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「ザムザ」歌詞考察

こんにちは。
Reiと申します。
この記事では、てにをはさんの「ザムザ」という曲の考察をしていきたいと思います。

なぜこの記事を書こうと思ったのかというと、前に僕の記事でプロセカのイベント、イミシブル・ディスコードについて考察した際、提供曲として考察したのが、てにをはさんの「ザムザ」でした。

前回考察した際は、空耳の歌詞でゲームサイズだったんですが、今回正式に歌詞とフルが公開されたので、ちゃんと考察したいなと思いましたが、すごく長くなりそうだなと思ったので、考察だけで1本の記事にしようと思い、現在僕はこの記事を書いています。

そのため、イミシブル・ディスコードの考察を読んでくださった方には知っている内容もあると思いますが、ご了承ください。

その前に、軽くてにをはさんについて紹介します。
てにをはさんは、代表曲に「ヴィラン」や「古書屋敷殺人事件」などで成り立つ「女学生探偵シリーズ」などがあります。また、歌い手のAdoさんに「ギラギラ」という曲も提供しています。

https://youtu.be/VKETQAo0v9Y

https://youtu.be/sOiMD45QGLs

紹介も終わったところで、早速見ていこうと思います。
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そもそもタイトルの「ザムザ」ってなんやと思い、調べてみたところ、

カフカ作の中編小説、「変身」の主人公であるグレゴール・ザムザからとられたものだそうです。

僕も原作を読んだことがないので詳しいことは分かりませんが、ウィキペディアを元に説明します。
(便宜上の名前はグレゴールですが、分かりやすくするためここではザムザと呼びます)

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主人公である青年ザムザはある朝目覚めると、巨大な毒虫になっていました。
ザムザが部屋から降りてこないことを心配した家族が部屋へ行き、ザムザが姿を現すと、家族はたちまちパニックに陥りました。

それ以来ザムザは自室に閉じこもるようになり、妹のグレーテがザムザの世話をしていました。グレーテはザムザの姿を嫌いつつも、食べ物を差し入れ、部屋の掃除もしました。

そのうちザムザは部屋の壁や天井を這い回る習慣を身に付け、これに気が付いたグレーテは、這い回るのに邪魔になる家具類を彼の部屋からどけてやろうと考えました。

しかしザムザは最初こそ乗り気だったものの、自分が人間だった頃の痕跡を消していいものかと考え始め、その意志を伝えようと際にかかっていた雑誌の切り抜きにへばりつくと、その姿を見た母親は気を失ってしまいました。

その事態を重く見た父親は、ザムザにリンゴを投げつけました。それによってザムザは深い傷を負い、満足に動けなくなってしまいます。リンゴはザムザの背にめり込んだままとなってしまい、ザムザはその傷に1ヶ月もの間苦しめられました。

その後年老いた大女が手伝いに雇われ、彼女は偶然目にしたグレゴールをまったく怖がらず、しばしば彼をからかいに来るようになりました。
また、家の部屋の一室が三人の紳士に貸し出されることになりました。

ある日、紳士たちがグレーテの弾くばいおりんを聞いていると、その音色に釣られてザムザが部屋から出てきてしまいました。
その無礼に紳士たちは怒り、即刻この家を引き払い、またこれまでの下宿代も払わないと宣言されてしまいました。

失望する家族たちの中で、グレーテは「もうザムザを見捨てるべきだ」と言い出し、父もそれに同意します。やせ衰えたグレゴールは家族の姿を目にしながら部屋に戻り、家族への愛情を思い返しながらそのまま息絶えました。

翌日、ザムザは手伝い女によってすっかり片付けられ、休養の必要を感じた家族はそれぞれ欠勤届を出しました。話をしてみると、どうやら互いの仕事はなかなか恵まれていて、将来の希望も持てるそうです。それに娘のグレーテは長い間の苦労にもかかわらず、いつの間にか美しく成長していました。両親は、そろそろ娘の婿を探してやらなければと考えました。

