホログラム映像が再現できるわけがありません。
実際に起こっているのは、私の作った白黒コピーをみた相手が、勝手に新しいホログラム映像を「新規作成」してるに過ぎない。相手が勝手に作ったホログラム映像が相手の頭にできあがって、「ああ、あの人(私のこと)は、こういうことを言いたいんだな」って憶測というか勘違いというか妄想みたいなことをしているわけですね。

自分のホログラム映像と、それとは全然違う相手のホログラム映像がそれぞれ両者の頭にあって、なんとなく話が通じ合っているように勘違いしている、というのがコミュニケーションの実体やと思います。

その結果、私が思うに、言葉の用途は二つ。
A・事務連絡

 それぞれ自分の妄想の世界で生きているのが人間ですが、やっぱり待ち合わせ場所とか時間とか今日の夕食が必要かどうかとかくらいは、正確に情報共有しないと、不便ですから、その「不便を埋める」という意味で、事務連絡するために言葉は便利です。
B・自分の気持ちや考えを整理やアウトプットしてスッキリする
 自分の考えや気持ちを自分なりに整理して、それを表現するとスッキリして気持ちいいですが、そのために言葉は便利です。

以上二点です。
他の人に言葉によって「伝えることができる」のは、データや事務連絡のみで、「考えや気持ちについては伝わらない」、と思っておくと余計な苦しみは起きません。
これは、案外良いことでもありまして、こちらが言いたかったことが伝わらない反面、自分が言ったことに触れた相手が「発言した当人が予想もしなかった素敵なこと」を受け取る、という側面もあるわけで、「自分の言いたいことが、そのまま伝わらない」のは、ただただ残念というばかりではなく、とても素敵で面白味がある、とも受け取れるのです。
そのまま伝わるだけでは面白くない、伝言ゲームに起こるアドリブの妙味、という感じですね。
なので、自分の考えや気持ちについては「言ってすっきりするためだけに言う」のがお勧めで、「相手がどう思うだろうか」とか「これで伝わるだろうか」とは、勘ぐらないほうがいいですね。どうせそんなのわかりっこないんだし。それができたらエスパーです(死語?)。


上記の事項を抑えたうえで、人とコミュニケーションするときのポイントを種類別に、提案します。

A)事務連絡の会話のコツ
これは正確に伝えることがポイントなので、端的に、間違える余地がない言葉で伝えることが大切です。
たとえば日時を決めるとき
「私は平日なら何時でもよくて休みの日は午後がいいけど、あなたが都合いい時間を言ってくれたら合わせるよ」
こういう書き方は伝わりにくいので、
「第一希望は何日何時、第二希望は何日何時、それ以外が良ければ第二希望まで教えてください」
というふうに、「業務連絡」「指令」のような言い方のほうがスッキリ伝わります。
事務連絡の会話には、気持ちをこめないことと、行間を読ませるような言い方を避けることがコツですね。

B)自分の考えや気持ちの会話のコツ
自分の考えや気持ちについては、「相手に伝える」を目的にしないで、「言うて自分がすっきりする」ことを目的にして言うことです。
「言うためだけに言う」かんじ。
これはどんな言い方をしてもいいと思います、自分がスッキリすれば。
言ってすっきりするためだけに言うので、結果として相手に曲解されようが誤解されようが、相手の自由だし、予測不可能、「仕方ない」と割り切りましょう。どうせどんなに言葉を尽くしても、伝わりませんからね。「伝わったらラッキー」と願うだけで十分です。

以上です。
言葉を使うときにはその目的がどちらかをはっきりさせて、目的別にポイントを押さえて使うとストレスが減って心地いいですよ。
ご参考に!

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