カフカ/変身 の詳しい解説
(ウィキペディアに飛びます)
https://ja.wikipedia.org/wiki/変身_(カフカ)
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歌詞


言葉選びやリズム感がてにをはさんらしい…

というわけで、早速考察していくんですが、
イベント「イミシブル・ディスコード」の内容にも触れながら考察していくので、軽く全体のストーリーを紹介しておきます。知ってる方は飛ばしてもらって大丈夫です。

お母さんにニーゴとして音楽活動をやっていることを隠して活動していたまふゆは、ある日お母さんにパソコンの中を見られ、活動のことがバレてしまいました。
そこでお母さんは、まふゆにその事を言うのではなく、サークルでリーダー的な立ち位置にいる奏に、普段ニーゴのメンバーが使っているチャットツールで連絡を取りました。
そこではあまり話が噛み合わず、なんだかんだ会って話すことになりました。

当日、奏から見たまふゆのお母さんの印象は、優しそうな人でしたが、実はまふゆの気持ちなんてこれっぽっちも考えずに、まふゆを優しく束縛してくるような人でした。
結局会っても話は噛み合わず、モヤッとしたまま話し合いは終わってしまいました。

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前置きが長すぎましたが、ここからさっそく歌詞考察に入っていこうと思います。
時間が経つ事に増えたり改変されたりすると思いますがご了承ください。

まずはイントロの

「高潔を打ち負かせるくらいに恐ろしくなる 骨の髄まで」

「高潔」とは、けだかくりっぱで、けがれのないこと という意味があるので、この歌詞をまふゆに当てはめると、高潔を打ち負かす=医者になる、などの気高く立派なものを打ち負かせるぐらいになる ということになると思います。

「今はどんな風に見えてますか 醜いですか それはそっか」

では「変身」で毒虫になったザムザが家族に今の自分の姿を問いかけたと考えることもできますが、このフレーズは、セカイ版では「それはそっか(笑)」のように歌われているので、ザムザが自問自答し、「そりゃあ醜いよね(笑)」のように思ったのだと個人的には考えます。また、

「どうかりんごを投げつけないで」


という歌詞では、まふゆをザムザに例え、
父にりんごを投げつけられたザムザ=
母に活動について口出しされるまふゆ
となっていると思われ、

りんごを投げつけないで=
活動に口出ししないで

という解釈が出来ると思います。

「胸にLock up Lock up」


「Lock up」を和訳すると、「閉じ込める」となります。
胸にLock up ということは、胸に閉じ込める、つまり前の歌詞とあわせると、色々言ってやりたいことはあるけど、全部胸に閉じ込めて

そしてAメロの


「甘い言葉も笑顔も通じない」

は、今まで甘い言葉でお母さんに活動のことを隠していましたが、バレたからにはもう何を言っても通じない ということだと考えられます。

「走り出したら もう獣だ」 

これはまふゆ母が走り出す=まふゆのことを考えずに自分勝手なことを言い暴走し出す 状態になったら、それが獣のようだ と考えられます。

あと考察ではないんですが、「うまくいったら 儲けものさ」と「走り出したら もう獣だ」の韻の踏み方がすごく好きです...

また、

「悪夢にどの指立ててやるべきかってね」

という歌詞がありますが、指を立てることに意味があるんじゃないかと思い調べたところ、

親指を立てる…日本では「グッドサイン」とも呼ばれ、「Good」を意味する。 英語圏では肯定的な意味を持つが、中東、西アフリカ、南アメリカ(ブラジルを除く)では「侮蔑の表現」となる。 その他、ヨーロッパやアジアの一部の国ではわいせつな表現となる。

人差し指を立てる…その名の通り人や物を指さすのに使う。

中指を立てる…中指を立てるハンドサインは「ファックユー」という侮辱表現になる。日本でも侮辱の意味で使われることはあるが、欧米では更に過激な意味合いになっている。 冗談でもしてはいけないハンドサインであるので注意が必要。

薬指を立てる…そもそも薬指は単体では立ちにくい。これは「立ててはいけない」と深く頭に刷り込まれているから。
詳しい説明↓

https://ncode.syosetu.com/n7233dl/

小指を立てる…日本では恋人や奥さんなど「女性」を表す。 しかし、中国では「できの悪いやつ」「小者」など、侮辱の意味になります。 中国では、大きな親指が「立派な人」を表し、小指はその反対。 つまり、小さい指を立てると、軽蔑のサインとなってしまう。

この歌詞の場合、悪夢というのは、お母さんに様々なことを制限されているまふゆの現実を表してると考えられます。
そしてそんな悪夢に、どんな指を立ててやるべきか、つまりどんなことを言って、やってやろうか、ということになると思います。
まふゆ的には中指を立てたいと思っているかもしれませんが、それを隠して親指を立てているのかもしれませんね。

Bメロ

Bメロでは、繰り返される「ズキ ズキ」や「ズキンズキン」から、まふゆの辛い気持ちが伝わってきます。

最後の「変われ」からは、ニーゴカイトのような冷たい、でもそれがまふゆのためには一番いいような、そんな想像ができます。

サビ

「誰だって魂辛辛」

の「魂辛辛」を調べたところ、何もヒットしなかったので造語だと思われます。
「からがら」は、やっとの思いで という意味があるので、「誰だって魂辛辛」という歌詞は、誰だってやっとの思いで生きてるんだ。という解釈が出来ると思います。


2番Aメロ

『「ごめんね。ちっとも上手に生きてあげられなくて」と伝えて』

これは「変身」視点と、まふゆ視点、どちらでもとることができます。
「変身」視点では、ザムザが毒虫になり、それによって人に頼って生きるしかない=上手に生きられない という解釈ができます。
まふゆ視点では、お母さんの思い通りに生きたくない=お母さんから見て上手に生きられない という解釈もできます。
またこの歌詞にはこんなエピソードもあるそうです。


てにをはさん Twitterより

「当然あなたとまともにケンカもできなかった」

これは、まふゆのお母さんに「音楽をやりたい」と伝えても聞いてもらえなかったことから来てると思われます。否定されてしまったなら、当然お母さんとまともにケンカもできないと思いますし。

2番Bメロ

まだ続く「ズキ ズキ」。
1番で「変われ」 と言っていたところも、「変われそうにないやいや」となってしまっています。

2番サビ

「冗談じゃない 夢を食べないで」

この歌詞は、「冗談じゃない」はそのまま受け取り、「夢を食べないで」はまふゆのお母さんに対する気持ちと受け取り、「夢」は音楽活動、そんな夢を食べないで=音楽活動をする夢を潰さないで という解釈が出来ると思います。

Cメロ

「あとがきで触れられもしない日々」

これは「変身」とニーゴをかけ、「変身」ではあとがきで触れられなかったような苦悩のような日常をまふゆは生きている。という解釈ができます。


ラスサビ後(?)

「シャガの花に毒されても」

シャガという花があり、花言葉は「反抗」、「友人が多い」らしいです。
そんなしゃがの花に毒される=支配されると、反抗もできない、表面上で友人が多いだけの状態になってしまいます。もしまふゆがそうなってしまっても、

「光は一時の方角にある」

一時=25時 と解釈し、分かりやすくすると、
ニーゴのみんながまふゆを救う光となる と解釈できます。
ここの歌詞大好きです...

少しプロセカの話になるんですが、プロセカ版ジャケットにも描かれている「りんご」は、まふゆにとって数少ない(であろう)家族との思い出なんじゃないかな、と思っています。(イベント「灯火のミラージュ」 参照)
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記事が過去一長くなってしまったので、この辺りで終わりたいと思います。
読んでくださりありがとうございましたm(_ _)m



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